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【1044の特徴について】
覆面スピニングリール1044の特徴を、長所と短所に分けて説明する。
(長所)
1.ラインリリースが簡単である利点。
リリースボタンを人差し指でクリックすると、ルアーの重さにより、ラインがフリー状態で、自動的にラインが人差し指に乗るため、そのままキャスティングに入る事ができる。
すなわち、スピニングリールのようにベイルアームが無いため、シングルハンドルのロッドであれば、キャストは右手のみで可能である。もちろんキャスト中に人差し指でサミングをかける事もできるし、ハンドルを回せばそのまま巻き上げに入る事ができる。
2.抵抗が少ないため飛距離が出る利点。
一般的にクローズド フェース リールのラインリリース用穴は小さいが、1044のラインリリース用穴は大きい
(スプール径とほぼ同じ)ため、フロントカバー内側とのライン接触による抵抗が少く飛距離が出る。
3.ライントラブルがほとんど無いため、ラインの消耗が少ない利点。
スピニングリールのドラグは、スプール自体が回転するため、ドラグが作動すると糸よれが発生する。この糸よれは、スプール内にチチ輪が出来たり、キャスト時にバッククラッシュの発生で、ラインの消耗を早める原因になる。1044のスプールは台座に固定されており、ドラグ作動時、ラインピックアップピンの付いた回転部分(ワイディングキャップ)が、ラインを巻き入れた逆方向に回転する(戻る)ため、糸よれは発生しない。
4.ラインを弛ませた状態からでも巻く事ができるため、釣りに集中できる利点。
スピニングリールは、ベイルアームにより強制的にラインが巻き取られるため、ラインを弛ませて巻くと、緩んだままスプールに巻かれ、次にキャストする時にラインがまとまって出ると、バッククラッシュが発生する。1044は、ラインピックアップピンがラインをつかまない限りラインを巻き取らないため、弛ませた状態でも気にせずハンドルを
回す事が可能である。
5.風の強い寒い日でもライントラブルが少ない利点。
スピニングリールは、スプールが外気に直接ふれているため、スプールの中でラインが凍る事がある。1044は、スプールの外側にワイディングキャップとフロントカバーがあり、スプールが外気に直接ふれないため、ラインが凍りにくい。また、寒い季節に、ホッカイロをフロントカバーに付けて使用すると言う話を聞いた事がある。これは、昔から覆面リールが寒い北海道のイトウ釣りに愛用される理由の一つなのかも知れない。
6.ドラグ調整が容易な利点。
一般的なスピニングリールは、ドラグ調整つまみがスプールの先端(フロントドラグ)にあるため、魚とのファイト時の調整が難しいが、1044のドラグ調整つまみは、ハンドルについているため、いつでも調整ができる。1044のドラグ調整つまみは、S型バネとプラスチックカバー裏側の爪との接触により、回転量が音とタッチ感覚で確認できるため、微調整が容易である。
7.シンクロドラグにより、ドラグ範囲に余裕がある利点。
突然の大物に走られた時に、ハンドルを約1/4逆回転させる事によりシンクロドラグが作動し、設定ドラグを75〜50%(製品によって範囲が異なる)に瞬時に調整できる。
8.スプール径が大きい利点。
1044は、同様な糸巻き量のスピニングリールに比べ、ギャー比が小さいため 巻き上げ速度が遅いと思われるが、
スプール径が大きいため、巻き上げスピードはそれほど遅くない。さらに、スプール径が大きいため、糸癖が付きにくい。なお、著者の収集した各リールの取説によると、505,503,520のギャー比は、1:3.2で、
506,501,704のギャー比は、1044と同じ1:3.9と記されている。
9.セラミックラインピックアップピンの利点。
1044のラインピックアップピンは、セラミックでできているため、ラインとの接触による熱交換が良好で、ラインを傷める事が少ない。
(短所)
1.重量が重い欠点。
同様な糸巻き量のスピニングリールと比較すると、1044の重量は350g前後と重い。そのため、渓流などで用いる短いウルトラライトのロッドとは、相性が悪いかも知れない。
2.固定ハンドルである欠点。
一般的なスピニングリールは、ハンドルを左右に交換可能であるが、1044のハンドル位置は左巻き固定であるため、左利きの人や、右巻きに慣れている人は、使い難いかも知れない。
3.入手が難しい欠点。
’94年に後期型1044の生産を終了し、今では中古を探すのも難しい状態である。
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