らくらくISO9001講座



口語訳 ISO9001:2008
製造業用

6章 人や設備の管理
6.1 6章のまとめ
6.2 人の配置
6.3 設備や施設の管理
6.4 作業環境

青字 は2000年版から変更された部分です    
緑字 はこの口語訳で独自に追加した補足説明です
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改訂 2008.01.18

6章 人や設備の管理


6.1 6章のまとめ

会社は、必要な経営資源(要員、施設、設備など)を用意してください。

経営資源は、次のことを実行できるように適切に管理します。
a)品質に関係する仕事の仕組み【品質マネジメントシステム】を実行し、状況
  の変化に合わせて改める【維持】。さらに、常に仕組みを見直し改良をする。
  【有効性を継続的に改善する】
b)顧客との約束を守ることで、顧客の期待に答える。【顧客満足の向上】




6.2 人の配置

6.2.1 力量を持った人の配置

製品の品質に影響する業務【製品要求事項への適合に影響がある仕事】には、十分
な力量(知識やテクニック)を持った従業員を配置してください。
 (この項には2008年版で用語の変更がありますが、意味は変わりません。
   製品品質 → 製品要求事項への適合)

従業員の力量は、以下のことから判断してください。
1)教育(学歴、専門教育、社内で受けた教育)
2)訓練(社内で受けて訓練、OJT、社外で受けた訓練)
3)現在持っている技能(テクニック)
4)経験

 <補則説明1> 対象となる人の範囲
直接、製品を取り扱う部門だけでなく、多くの業務が直接あるいは間接的に製品の
品質に影響します。ISO9001が規定する業務【品質マネジメントシステム内の作業】
は、ほとんどが製品の品質に影響すると思ってよいでしょう。この項目では、これ
らの業務のすべてを含めて考えています。


6.2.2 必要な人の確保/訓練/認識
    (この節は2008年版では表題の語順が変わっています)

  力量を持った人を確保するために、次のように管理をしてください。

 a)必要な力量の整理
製品の品質に影響する業務のそれぞれについて、必要な力量(テクニック、経験、
知識、資格など)を整理して下さい。
 (この項には2008年版で用語の変更がありますが、意味は変わりません。
   製品品質 → 製品要求事項への適合)

 b)必要な力量を持つ人の確保
必要な力量を持つ要員を養成するために、訓練を行なって下さい(それが可能な場
合)。
または、新規採用、人の異動、派遣社員の使用などにより、必要な力量を持つ人を
確保してください。
 (この項には2008年版で文章の変更がありますが、意味は変わりません)

 c)力量の確認
要員の訓練をした場合は、必要な力量がついたかどうかを確かめてください。
また、その他の方法により人を確保した場合は、必要な力量の人が得られたかどう
かを確かめてください。

 d)従業員の認識
すべての従業員に、自分の仕事の重要さを認識させてください。
すべての従業員に、品質目標を達成する上での自分の役割を理解させてください。

 e)記録
教育、訓練、技能、経歴の記録(力量を証明する記録)を残してください(記録を
保管する方法については4.2.4に決めます)。




6.3 施設や設備の管理

会社は、決めた品質の製品を作るために必要なインフラストラクチャー(設備や施
設など)を、管理してください。

管理が必要なインフラストラクチャーがどれかを決めてください。
これらのインフラストラクチャーを用意してください(そのための仕組みを作って
ください)。
これらが必要な時に使えるように、ルールを決めて管理してください。
管理には、日常点検、運転状況の監視、メンテナンス、清掃、修理、消耗品の補充
などがあります。

  インフラストラクチャーには、次のようなものが含まれます。
 a)施設とユーティリティー
建物、作業場所、ユーティリティー(水、電気、ガスなど)
 b)設備
機械類、工具類、コンピューターなどのハードウェアに加え、コンピューターソフ
トウェアも含みます
 c)サポート体制
コンピューターシステム、輸送手段、通信手段(電話、社内メール、イントラネ 
ットなど)など




6.4 作業環境

会社は、作業環境が製品の品質に影響する時は、その作業環境を管理してくださ
い。

管理が必要な作業環境がどれかを決めてください。
これらが製品に悪い影響与えないように管理をしてください。

 <補足説明1>
作業環境には、物理的な環境(騒音、室温、湿度、照明など)、自然の環境(気
温、天候など)、その他のもの(心理的な影響、社会的な問題)があります。それ
らの中で、製品の品質に影響するものを管理してください。

製品の品質に直結し、特に厳しい管理が求められる作業環境には、クリーンルーム
や清浄区域内の環境、食品など低温での取扱いが求められる場合の温度、検査結果
に影響する温湿度や照明の明るさなどです。




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