地球の中に宇宙はあった… 
私は、東南アジアをよく旅行していました。
ある年に、マレーシアの『コタキナバル』というビーチリゾートでのこと、
このビーチから数分の所には、いくつかの島があり、 そこで初めてシュノーケリングをしました。
伊豆や沖縄の海とは違ったBlueな海に、初めて見るFishに、それまでにない気持ちをもった時間でした。
でも、まだダイビングをしようという思いはなかったと思います。

次に、『パラオ』に訪れます。
パラオはダイビングのメッカですが、このときは、まだそのようなことを知りませんでした。
ここでも、シュノーケリングに出かけました。
コタキナバルより、魚影もこく、多くの種類のお魚さん達がいたように思います。
泳いでいると、いつのまにか随分、端の方に来てしまい、
そこは、周りよりもずっと冷たく、底が見えない紺青の海、吸い込まれそうな暗黒の世界でありました。
「怖い!…」 死んでしまうのでないかという恐怖です。
逃げるように、暖かい明るい海に戻るのですが、何度も何度もそこに舞い戻ってきてしまうのでした。
もし、ダイビングライセンスをもち、ダイビングができるのならば、
この漆黒の海の底に何があるか、知ることができるのだろうかと思いました。
このとき初めてライセンスを取ってみたいと思ったわけですが、まだ腰は重かったです。

次に再び『コタキナバル』に訪れました。
このとき、意を決して体験ダイビングにトライしてみたのでした。
イントラさんは、とてもいい感じのマレー人(多分)の方なのですが、
日本語は全然通じませんので、お互いに、片言の英語と、身振り手振りでのレクチャーです。
水に対する恐怖などはまったくなく、新しい世界に飛び込む嬉しさでいっぱいでした。
エントリー。
潜った瞬間に、目の前に広がる光景は、
透明な水の世界に、赤や黄色や青や、色とりどりの魚たちが泳ぎまわり、
サンゴや何やらの造形物が一面になしている。
この光景をうまく言葉で表せないのですが、
別世界、いや別の次元の世界、いやここも地球、
でもそれ以上に無限に遠く広がる彼方が収束した世界のようで、
『地球の中にも宇宙はあった…』
と思ったのでした。
(キザなセリフだなと、ダンナに言われましたが、ホントにそう思ったんだも〜ん!)
エキジット。
興奮冷めやらぬ私は、少ないボキャブラリの中から、
ビューティフル! エクセレント! ベリベリーハッピィ!
ワン・モア・トライ!
など連呼しその感動を伝えようとしていたと思います。
マレー人のイントラさんは、貴方の耳が痛くなかったら、
もっと深く潜れたのにね。とか、
海の本を見せてくれ、ライセンスをとれば、
こんなところもいけるよなど言ってくれたと思います。

そしてこの後9月、
ついに私は、重い重いダイビングショップのドアを押して、
1992年10月に、ライセンス『Cカード』を取得し、
Diver となったのでした。 Saipan「タナパグビーチ」2000/3
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体験ダイビングだけで十分さ…! 
オーストラリアGBR「ケアンズ」に、ダンナさんと旅行しました。
私は勿論、ダイビングに参加します。
ノンダイバーのダンナさんは、体験ダイビングということで一緒に潜れることになりました。
何の知識もないまま、ボートで遠い沖合までやってきました。
簡単な説明を受けた後、器材を装着し、ボートのヘリに立ったところ、
「ワン、ツー、スリ−、Hi〜!」とカウントダウンされるやいなや、背中を押され…ドボ〜ン!!
なかなか荒技なエントリーでした。
しかし、海の中は、カンムリブダイの群れやナポレオンやら、ウメイロモドキやら…、
どちらかと言えば慎重派のダンナさんにとっては、超不安ながらも
素晴らしい海の世界との出会いだっただろうと思います。
しかし、どちらかと言うと、海より山のダンナさん、
「体験ダイビングがあるんだから、わざわざライセンスまで取らなくてもいいんじゃないの?」
私一人でダイビングは楽しめますので、ライセンスを取ることを特には勧めませんでした。

伊豆諸島「八丈島」に、ダンナさんと旅行しました。
私は勿論、ダイビングに参加します。
ノンダイバーのダンナさんは、また体験ダイビングということで一緒に潜れることになりました。
今回はビーチエントリーです。
悪天候ながらも、2回目とあって少し余裕もできたダイビングだったようです。
GBRとは違った魚さんたち、固有のユウゼンや、ミギマキ、タカノハダイなどが伊豆らしい…
ガイドさん付き添いのもとのダイビング、
自由にならないのがもどかしく思えてきたようです。

ということで、その気がなかったダンナさんが、
何だかその気になってしまったようです。
私が、海や魚の話ばかりするのもしゃくだったのかもしれません。
1994年1月に、ライセンス『Cカード』を取得し、
Diver となったのでした。
Saipan「オブジャンビーチ」2000/3
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