ながやま的 釣りのはなし
(5)
とある釣り名人と釣りに行ったときの話です。
次の日朝一番で釣りに行く、その前の晩のおかずをエビのかき揚げにした話。
名人の長男は、それはそれは喜んでたいらげ、にぎやかな食卓になったとの事ー
そろそろ太陽も昇ろうかという頃、これから出会うであろう大物を想像しながら
シカケを準備をしている時でした。名人一流のトークです。
「それで・・今日ね、そのエビを使ってみようかなと持ってきたんだ。 そしたら息子・・
それじゃぁ 僕はただの実験台じゃないか! って言うんだよ ハハ」だ、そうだ。
ふと 名人の手元を見ると、小エビを次々とハリに刺しているではありませんか。
ご子息が、どれほど怒っていたかは分かりませんが、わたしは心の中で
「それはほんとに 実験台だ・・初めからエサ用にエビを買ったんですね・・」とひとりごち、
小エビのついた釣りバリを、満面の笑顔で海に投じる名人を、ただみつめていました。
と言うことで 今回は、夏も終わり、そろそろ釣れるお魚も変わろうかというこの頃
釣りのエサについて語ろうかと思います。
一般に 釣りエサの代表として、ミミズのような形をした「青イソメ」「ゴカイ」などと呼ばれる虫が
ありまして、つまり 釣りをはじめるにあたっては、これらを触っても大丈夫ーというのが
絶対条件になります。さらに これをハリに着けたり、取ったりする訳ですから、ここをクリア出来なくて
釣りワールドを去って行った人は多かろうと思います。
我々釣り愛好者は、エサ着けのスピードを上げるように努めたり、最も効果的な着け方を思案したりと
常日頃、自然とそうしているので、もはや「イソメ」や「ゴカイ」は当然あるべき存在なのです。
いや場合によっては 「イソメ様」と呼びたくなる事もあります。
他にも 色んなエサがあります。「イカ」「カニ」「サンマの切り身」
一般には 動くものが良いとされているようですが、アサリやサザエなどの貝類、変わった所では
スイカとかソーセージなんかも使う事があるようです。
さて ここでわたしが理想としている「エサのありかた」について、語りたいと思います。名付けて・・
「わらしべ長者のように〜ライク ア チョウジャ〜」
先ず 砂浜へ行きます。そこで小さいカニやエビを採集して・・その足で岸壁へ行き、それらをエサに
釣りを始めます。はじめは小さな魚を釣り、バケツに入れて取っておきます。
そして そのバケツを持って、舟に乗り・・さっき釣った魚をエサにします。
しばらくすると、竿にお魚が掛かってきます・・少し小さいようなので、そのままにしてしばらく待ちます。
するとどうでしょう 掛かったお魚を追って、大きなマグロが釣れました。とさ
といった具合なのですが・・
少し誇張してお話しましたが、この発想が釣りのあるべき姿だと思っています。
朝早く波乗りをするサーファー達のように、早起きして砂浜でエビやカニを採集するのもまた一興かと思うのです。
だんだん涼しくなってきました 風邪など召しませぬよう。
(つづく)
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