2月25日

「貞観政要」という書物を知りました。7世紀の中国、唐王朝2代目太宗李世民の優れた治世を呉競という史家がまとめたものだそうです。

日本でも北条政子や徳川家康が愛読し、治世の手本としていたそうです。

私が読んだのは、山本七平氏がこの「貞観政要」をわかりやすく紹介・解説した「帝王学〜貞観政要の読み方」という本です。)

1300年以上前に“上に立つ人”が陥り易い問題点を指摘した書物なのですが、まるで今の日本政府の姿を予見して描写しているような内容です。

この本には様々な問題の対処・解決法も書かれていますが、その知恵を生かすことなく、あまりに同じ過ちを繰り返していることが情けなくてなりません。

人はこの世に白紙で生れ落ちてくるしかなく、過去を学んで「知恵」を 受け継ぐことがなければ、危機の対処において同じ過ちを繰り返すしかありません。

現代の日本では「学ぶ」という意味が、多くの場合、社会的地位を得るための試験対策としてしか認識されていないことは大きな問題だと思います。

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ここ数年、日本の政府に警鐘を鳴らし続け、批判しているだけではいけないと、前回の選挙に出馬も試みた天木氏がホームページを閉じました。

問題点を明確にしたり社会行動を起こしても、日本の社会がなにも改善されない為に批判をする気力を失ったとの事で、気持ちはわかるような気がします。

個人のあるべき生き方をイメージでき、その延長上にあるべき社会の姿を描ける人が、公の場から次々退場していってしまうのは社会の損失であり残念です。