らくらくISO9001講座


  
ISO22000
2018年版

茶字は、JISが用いている用語
緑字は、本文にない、この口語訳独自の補足


5章 経営者の仕事
(改訂 2019.07.21)

5.1 経営者の役割
5.2 食品安全方針
5.3 社員の責任と権限



 5.1 経営者の役割

   経営者は、このISO22000に基づく仕組みを、組織のトップとして推進する責任があります。
   そのために、経営者は次の項目を行って下さい。
a)  食品安全方針を決める。各部門に食品安全目標を決めさせる。
  食品安全方針・食品安全目標は、経営戦略と一致させる。
b)  ISO22000に基づく仕組みを、会社の経営の一部として機能させる。
c)  必要な建物や設備を用意し、必要な人を配置するように管理する。
d)  社員に、決められたルールを守ることの重要さを理解させる(食品安全のルール、
  マネジメントのルール、法律、顧客との約束)。
e)  この仕組みが、期待した結果を出すように管理する(結果を正しく評価する、結果が
  出るように対策する)。
f)  仕事の成果が得られるように、社員に行動させる。
g)  仕組みの改善に取り組ませる。
h)  管理職が、リーダーシップを発揮し、役割を果たすように指導する。

  <補足説明> 

 



 5.2 食品安全方針


 5.2.1 食品安全方針の内容

   経営者は、食品安全方針を決めて下さい。これに従って会社を運営して下さい。
   必要な場合には、食品安全方針を見直して下さい。
a) 食品安全方針は、会社の仕事の内容にふさわしいこと。
b) 食品安全目標を決められるように、具体的なイメージを示すこと。
c) 食品安全に関するルールを守ることを約束する。
  法律や顧客との取決めを守ることを約束する。
d) 社内での情報の伝達や共有を正しく行うことを約束する
  外部の関係者との情報交換、問題発生時の連絡などを正しく行うことを約束する
e)  仕組みの改善に努めることを約束する。
f)  食品安全に関する力量を持ったスタッフによって仕事を行うことを約束する。



 5.2.2 食品安全方針の周知                            <文書>

a) 食品安全方針を文書で定めて下さい。
b) 社員に食品安全方針を理解させて下さい。実際の仕事に反映させて下さい。
c) 自社の仕事に関係する人や会社【利害関係者】が希望する時は、食品安全方針を開示
   して下さい。


 



 5.3 社員の責任と権限


 5.3.1 責任者を決める

   ◆責任を持つ部門や人を決める
社長は、それぞれの仕事について、責任を持つ部門や人を決めて下さい。
また、権限をもつ人を決めて下さい(決定をする権限、業務を指示する権限など)。
それぞれの仕事の責任・権限が、関係者に分かるようにして下さい。

   ◆責任者を決める
社長は、次のことを行う責任者を決めて下さい。
a)  会社の食品安全の仕組みが、ISO22000と合うように管理する責任者。
b)  仕事の結果を経営者に報告する責任者。
c)  食品安全チームリーダーを任命する。そして、食品安全チームのメンバーを決める。
d)  問題発生時などに、決められた対応を開始する責任者。



 5.3.2 食品安全チームリーダーの仕事

  食品安全チームリーダーの仕事は次の通りです。

a) 食品安全の仕組みを実行する責任者(次のことが行われるように指揮する)
   ・食品安全の仕組みを作る【確立】 
   ・その仕組みを動かす【実施】
   ・その仕組みを継続して行う【維持】 
   ・必要に応じて仕組みを改める【更新】
b) 食品安全チームを指揮し、その仕事を管理して下さい。
c) 食品安全チームのメンバーが、必要な力量を持つように管理して下さい。
   そのために、訓練を受けさせて下さい。
b) 食品の安全が保たれているか【有効性】、また、食品安全の仕組みがうまく機能して
  いるか【適切性】を、社長に報告して下さい。



 5.3.3 報告の責任

   全ての従業員は、食品の安全に関わる問題に気が付いた際には、担当者(食品安全チーム
   など)に報告して下さい。そのような責任があることを、ルールで決めて下さい、




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