らくらくISO9001講座


  
ISO22000
2018年版

茶字は、JISが用いている用語
緑字は、本文にない、この口語訳独自の補足


9章 仕事の結果を確かめる
(改訂 2019.07.25)

9.1 仕事の確認、その分析や評価
9.2 内部監査
9.3 マネジメントレビュー



 9.1 仕事の確認、その分析や評価


 9.1.1 確認・分析・評価の方法を決める

   様々な、仕事の状況をチェック【モニタリング】して下さい。(これには、検査、測定、観察、仕事
   の結果の確認、様々な計画や活動の進み具合の確認などがあります)
   さらに、必要な場合には、それを分析し、評価して下さい。

   そのために、次のことを決めること。
   a) 何をチェックするのか
   b) チェックする方法。分析・評価の方法。
   c) チェックを行うタイミング
   d) チェックした結果の、分析や評価を行うタイミング
                                                       <記録>
   チェック・分析・評価の結果を記録して下さい。
   この際、食品安全マネジメントシステムが、結果に結びついているかどうかに着目して下さい。



 9.1.2 分析と評価

   前項のチェックで得たデータを分析し、その結果を評価して下さい。
   チェック・分析・評価の対象として、作業環境の確認結果【検証】、CCP・OPRPの確認結果
   【検証】、内部監査、外部の監査を含めて下さい。

   これらの分析により、以下のことを明らかにして下さい。
a) 食品安全の仕組みがうまく機能して、結果に結びついているか(例えば、微生物検査の
  結果の分析、不良の発生状況の分析など)。
b) 仕組みを改善すべき問題点はないか。
c) 食品安全上の不良の発生率。工程での基準値外れの発生率が、どのように変化して
  いるか。
d) 内部監査で、重点を置くべき部門や業務はどれか。
e) 不良品の再加工、再発防止対策は、ちゃんと実施されているか。
                                                       <記録>
   分析の結果と、分析を受けて行った対策の結果を記録に残して下さい。その内容は、経営者
   に報告し、マネジメントレビュー(9.3項)で取り上げ、食品安全の仕組みの改善に結びつけて
   下さい。

  <補足説明>
    データを分析する際に,統計的品質管理の手法を使うと良い。





 9.2 内部監査


 9.2.1 内部監査の目的

   定期的に、内部監査を実施して下さい。
   内部監査では、次のことを調べて下さい。
   a) ルールを守っているか
      − 会社が決めたルール  
      − ISO22000のルール
   b) 仕組みが上手く機能して、良い結果が出ているか。


  
 9.2.2 内部監査の実施

   内部監査を次のように進めて下さい。

   a) 内部監査の長期計画(年間計画など)【監査プログラム】を決めて下さい。そこで、次の
      内容を決めて下さい。
  @実施回数 A実施方法 B責任者 C個々の監査の計画 D報告の方法
 この計画を決める時は、次の点を反映させて下さい。
  @ 個々の仕事(部門)の重要さ  
  A仕事の内容、設備、担当者などが変わった部分 
  B 仕事のチェックで判ったこと(9.1.2 d)項で取り上げたもの)
  C 今までの内部監査の結果
   b) 各監査について、監査基準(監査の元になるルール)決めて下さい。
     監査範囲(監査の対象の部門・製品・場所・仕事)を決めて下さい。
   c) 監査は、特定の立場に影響されず、公平に行うこと。そのような立場で監査ができる監査員
     を選んで下さい。
   d) 監査の結果を、関係する管理職に報告して下さい。
   e) 実施した監査の内容と監査の結果を記録に残して下さい。                <記録>
   f) 指摘事項があったら、正しい状態に直し【修正】、再発防止【是正処置】を行って下さい。
     (内部監査の最終会議で)その完了期限を決めて下さい。
   g) 内部監査の結論には「食品安全方針の実現に向けて取り組んでいるか」「食品安全目標に
     正しく取り組んでいるか」について判断した結果を入れて下さい。

  ◆内部監査の記録には、監査を受けた部門が指摘に対して行った対策(修正・是正処置)と、
   その対策が適切なものかを評価した結果を含めて下さい。

  <補則説明>
   内部監査の参考書としてISO19011がある。





 9.3 マネジメントレビュー


 9.3.1 マネジメントレビューの実施

   経営者は、定期的にマネジメントレビューを行って下さい。
   マネジメントレビューによって、食品安全の仕組み【食品安全マネジメントシステム】がうまく
   機能して、良い結果が出るように仕向けて下さい。



 9.3.2 マネジメントレビューでの報告

  マネジメントレビューでは、次の中で必要なものを経営者に報告して下さい。
   a) 前回までのマネジメントレビューで指示された課題の進み具合
   b) 経営環境の変化(4.1でまとめているもの)
   c) 仕事の結果。
 1) 仕組みを変更したところ
 2) 仕事のチェックの結果(環境の管理、CCP・OPRP、その他の検査)
 3) 様々な仕事の成果
    製品・サービスの品質(不良は出ていないか)
 4) 問題【不適合】の発生があったか。行った再発防止のための対策【是正処置】
 5) 内部監査・外部からの監査の結果
  6) 検査の結果
 7) 購買品・外注品の品質。協力業者の評価の結果
8) 「リスクへの対策」や「機会を生かすための活動」の成果
9) 食品安全目標の進み具合
   d) スタッフ、施設、設備などに問題はないか
   e) 発生した、事故やトラブル【緊急事態及びインシデント】(8.4.2項)、市場回収(8.9.5項)の
      結果
   f) 外部からの情報、意見、要望、苦情など(顧客、流通業者、仕入先、行政など)。(7.4.2項)
      社内からの報告、意見、データ分析結果など。(7.4.3項)
  g)  改善すべきこと

  経営者は、食品安全目標がうまく行っているかどうかの判断に、これらの情報を役立てます。
  そのため、食品安全目標に関係する項目は、それが分かるように提示して下さい。



 9.3.3 マネジメントレビューでの指示事項

   経営者は、マネジメントレビューで次の点を決めること。
   a) 会社の仕組みや製品で、改善が必要なもの
   b) 食品安全の仕組みやルールの変更。これには、食品安全方針・目標の変更、要員・
      設備・施設の変更も含む。
   マネジメントレビューの結果を記録して下さい。                         <記録>




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