らくらくISO9001講座


口語訳 ISO13485:2016

6章 人や設備の管理
 6.4 作業環境の管理と汚染の防止

赤字  ISO13485:2003及びISO9001:2015 にない決まり 
紫字  ISO9001:2015 にない決まり
緑字  この口語訳の追加説明

改訂 2022.12.14
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本記事のタイトルは口語訳ですが、内容は翻訳ではなく解釈の1例です
規格への適合性は原文や対訳版で判断して下さい






6章 人や設備の管理

6.1 人や設備を用意すること


  ◆必要な人員、施設、機械、技術など【資源】を用意すること。
  ◆それがどこまで必要かは、以下のことができるかどうかで判断する。
a) 決めた仕事のやり方を実行する。
  常に良い結果を出す【有効性の維持】
b) 法令上の決まりと顧客との約束を確実に実行する



6.2 人を確保する

【文書】 
  ◆力量の管理と訓練に関するルール(次の内容)を、文書で定めること。
 ・必要な力量を持つ人を確保する方法 
 ・訓練の実施 
 ・従業員に正しい認識を持たせる方法

  ◆ 力量の管理
品質に関わる仕事は、それをするために十分な力量を持った人にやらせること。その人の力量
は、次の情報を元に判断すること
 ・その人が受けた教育(学歴なども含む)
 ・その人が受けた訓練
 ・その人が現在持っている技能
 ・その人の経験(社内外)

  ◆ 力量を持った人の確保
十分な能力を持った人を確保するために、次のことを実行すること。

a) 品質に関わる仕事のそれぞれについて、どのような力量(知識、技術、技能)が必要かを
  整理すること
b) 力量を持った人を確保すること。それには、次のような方法がある。
   ・訓練する
   ・社内の他の部門から異動させる
   ・新たに雇い入れる
   ・外部にアウトソースする
  必要な場合には、その力量が維持できるように、訓練を行うこと。
c) b)の手段を行った時は、訓練でその人が本当に能力を身につけたか、あるいは確保した人
  が適切な能力の人だったかを評価すること。
d) 全社員に次の点を認識させること。{人々の認識}
   ・自分の仕事の位置づけ ・自分の仕事の重要性
   ・品質目標を達成する上での自分の役割
【記録】 
e) 社員の力量を証明するために、教育や訓練を行った記録、技能を評価した記録、経験を
  示す記録を残すこと(この記録は、4.2.5に従って管理すること)。

  補足説明>
c)の(身に着けた)能力の確認の方法(どこまで徹底して行うか)は、その仕事のリスク(品質・
製品安全への影響)に合わせて決める。



6.3 設備や施設の管理 【インフラストラクチャー】


  ◆インフラストラクチャーには何が含まれるか
インフラストラクチャーとは次のものを指す
a) 施設とユーティリティー(水、電気など)
b) 設備(機械類、道具類、コンピュータソフトウェアも含む)
c) サポート体制(輸送手段、通信手段、情報システムなど)
【文書】 
  ◆インフラストラクチャーの管理
製品の品質を確保するために、どのようなインフラストラクチャーが必要かを決めること。
また、製品の取り違えを防ぐために必要なインフラストラクチャーを決めること。
これらをどのように管理するかについて決めること。
そのルールを、文書で定めること。
【文書】 【記録】 
  ◆保守・点検
保守・点検を怠ると製品の品質に影響を与えるインフラストラクチャー(設備や施設)について、
保守・点検の方法や、その実施の間隔を文書で定めること。
これは、@製造設備、A作業環境を管理するための施設や設備、B検査・測定に使用する
設備が対象となる。
その保守・点検の記録を残すこと(4.2.5に従って管理すること)。



6.4 作業環境の管理と汚染の防止


 6.4.1 作業環境の管理
【文書】 
  ◆ 製品の品質を確保するために、管理が必要な作業環境と、その管理レベル【要求事項】を、
  文書で定めること。
【文書】 
  ◆ 作業場所の環境が製品の品質に影響する場合は、管理が必要な作業環境にどんなものがある
    かを、整理すること。その管理レベル【要求事項】と管理方法【手順】を、文書で定めること。

【文書】 
a) 要員の衛生管理
  衛生的な製品の取扱いが必要な場合には、作業者の健康、清潔さ、衣服の管理レベルを
  決め、文書で定めること
b) 管理区域への立入者の管理
  特別に管理された区域(クリーンルームなど)に、一時的に立入る人(清掃員、設備のメンテ
  ナンスなど)を管理すること。本人に立入方法をマスターさせるか、またはそれを分かってい
  る人が管理すること。

  <補足説明>
 ISO14644とISO14698は、作業環境に関する参考書である



 6.4.2 汚染の防止
【文書】 
  ◆ 清潔区域の汚染の防止
清潔区域やクリーンルームが、外部から持ち込まれる物(部品、資材、製品、返品など)や
廃棄物によって汚染されないように、その取扱いのルールを決めること。
このルールを、文書で定めること。
【文書】 
  ◆ 滅菌医療機器の汚染の防止
滅菌医療機器について,微生物や微粒子による製品の汚染を管理するために、管理レベル
(クリーンルームの必要性)を、文書で定めること。
その、製造工程や包装工程では、清潔さを保てるように管理すること。



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