らくらくISO9001講座


口語訳 ISO14001:2004


計画の巻

4.1 まとめ
4.2 環境方針
4.3 計画
  4.3.1 環境に影響すること【環境側面】
  4.3.2 法律や外部との約束
  4.3.3 環境目的・環境目標・実施計画

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4.1 まとめ
◆総まとめ
 会社(組織)は、環境を良くする仕組み【環境マネジメントシステム】を作るこ
と【確立】
 決めた内容を文書で示すこと【文書化】
 そこで決めたことを実行すること【実施】
 状況が変わった場合には、仕組みを変更して、仕組みが動いている状態を保つ
こと【維持】
 仕組みを改善し、環境を改善する活動を続けてゆくこと【継続的改善】

 これらの決めた事【要求事項】をどのようにして実施してゆくか、方法を決めるこ

◆活動する範囲【適用範囲】
 会社(組織)は、環境を良くする仕組み【環境マネジメントシステム】を、どの
範囲(対象とする人、組織や部門、場所の範囲)で行うのかを決めること。決めた
内容を文書に記すこと【文書化】



4.2 環境方針
経営トップは、《環境方針》を決めること(4.1で決めた適用範囲の中で実施すること)。

◆《環境方針》の内容
a) 会社(組織)の仕事(製品の種類、仕事の種類、使う物、その量、環境との
  関わり)にふさわしい内容にする
b)"環境の改善につながる活動を続けてゆく"ことを約束する【継続的改善】
  "環境の汚染を防ぐ活動"または"資源の節約に繋がる活動”を行うことを約
  束する【汚染の予防】
c)"環境に関する法律"や"外部の関係者との取決め"を守ることを宣言(約束)
  する
d) 具体的に何に取組むのかを決める。これは
  《環境のために何をどこまで変えるのか(長期計画)》 【環境目的】
  《環境のために何をどう変えるのか(年度計画)》【環境目標】
   を決める際の根拠とする。

◆《環境方針》の管理方法
e) 《環境方針》を「書面」にする【文書化】
  みんなに実行させる【実行】。
  状況の変化に合わせて見直し、必要ならば変える【維持】。
f) 全従業員(外注作業者を含む)が環境方針を知っていること【周知】
g) 一般の人に《環境方針》を公開、あるいは希望者に差し上げるためのルール
  を決めること。

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4.3 計画
4.3.1 環境に影響すること【環境側面】

◆会社は、次の点についてルールを決めること【手順の確立】。
 このルールを実行し【実施】、また状況の変化に応じて適切に改めること【維持】。

a) 《環境に影響すること》【環境側面】
◇ 会社(組織)は、
  取扱う物(製品、商品、原料、資材、道具など)【製品】と
  実施する仕事(仕事の過程)【活動、サービス】の中から、
  《環境に影響すること》【環境側面】を選び出すこと(決定すること)。
◇ この《環境に影響すること》【環境側面】には、次のものがある
  (@Aの両方について、当てはまるものを選び出すこと)。
@ 会社(組織)が管理できるもの
・使用するもの  ・排出するもの  ・製品の機能 など
A 直接は管理できないけど、働きかければ変えられるもの
・会社(組織)の周辺の環境、
・購入先・外注先・輸送業者などの仕事が環境に与える影響
・販売後・使用後の製品が環境に与える影響
・会社(組織)の活動や製品が巡り巡って効果につながるもの など
◇ 選び出す範囲として、次の新製品の研究開発や、新たなサービスの企画が、
  環境に与える影響も考えること(新規の場合、製品やサービスの内容を変更
  する場合)
  「取扱う物品及び実施する仕事」を変更するときや、新しく始める時は、それ
  についても調査すること

b) 《環境に大きく影響すること》【著しい環境側面】
 探し出した《環境に影響すること》【環境側面】によって起こる(あるいは起こる
かもしれない)《環境の変化》【環境影響】について整理すること。
 その結果を元に、《環境に大きく影響すること》【著しい環境側面】を選び出す
こと。

◆調査結果の取扱い
  ◇ 調査結果の文書化
 会社(組織)は、《環境に影響すること》【環境側面】及び《環境に大きく影響
すること》【著しい環境側面】について、調査して、選び出した結果を文書にする
こと【文書化】
  ◇ 情報の更新
 【環境側面】及び【著しい環境側面】は、製品または業務内容の変更や、改善
活動の成果によって変化するため、その文書を常に(定期的に、業務の変更時
に)点検して、最新の状況を表すものとすること。
  ◇ 情報の利用
 ISO14001に基づく環境管理の仕組み【環境マネジメントシステム】では、この
ようにして選んだ【著しい環境側面】を重点的に管理する。



4.3.2 法律や外部との約束

"法律""外部との約束"の整理と利用
会社は、次の点についてルールを決めること【手順の確立】。
このルールを実行し【実施】、また状況の変化に合わせて適切に改めること【維
持】。

a) 会社は、環境に関連して、自社の仕事(作業、製品、設備、サービス)に、ど
  のような"法律""外部との約束"が関係するのかを把握すること。
  "法律""外部との約束"の内容を確認し、またその変更の情報を得られ
  るように、仕組みを作ること(責任者を決めて、情報の把握を確実に行うこと)。

b) "法律"や"外部との約束"が、自社(組織)の《環境に影響すること》【環境
  側面】にどのように当てはまるのかを、分かるようにしておくこと。

"法律""外部との約束"を仕組みに取り入れること
ISO14001に基づく環境管理の仕組み【環境マネジメントシステム】では、このよ
うにして選んだ"法律""外部との約束"を守れるように、仕組みを作り、管理す
ること。

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4.3.3 環境目的・環境目標・実施計画

◆【環境目的】と【環境目標】を決める
◇ 会社(組織)は、
  《環境のために何をどこまで変えるのか(長期計画)》 【環境目的】
  《環境のために何をどう変えるのか(年度計画)》【環境目標】
  を決めること。
   これらは、部門(課単位、グループ単位など)階層(全社、部、課、班
  など)ごとに決めること。ただし、部門や階層の単位は、会社の事情により判
  断して決めて良い。
【環境目的】【環境目標】を、書面にすること【文書化】。
  その内容を実行すること【実施】。
  定期的にまた必要に応じて内容を見直すこと【維持】。

◆【環境目的】と【環境目標】の内容
【環境目的】環境目標】として、測定して数値で表せる事柄を選んだ場合に
  は、数値目標を立てて、測定結果によって達成度を判定すること。
【環境目的】【環境目標】を決める際には、《環境方針》とつじつまの合った
  内容とすること。特に《環境方針》で約束した
"環境の汚染を防ぐ活動"や"資源の節約に繋がる活動"【汚染の予防】
"環境の改善につながる活動を続けてゆくこと"【継続的改善】
"環境に関する法律と外部との約束を守ること"
  に関連する内容を、【環境目的】【環境目標】に入れること。

◆考慮すべきこと
【環境目的】【環境目標】を決める時(見直す時)には、以下を考慮すること
 @ "法律"や"外部との約束"はどうなっているか
 A 選び出した《環境に大きく影響すること》【著しい環境側面】に当たるか
 B 技術的にできるか【技術上の選択肢】   
 C 費用的に可能か【財務上の要求事項】
 D 決めたルールは実行できるか【運用上の要求事項】
 E 会社(組織)の事業上の決定に反していないか【事業上の要求事項】
 F 利害関係者(株主、顧客、社員、住民、行政 など)の意見

◆具体的な手段
【環境目的】【環境目標】を達成するために《具体的な手段》【実施計画】を決
めることと。
《具体的な手段》【実施計画】の中で、次の内容を決めること
a) 誰の責任で実行するか。各々の部門階層の中で責任者を決めること。
b) 実現のための具体的な方法や日程、スケジュール

この【実施計画】に従って活動すること【実施】。
定期的にまた必要に応じて計画を見直すこと【維持】。


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