らくらくISO9001講座

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お荷物ISOのやり直し

(2) 何が必要で、何が必要ないか?


  4 やるなら徹底的に
 QMSのスリム化に取組んでいます、という組織は良くありますが、ほとんど進んでいませんね。事務
局が1人で言っている程度では、1年かかって帳票の数枚を統合するのが関の山です。
 やはり、経営者に方向を示していただかなければ、会社は動きません。

 1 今のシステムではダメだから、やりかえるんだ、という経営者の考えを強く打ち出してください。
 2 ISO9001のやり直しを、プロジェクト扱いにしましょう。
 3 期限を切りましょう(次の維持審査までとか)。半年以内には片付けましょう。
 4 はっきり担当者を指名しましょう。

 会社の仕組みを変えようというのだから、それなりに手間と時間はかかります。しかし、このことで無
駄な仕事をなくし、仕事の質が上れば、十分に元が取れます。
 社長、ハラをくくってください。


  5 ISO9001をちゃんと読もう
 多くの会社が、ISOのやり方だと思っているのは、自分で決めたルールです。わざわざできないルー
ルを決めて、自分の首を絞めています。
 何でそんなことになっているかと言うと、ISO9001そのものは読まずに、参考書のマネや、他社の文
書の引き写しや、コンサルタントの言う通りにやっているからです。

 ISO9001で決まっているのは、ISO9001に書いてあることだけ。それ以外のことは、どんなやり方をし
ても組織の勝手です。

 ISO9001を読みましょう。難しければ、口語訳でもいいです(口語訳は参考書だから、かなり余分な事
も書いてあるけど)。あなたが、ISOの決まりだと思っていることは、ほとんど書いていないはずです。


  6 無駄な記録を止めよう
 品質マニュアルや管理規定に定めている帳票を、一つ一つチェックして、役に立っていないものは、
廃止する方向で考えましょう。

 その、記録や台帳は必要ですか?  偉い人の捺印は必要ですか?
 必要とは、こういうことです
  1) それを受けて誰かが仕事(プロセス)をする
  2) 幹部や経営層に必要な情報を伝える
  3) トラブルがあった際の調査や弁明のために必要
  4) それがないと、顧客から信用されない
  5) 経営方針の実現、改善活動のために必要

 審査対策以外に用途がない帳票は、不要な帳票です。そんなものは、スッパリ廃止しましょう。だい
じょうぶです。不適合にはなりません。
 例えば、文書管理台帳、内部監査年間計画表などは、機能していないでしょう。

 ただし、今使っているISO用帳票は形式的で役に立たないけど、実務として必要なプロセスともありま
す。例えば、購買先評価とか、予防処置などです。これらも、今の帳票は廃止しますが、代わりの(実
態に合った)方法を考える必要があります。


  7 無駄な管理規定も止めよう
 管理規定自体が要らないこともあります。品質マニュアルとほとんど内容が同じだったら、品質マニュ
アルに統合しましょう。

 それ以外にも、無くても困らない管理規定があるはずです。
   例えば、職務分掌規定は、作るのが面倒くさいばかりで、実際には使いません。
        検査管理規定は、個別製品の検査基準があれば、案外必要ありません。
 これらもキッパリ廃止しましょう。

その他の文書についても、その文書が本当に必要かどうか、チェックしてゆきましょう。
文書が必要と言うのは、こういうことです。
  1) 基準値を決める(検査、工程)
  2) それを見ながら仕事をする
  3) 新人の教育用
  4) 技術の伝承
  5) 外部への説明用
審査対策以外に用途がない文書が不要であることは、言うまでもありません。



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