らくらくISO9001講座


口語訳 ISO13485:2003

6章 人や設備の管理
 6.4 作業環境

改訂 2004.10.01

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宇野 通 編  

本記事のタイトルは口語訳ですが、内容は翻訳ではなく解釈の1例です
規格への適合性は原文や対訳版で判断して下さい



6章 人や設備の管理



6.1 人や設備を用意すること

会社は、必要な人員、施設、機械、技術など【資源】を用意すること。なお、ISO13485で求められている活
動とは次の通り。

a)決めた仕事のやり方を実行する
  ・品質に関わる仕事の仕組み(品質マネジメントシステム)を実行する【実施】
  ・常に良い結果を出すこと(そのために必要な場合には、仕組みを変更すること)【有効性の維持】

b)法令上の決まりと顧客との約束を確実に実行する



6.2 人を確保する

6.2.1 仕事をするための力量
◆品質に関わる仕事は、その仕事をするために十分な力量を持った人にやらせること。

◆その人の力量は、次の情報を元に判断すること
  ・その人が受けた教育(主に知識的なもので、学歴なども含む)
  ・その人が受けた訓練(主に技能的なもの)
  ・その人が現在持っている技能
  ・その人がこれまで積んできた経験(社内外における経験)



6.2.2 能力を持った人の確保/人々の認識/訓練
◆能力を持った人員の確保
  会社は、十分な能力を持った人を確保するために、次のことを実行すること。

  a)品質に関わる仕事について、それぞれどのような能力(知識、技術、技能)が必要なのかを整理
    すること。

  b)能力を持った人を確保すること。それには、次のような方法がある。
    ・訓練する      
    ・社内(組織内)の他の現場や部門から異動させる
    ・新たに雇い入れる  
    ・派遣社員を使う

  c) b)の手段を行った時は、訓練でその人が本当に能力を身につけたか、あるいは確保した人が
    適切な能力の人だったかを評価すること。

◆人々の認識
  d)全社員に次の点を認識させること。
    ・自分の仕事の位置づけ
    ・自分の仕事の重要性
    ・品質目標を達成する上での自分の役割

◆能力を証明する記録                                         <記録>
  e)社員の能力を証明するために、教育や訓練を行った記録、技能を評価した記録、経験を示す記
    録を残すこと(この記録は、4.2.4に従って管理すること)。

参考 国の法令が、どのような教育・訓練が必要かを判断するためのルールについて、文書に定める
    こと【文書化された手順】を求める場合がある。

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6.3 設備や施設の管理【インフラストラクチャー】

◆インフラストラクチャーには何が含まれるか
  インフラストラクチャーとは次のものを指す
  a)施設とユーティリティー(用役)
    施設、作業場所、事務所、ユーティリティー(水、電気など)
  b)設備
    機械類、道具類、コンピューターなどのハードウェアに加え、コンピューターソフトウェアも含む
  c)サポート体制
    輸送手段、通信手段(電話、社内メール、イントラネットなど)、その他

◆インフラストラクチャーの管理
  製品を提供するために、どんなインフラストラクチャーが必要か、整理して、示せること。
   ・必要と判断したインフラストラクチャーを用意し、使えるようにすること。【提供】
   ・そのインフラストラクチャーは、必要な時に使えるように管理すること(点検、整備、修理など)
    【維持】

◆社内規定と記録                           <文書化された要求事項><記録>
  保守・点検を怠ると製品の品質に影響を与えるインフラストラクチャー(主に設備や施設)について、
  保守・点検の方法と頻度を、文書で定めること。【文書化された要求事項】
  その保守・点検の記録を残すこと(この記録は、4.2.4に従って管理すること)。



6.4 作業環境

◆作業場所の環境が製品やサービスの品質に影響する場合は、管理をすること。管理しなければな
  らない作業環境にどんなものがあるか、整理すること。

◆必要な作業環境が作れるように、管理方法を決めて実施すること。特に以下の管理を行うこと。

a)要員の衛生管理                                <文書化された要求事項>
  衛生的な製品の取扱いが必要な場合には、作業者の健康、清潔さ、衣服の管理について管理方
  法と基準を決め、文書で定めること(7.5.1.2.1に滅菌/洗浄の工程と、作業者の衛生管理との関係
  について記述がある)。【文書化された要求事項】

b)室内環境の管理                          <文書化された手順><作業指示書>
  衛生的な室内環境が必要な場合には、その管理方法について決めること。
  その室内環境を監視する方法と、室内環境を調節する方法を決め、そのルールを文書(社内規定あ
  るいは作業マニュアル)で定めること。【文書化された手順】【作業指示書】
  (7.5.1.2.1に、滅菌/洗浄の工程と、室内の衛生管理との関係について記述がある)。

c)管理区域への立入者の管理
  特別に管理された区域(クリーンルームなど)に、一時的に出入りする者(清掃員、設備のメンテナ
  ンスなど)に対して、必要な訓練をすること。あるいは、必要な訓練を受けた監督者が管理するこ
  と。[訓練についての考え方を6.2.2 b)に示す]

d)汚染物の管理                                             <文書>
  必要ならば【適切ならば(1.2参照)】、汚染された製品や廃棄物(及び汚染された可能性のあるも
  の)によって他の製品や、作業者や、作業環境が汚染されないように、取扱いのルールを決めること。
  このルールは、文書で定めること
  (返却された医療機器の取扱いについて、7.5.3.1に記述がある)。

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