4.2 文書に関すること
4.2.1 必要な文書
必要な文書
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文書管理(4.2.3)、記録の管理(4.2.4)、内部監査(8.2.2)、不良品の管
理(8.3)、是正処置(8.5.2)、予防処置(8.5.3)。
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仕組みやルールを決め【計画】、それを実施し、管理するための、どのような
文書や記録が必要かを、自社で判断して、決めて下さい。
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文書には規定、図面、計画書、作業指示書、帳票、検査見本などがあります。
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<補足説明1> 文書で決めたことの実施
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ISO9001が、ルールを文書で定めることを求めている時は、単に文書を作るだけでは
なく、以下のことを含めて言っています。
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3)決めたルールの通りに、仕組みを動かす。【実施】
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ISO9001は、6つの項目について、ルールを文書にするように決めていますが、1つず
つ独立した文書にする必要はありません。いくつかの項目をまとめて文書を作って
も良く、逆に1つの項目をいくつかの文書に分けても構いません。
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独立した文書にせず、品質マニュアルの中に書き込むことでも良い。
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<補足説明2> 文書のくわしさ
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文書の中身のくわしさは,会社(組織)の実情に合わせて決めて下さい。特に、次のような事情によ
って、会社ごとに必要なくわしさの程度が違います。
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<補足説明3> 文書の形
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ここでいう文書は,どんな媒体を使っていても結構です。紙に文字で書いたものだけでなく,図や写
真によるもの,ビデオ,コンピュータで記憶されたもの,現物のサンプルなども含みます。
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4.2.2 品質マニュアル
品質マニュアルの作成
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会社は、自社の仕事の仕組み【品質マネジメントシステム】の全体を示す文書とし
て、品質マニュアルを作ってください【作成】
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品質マニュアルは、必要な場合には改訂し、実態と合っているようにしてください
【維持】。
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品質マニュアルの内容
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品質マニュアルの内容は、会社の判断により、自由に設定できます。
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ただし、少なくとも、以下の内容については、どこかに記してください。
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a)この品質マニュアルで定める仕組みを実施する仕事の範囲【品質マネジメント
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ここで範囲といっているものには、次の3種類があります。
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ISO9001は、正当な理由がある場合だけ、一部の項目を除いて使うことができま
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す(そのことは1.2項に書いてある)。除いた項目がある場合は、その項目名
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と、除いた理由を品質マニュアルに明記してください。
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6種類 文書管理(4.2.3)、記録の管理(4.2.4)、内部監査(8.2.2)、
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不良品の管理(8.3)、是正処置(8.5.2)、予防処置(8.5.3)
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そのルールを、直接「品質マニュアル」に書くか、またはそれが書かれた文書
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c)品質に関係する仕事【品質マネジメントシステム】が、どのような業務の
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組合せでできていて、それがどのように繋がっているか【プロセスの相互関
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4.2.3 文書の管理
文書を管理してください。
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ここで管理する文書は、4.2.1でリストアップしたもので、品質マニュアル、規定、
図面、計画書、作業指示書、帳票、検査見本などです。
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ただし、記録は次の4.2.4項で管理するので、ここでは除きます。
文書の管理のルールを決めてください。このルールは、文書で定めてください。
このルールの中で、以下の点について、決めてください。
a)文書の承認
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文書ごとに責任者を決めて、その文書を承認してください。
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承認をする前に(適当な担当者が)内容が適切かどうか確かめてください(審査・
レビュー)。
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内容を確かめて、承認した文書だけが、効力をもちます(仕事で使ってよい)。
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b)文書の改訂
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発行して使用している文書について、その内容が適切かどうか、適当なタイミング
で点検【レビュー】をしてください。
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必要に応じて、文書を改訂してください。この時も責任者が承認してください。
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c)改訂が分かるようにする
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文書を改訂した時は、必要な範囲で、文書のどこが変わったかが分かるようにして
ください。改訂履歴、改訂通知、あるいは文書内に書き込むなどの方法があります
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文書には、改訂日あるいは改訂番号を記入して、新旧の文書の見分けがつくように
してください。
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d)文書の配付
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それぞれの文書を使う人が、最新版の文書を使えるように、文書を配置(配付)し
てください。特別な事情で、旧版を使うように指定される時は、指定されている版
が使えるようにしてください。
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ただし、関係者全員に配付することを求めているのではありません。業務に差し支
えない範囲で、見ることができる場所にあること。コンピューターの端末で見られ
ることでも良い。
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e)文書が読めるように保つ
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文書が汚れたり、退色したり、破損して読めなくならないように管理してくださ
い。もし、読めなくなりそうだったら、再印刷するなどして取り替えてください。
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f)外部で作られた文書
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自社以外で作成された文書の中で、自社の仕事のために必要なものがどれか、決め
てください。【外部文書】
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外部文書には、法律、JIS規格、業界規格、共通仕様書、顧客の購入仕様書、顧客
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最新版(あるいは適切な版)の管理が必要なものが対象です。
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ここで決めた外部文書も、配付をする時は、最新版(あるいは適切な版)の管理を
してください。
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g)廃止した文書の取扱い
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旧版の文書【廃止文書】は、間違って使用しないように、廃棄するか、別の場所に
移動するか、あるいは目印をするなどの方法で管理をしてください。
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旧版の文書を保存する場合は(例え別の場所に移動したとしても)それが旧版であ
ることが分かるように、文書自体に目印をしてください。
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4.2.4 記録の管理
記録の役割
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記録は、製品の品質が保たれ、関連する業務がルール通りに行われていること【要
求事項への適合】の証拠です。また、品質に関係する会社の仕組み【品質マネジメ
ントシステム】がうまく機能して、結果に結びついていること【効果的な運用】を
示す証拠です。したがって、適切に保管してください。
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(この項には2008年版で文章の変更がありますが、意味は変わりません)
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記録の管理方法
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会社は、記録の管理について、ルールを決めてください。
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(この項には2008年版で文章の変更がありますが、意味は変わりません)
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1)表示
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何の記録かが、容易にわかるように、記録自身やそのファイルへの表示(表題、対
象の製品、日付、番号など)の方法を決めてください。
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2)保管
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それぞれの記録について保管方法(責任者、場所、記録媒体など)を決めてくださ
い。
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3)保護
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記録の性格や重要さに応じて、次のような点について決めてください
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・記録が劣化したり、傷つかないように保管するためのルール。
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・記録が紛失したり、事故で消失しないように保護するためのルール。
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・電子媒体の記録の場合は、改ざん防止、バックアップ、ウイルス対策、流出
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4)検索
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記録が、必要な時に探し出せるように、整理して保管するためのルールを決めてく
ださい。
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5)保管期間
6)廃棄方法
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保管期間を過ぎた記録を、廃棄するためのルールを決めてください。
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記録の管理の考え方
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記録には、その種類、対象の製品や業務、日付けなどが分かるように、表示をして
ください。【識別可能】
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記録は、必要な時に、探し出せるように整理してください。【検索可能】
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(この項には2008年版で記述の位置の変更があります)
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