ウッドデッキの基礎と軟弱地盤

ウッドデッキ基礎の水平の確保

べた基礎の場合

プロに施工してもらうなら、適度な水勾配を設定してもらうとよいでしょう。
水勾配をつけないとコンクリート上のわずかな窪みに水がたまって汚れやすいし湿気が抜けにくいです。
うちは何も言っていませんが、1/100の勾配(1m先が1cm低くなる)がついていました。

私は、1/100の勾配がついたままウッドデッキも作成しました。
私の利用した水平器では左右の線に水泡の端がぎりぎりかかるぐらいの角度でした。
水平器の感度によって変わるので、最初に調べておくとよいですね。
1/100の勾配だと、ウッドデッキ上を歩いたときにわずかに傾斜を感じます。
傾斜がついていることを知らせる前は、うちの家族は傾斜に気づきませんでした。
ウッドデッキ上の排水を考えて勾配をつけましたが、ウッドデッキの勾配は好みですね。

独立基礎の場合

地面は水平に見えても結構、場所によって高さが違うものです。
サンドイッチ工法など根太で水平が調整できる工法や調整束を利用して水平を調整するにしても、基礎の時点でおおよその水平をとっておくとよいです。
私は独立基礎を作っていませんが、2人で透明なホースに入れた水で水平を確認する水盛管(楽天市場)方法が意外に簡単みたいですね。
頭で考えると長いまっすぐな板と水平器を使って水平をみた方が簡単そうに思えますが。
また、基礎自体はそれほど水平にこだわらず、束柱の長さで調整した方がよいようです。
踏み固めた後の高さを揃えるのは面倒ですからね。

軟弱地盤における基礎の選択

ウッドデッキの基礎は、一般的に束石を置いて作る独立基礎(点で支える)の形式が多いと思います。
まれにべた基礎(面で支える)にする例があるぐらいかと思います。
家の工事では布基礎(線で支える)やべた基礎ですが、加重の軽いウッドデッキでは独立基礎で問題ないようです。

しかし、我が家は水田を埋めた軟弱地盤で新築時に建築会社の人にも「ウッドデッキを作るなら、べた基礎がいいよ。」と言っていました。
また、べた基礎の方がウッドデッキ下が活用しやすそうなのでべた基礎にするのは決めていましたが、自分なりにどの程度悪いか考えてみました。

独立基礎砕石で踏み固めた上に束石を置き、その上に束柱を立てるウッドデッキで一般的な基礎束石底面積で束柱の加重を支える
布基礎束柱と束柱の間の線上もコンクリで固める住宅で一般的な基礎コンクリ底面積で束柱の加重を支える
べた基礎ウッドデッキ施工個所全体をコンクリで固める住宅でよくある基礎ウッドデッキ施工個所全体の面で全体の加重を支える

基礎に係る加重の計算式

計算式として次の2式を考慮しました。ただ、この式で妥当な計算ができるのか不安なところです。

(1)必要基礎底面積(m2)=基礎1本あたりにかかる重量(kN)÷(支持力(kN/m2)−基礎単位重量(kN/m2))

(2)必要支持力(kN/m2)=(基礎1本あたりにかかる重量(kN)+基礎の重量(kN))÷(基礎底面積(m2))

我が家のウッドデッキで計算

我が家の軟弱地盤の地耐力

スウェーデン式サウンディング調査結果

この写真は新築時のスウェーデン式サウンディング試験(SS試験)の一部です。
「換算支持力qa(kN/m2)」という数値を見ると、一番悪いところで2.4kN/m2となっています。
この数値をもとに計算しました。

しかし、この表の範囲だと全て「自沈」で「ハヤイ」で換算N値が2以下とは。


必要な基礎底面積の計算

上記の(1)式を用いて計算しました。

...あれ、基礎だけで地耐力程度になってしまう。10cm程度の厚さの石を置くと沈む土地ってことですね。まぁ埋立直後の土地でのSSの結果ですし、表層は掘削・転圧で無視できるとして、16kN/m2 の層で計算することにします。

1kN/本÷(16kN/m2−2.4kN/m2)=0.0735m2

必要基礎底面積が0.0735m2以上って、基礎1本あたり27cm四方ぐらいの基礎が必要ってことになります。束石90角用(底辺20cm四方)だと重量もあるし、全然ダメってことですね。30cm四方のコンクリート平板でもぎりぎりです。

我が家の場合

換算支持力が16kN/m2の層で計算して、30cm四方のコンクリート平板でぎりぎりですし、1.5m下には2.4kN/m2の層もあるので、やはりベタ基礎です。
まぁ、1.5m下だと土圧だけで相当あるので、ウッドデッキを作る頃には埋め立てた土が落ち着いて、ウッドデッキ程度では影響しないかもしれないが。

計算したらベタ基礎でも不安になってきました。しかし、ウッドデッキの基礎で杭を打つ気にはなれないので、ベタ基礎で行きます。うちにとってかなり重要なところみたいなので、基礎はプロに頼みます。

新築の工事をしているときも、工事車両が駐車する場所に鉄板を敷いていましたが、鉄板ごと沈んで縁石とかが壊れてました。

一般的なウッドデッキ基礎での試算

上の計算だと、30cm角のコンクリート平板を使うには、換算支持力が16kN/m2(N値2)程度以下だと厳しいということですね。

ちょっと計算を見直して、底面20cm角の重量16kgの羽子板付き束石を使用する場合で計算してみました。(2)式を使います。

(2)式で計算すると、(0.8kN/本+0.16kN/本)÷0.04m2=24kN/m2 が必要なようです。N値だと2〜3程度ですかね。
自宅を立てる際に地盤改良が必要だったような土地の場合は、注意して基礎の本数を増やすとか加重を受ける底面積を広めにして、
しっかり周囲を踏み固めた方がよい気がします。

我が家の土地は、表層20cmぐらいは重機で固めてあってそれなりに固いのですが、下層が緩いです。
踏み固めようと思って柱などで叩くといつまでも下に沈んでいきます。

寒冷地での基礎の深さ

私の住む地域は雪が多いですが、気温がそれほど下がらないので凍結深度(冬季に地面が凍る深さ)については、特に考えませんでした。
凍結深度が深い地域の場合は、ウッドデッキの基礎とはいえ、凍結深度を考慮した方がよいようです。

束石で非常に長い物もありますし、ボイド管にコンクリを流し込んでもいいので、基礎は凍結深度より下まで施工するべきだそうです。
まぁDIYなんで、凍上しても気にしない、壊れたら補修すれば、って考えもあるでしょうね。

目次