外壁診断   タイルの浮き原因     防水層劣化調査    結露赤外線調査     雨漏り調査      ソフトコアリング 



弊社の調査事例を基に作成しました。 株式会社オカ商建 著 (適時更新予定)


タイルが浮く原因は、主に3つ 〔RC造 直張り工法編〕



近年、躯体制度の向上、建築コスト削減、省力化の流れを受け、タイル直張り工法で施工されるマンション・建築物が増えました。直張り工法は、ディファレンシャルムーブメントや躯体からの影響を緩和する機能があるとされるモルタル層がなく、それらの影響を受けやすいとされています。そこへ施工不良などが重なると一層脆弱な状態になってしまいます。ディファレンシャルムーブメント、躯体からの影響、施工不良は、それぞれ単体でもタイルの浮き原因となりますが、これらが重なり合う事で危険度が高くなります。

それぞれ単体でもタイルの浮き原因となるが、これらが重なり合う事で危険度が高くなる。

タイルの浮き原因
タイル外壁


ディファレンシャルムーブメント 冷熱・乾湿などにより伸縮を繰り返し、躯体と張付けモルタル相互、張付けモルタルとタイル相互にひずみが生じ剥離に至る。極端に例えると、肘(ひじ)に湿布(しっぷ)を貼って曲げ伸ばしを繰返す内に追従できなくなって湿布が肘から剥がれてくるみたいな感じ?実際に調査していても日較差の小さい北側外壁などは、相対的にタイルの浮きが少なく、日較差の大きい東側・南側・西側は、北側と比較して浮きが多い傾向にあります。また、R面、丸柱などはディファレンシャルムーブメントの影響を受けやすくタイルの浮きが多くみられる


躯体からの影響 主にひび割れです。躯体コンクリートにひび割れが生じ、その影響で表面タイルに割れが生じたり、躯体と張付けモルタルの界面、張付けモルタルとタイル界面に剥離を生じさせたりします。開口隅角、梁、柱、コールドジョイント、1F廻りによくみられる。タイルの浮きとひび割れが重複して発生するのが特徴。危険度が高く注意が必要な浮きです。(ひび割れが表層に出ないパターンもあります。)


施工不良 早期の浮き・早期の剥落原因となるのが施工不良です。単に施工不良と言っても数え挙げればきりがありませんが、ここで指すのは、タイルの接着不良となりやすい型枠剥離材の残留、目粗し不足、圧着不足、ドライアウト等々です。早期にタイルの剥落が起きた外壁を視ると、テカテカで綺麗なコンクリートが顔を出している事が多いです。原因は、先ほど挙げた型枠剥離材の残留、目粗し不足、ドライアウト等々への対策不足です。接着が悪い状態のタイルにディファレンシャルムーブメントや躯体からの影響等が重なれば、浮き面積の拡大、剥落へ繋がって行きます。



R面は浮きやすい
R面、丸柱などはディファレンシャルムーブメントによるタイルの浮きが多くみられる

タイルひび割れ
躯体から起因しているひび割れ。躯体コンクリートにひび割れが生じ、その影響で外壁タイルに割れが生じた。

タイル剥落
接着不良により剥落。テカテカで綺麗なコンクリートが顔を出している。型枠剥離材の残留、目粗し不足、ドライアウト等々の対策不足による。

エフロレッセンス
躯体から起因しているひび割れ。タイルの浮きも重複して発生していて危険度が高い。また、エフロレッセンスもみられる。

コンクリート打放し仕上
同じ建物でタイルの張ってないコンクリート打放し仕上面は、躯体の状況をみるのに参考になります。






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