7.1.5 監視・測定のための装置や道具
7.1.5.1 監視・測定のための装置や道具の管理
会社が、製品の検査や点検を行う場合には、そのために使用する機械や道具を管理する必要
があります(以下、まとめて監視・測定機器と書きます)。
これには、計器、はかり、測定機器、監視機器、検査器具、検査装置、ゲージ、標準器などが
あります。また、製品の出来栄えを確かめるための点検表、チェックリストなども該当します。
監視・測定機器を管理する目的は、次の通りです。
|
◆測定・点検・確認が、根拠に基づいた方法で行われていることを証明します。
|
|
◆測定した結果が、正確であることを証明します。【結果が信頼できる reliable】
|
どれか、管理が必要な監視・測定機器なのかが、分かるようにして下さい。【明確】
必要な監視・測定機器を用意し、使えるようにして下さい。【提供】
|
a) 実施する測定・点検・確認について、何を確かめようとしているのかをはっきりさせ
|
|
(目的)、それに合った監視・測定機器を使って下さい。
|
|
特に、数値を求める測定では、必要な測定精度に合った(必要な細かさで測定ができる)
|
|
b) 機械や器具は、適切に、点検やメンテナンスをして、正しく使用できる状態を保って下さい。
|
会社は、使用している監視・測定機器が、それぞれの測定・点検・確認の目的に合って
いることを証明する記録を残してください。これには、校正記録、点検記録、異常があった時の
調査記録などがあります。(次の、7.1.5.2項の記録が、ここに含まれます)
7.1.5.2 測定値を保証する(校正または精度の確認)
測定機器について、確かな標準に基づいて校正や点検が行われていることの証明【測定の
トレーサビリティ】が必要な場合には、次のa)〜c) の管理を行って下さい。
なお、証明が必要な場合とは、次のようなケースです。
|
◆顧客から証明を求められている、あるいは法律で決まっている。【要求事項】
|
|
◆会社が、測定結果について顧客の信頼を得るために、測定機器の証明が必要と考えて
|
|
a) 校正または精度の確認(いずれか、またはその両方)を行って下さい。
|
|
もし、校正(または精度の確認)をしようとする項目について、国際的なまたは国が定めた
|
|
標準(比較対象)が存在するならば、それらとの繋がりが証明できる【トレーサブルである】
|
|
標準を用いて、校正(または精度の確認)を行って下さい。
|
|
そのような標準がない場合には、会社それぞれの判断で、適切な方法や標準を決めて、
|
|
校正(または精度の確認)を行って下さい。この時には、その方法の正しさを証明する
|
|
文書 または記録を作成して下さい。その文書または記録を保管して下さい。
|
|
b) 測定機器の校正(または精度の確認)が正しく行われていて、使って良い状態にあること
|
|
が、その測定機器を使用する現場で分かるようにして下さい。【識別】
|
|
c) 測定機器は、その精度が狂うことがないように、適切に取り扱って下さい【保護する】。
|
|
◆精度の調整が、誤ってあるいは意図的に狂わされることが無いように、保護を行って
|
|
◆壊れたり、劣化したりしないように取り扱って下さい(保管方法、使用方法、点検方法)
|
測定機器が正確でないことが判明した場合、あるいは測定機器が壊れた場合には、これまで
の測定(前回の校正・検証以降)で、不合格品を誤って合格品にしていることがないか【結果の
妥当性】を調査をして下さい。
本来は不合格だが、合格と扱われた製品があった場合は、問題の大きさに応じて、適切な
対策を行って下さい。
|