たっつん


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今の仕事を始めてから、もうすぐまる十年が経つ。






始めた時は、生徒もわずか2人からだった。







もっとも、こちらも講師としては駆け出しだったので、丁度良い人数だった。











当時24歳。




まだ若造だった自分。




ギターの教え方も手探り


それ以前にまず


生徒それぞれと、いかに対峙するかという事に必死だった。



だから当時の生徒達はとても印象深く懐かしい。












講師歴2年くらいの頃だろうか









彼 ”たっつん” と出会った。






もともとは彼の同級生(以下、仮に ”A” としておく)が


先に通っていた事もあり、



たっつんも僕の生徒になった。




二人とも当時中学3年生だった。







先に通っていた”A”は当時かなり生意気で(笑)手を焼いた。


僕も若かったので、中学生相手にもかかわらず本気ギレしていた(笑)







たっつんはというと・・・





挨拶も普通にするし、まぁ会話も無難に出来そうだ。


でもきっとコイツもやんちゃなんだろうな(^^;)といった・・・




なんていうか、油断ならない印象だった(笑)







二人は長い間、時間帯の変更などはあったが、同じクラスに在籍していた。


皆勤賞には程遠かったけれど・・・(^^;)







最初は名字で呼び捨てにしていたけど、”A”がそう呼んでるのにつられて


いつしか僕も”たっつん”と呼ぶようになっていた。


なんか主張があるかのごとく、突然に緑色の髪で現れたりする彼を(^^)







ある日の事。





しゃがんだ状態で、息を止めるだかどうかして

勢いよく立ち上がると気を失うとかいう遊びをしていたらしい。





ほんとは倒れそうになったら友だちに支えてもらうべきところを

たっつんは誰も見てないタイミングで試した。





結果、ほんとに気を失い、顔からコケたらしい。







カサブタだらけになった顔でレッスンに現れながらも、

どこかひょうひょうとしていた(笑)。






だからどうとハッキリした事は言えない。





けど、なんかたっつんらしいエピソードだと思った。










こっちの想像を裏切りそうなオトコ。











”A”もたっつんも、ギターに関しては器用だった。


それほど苦労せずに、ある程度は出来てしまう。





がゆえに”ある程度”で満足してしまう。




あまり練習しないし、レッスンも休みがちだった。






器用貧乏ってやつ(^^;)







ーーーーーーー もったいないなぁ〜 ーーーーーーーーー






いつもそう思っていた。








いつしか僕らの間には連帯感のような平和な絆が生まれていったように思う。





彼らは成長し、僕も少し年をとった。





ツノを突き合わせていたはずが、いつしか並んでタバコをふかしていた。



みたいな。




未成年だったけど(笑)







長く通い、やがて二人は僕の元生徒になった。









4年ほどブランクがあったろうか・・・ ”A”から連絡があり、






22歳になった ”A”、たっつんと、はじめて一緒に酒を飲んだ。





友だち付き合いはずっと続いていたらしい。






二人ともすでに社会人となり、たいした休みもなく働いていた。








そこには、ずいぶんと大人になった元生徒がいた。







たっつんは、イタリア料理店で働いていた。





「ホール(接客)の仕事を長く勤めて、今は厨房で野菜を切ってます。

ホールの仕事やってる時、お客さんがおいしかったって言ってくれると

ホントうれしかったですね。将来、料理つくれたら・・・。」







若さに似合わず、受け答えも地に足がついている。








自分が22歳の時なんてもっとフラフラしてた。



少し早熟すぎるんじゃないか?




そう思ってしまうほど、大人の男になっていた。








「たっつんが生徒の時は、俺も駆け出し講師で〜〜」


など、仕事についても語り合った。











あの夜









元生徒は友人となった。












「今度、食べに来て下さい。」




「うん、きっとね。」









約束は果たせないまま、月日が流れた。










でも、付き合いが途切れるわけじゃない、と安心していた。












「また飲みに行こう」






そんな話題がちらほら出た矢先。





























バイク事故だった。






























軽率な車によるもらい事故。



























2006年8月3日




享年23歳


























通夜






そして告別式


























日焼けした顔はただ眠っているみたいだった。





















たっつん




















どれほどたくさんの人が






君に呼びかけ




君との時間を懐かしみ



涙を流しただろう





どれほど腹を立て



打ちのめされただろう








どれほど君との別れを悔しがったことか

























現実を受け止める事は出来る。




でもとうてい納得は出来ない。


















「何故?」















そればかりを思う。













今でも実感があまりわかない。










きっと君が若すぎるからだ。











この暑さには参ってしまうけど、


たっつんがいなくなった8月が終わるのがとても寂しい。
























僕はあの頃と同じ仕事をしている。
























「たっつんにもこれ教えたっけかな?」




レッスン中、ふと考えてしまう。













当時のたっつんを少しでも多く思い出せれば。














そう思う。


















たっつん
































ひとまずバイバイ







v(^^)v























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今度あったら頭ひっぱたいてやっかんな(笑)
















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