夜のドライブ。
ねえちゃんの運転 オンボロ車。
オイラ 後ろのシート倒して 流れる黒い空を見てる。
ネオン・・・電線・・・屋根・・・ブロック塀・・・木・・・暗空・・・
流れる・・・流れる・・・流れる・・・流れる・・・
いつもうるさい甥っ子は お子様シートでぐっすり。
いつもと同じ そう、いつもと同じ。
だけど俺の背中を何かがくすぐって、どこかが違う事を知らせるんだ。
だってさ、ねえちゃん 見た事もねぇワンピース。
オイラもさ、ネクタイなんかしちゃってさ。どうしたんだよ。しかも黒だぜ?

かけっぱなしのラジオから流れてくる歌謡曲。使い捨てのくっだらねー歌。
右から左へ流れてく・・・流れてく・・・。
聞き流し過ぎた♪は歪みだす。
よれよれになって バラバラになって 粉々になって
今だ 新しい♪が割って飛び出してくるのは こんな時だ。
繋ぎ合わせて メロディにして 記憶しようとする俺の脳。
腐ってんなぁ。すがってんなぁ。やめてぇなぁ。
だけどメロディはお構いなしに流れ続ける。
誰かが操ってんだ きっとな。
走る 走る メロディ  飛べ 飛べ ビート
なかなかいい曲だぜ。あの曲に勝てるかもな。
でも俺は蓋をする。♪を堰き止める。
流れる黒い景色に瞼の暗幕を。
あの曲の二の舞はごめんだぜ。
オイラの中から出た来たくせに 誰かの指令で出来たみたいな曲。
オイラ以外のいろんな奴らに 弄ばれすぎた曲。

目を開けるとオイラの顔
あいつと同じ顔
オイラのカタワレのあいつの顔
今は見れないあいつの顔・・・顔・・・

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