第4話 ポコにいちゃんのこと




ポコにいちゃんはあたちのいとこです。
おかあさんの妹(ナオおばちゃん)のおうちのわんこ。
1994年の7月頃の生まれで茶色のミックスわんこです。
あのね、ポコにいちゃんね、頭がおっきいの。
おかあさんは「ポコはお座りしてたらとても大きなわんこに見えるよ。」
って言います。お顔の大きさはあたちの倍くらいかも。
じぃちゃんは「ポコは頭が大きいから賢いんやな。」
と言います。
あのね、これってね、頭のちっちゃいあたちがバカだってことなのかちら?
そんなことはないと思うの。
だっておかあさんはいつもあたちのことを
「お利口ね、いい子ね。」
って言ってくれるもん。

ポコにいちゃんは時々あたちのおうちに遊びにきます。
ずっとずっとチコおばちゃんがあこがれの姫だったんだって。
だからチコおばちゃんがまだ元気だった頃は
あたちのことはぜんぜん気にちてくれませんでちた。
あたちがまだ小さかった頃 「遊ぼうよぉ!」って誘っても
ポコにいちゃんのお目目はチコおばちゃんばっかり追いかけていて
「マリン? あぁ、わかった!わかった!あとでね。」
みたいな感じでぜんぜん相手にちてくれなかったの。
けれどチコおばちゃんがお空にいってからとっても優しくちてくれるようになりまちた。
「マリン、そっちは危ないよ。」
「マリン、こっちへおいで!」
「マリン、そんなに走ったらダメだよ。」
時々ちょっとうるさかったりするほどの心配性です。

ポコにいちゃんのおうちから歩いてすぐのところに<府民の森>があります。
おうちのまわりにはいっぱい広場があって
たぬきさんとかが道路を歩いてお散歩ちてたりもちます。
とってもとってもおもちろい場所であたちは大好きです。
チコおばちゃんがいたころは
チコおばちゃんにひとりでお留守番させるのがかわいそうだからと
あたちはあまりポコにいちゃんのおうちには遊びに行けませんでちた。
1年に1回くらいかな。
チコおばちゃんがいなくなってからは
2〜3月に1度くらい連れていってもらえるようになりまちた。
とっても広い広場を探検するのがおもちろいからそんな日はすごぉくうれちいです。
そんな時、ポコにいちゃんはナオおばちゃんから
「今日はマリンちゃんが遊びに来るよ。」
と聞かされて朝からずぅっと待っててくれるのです。
ぶぅぶが止まっただけで、お庭のほうから
「ワンワン!ワンワン!」
「マリンー!いらっしゃぁい!ボクずっと待ってたんだよぉ!」
と叫んでくれます。
ずぅっとずぅっとあたちが近くに行くまで叫んでいるのよ。



ポコにいちゃんは今はとっても元気だけれど
ずっと前にバベシアという病気になって死にそうになりまちた。
そのときはみんなとっても心配したのよ。
まだフロントラインとかっていうお薬もない頃で
予防法っていったら白い粉を一杯身体に降りかけられていた頃です。
バベシアはダニに噛まれたらなる病気。
お山や草むらが危険らちいけど
ポコにいちゃんは普通のお散歩でこの病気になってちまいまちた。
発見がとても早かったから助かったんだそうです。
同じときに同じ病気になったポコにいちゃんのお友達は
お空にいってちまいまちた。
ナオおばちゃんは
「なんだか、ちょっと甘えん坊ね。いつもと比べてちょっと元気がないような気がするわ。」
と思ってお医者さんに連れていったんだって。
そちたらバベシアだったんだって。
あたちのおうちのあたりもダニがいっぱいいます。
おかあさんは「私はもしマリンがそうなったら気づいてあげられるかな。」とちょっと心配そうです。
しっかりちてよ!おかあさん!

ポコにいちゃんはお水が嫌いです。
あたちのおうちの近くのお山に遊びに行ったときは川の音が怖くて
ワンワンないて「早く帰ろうよー!」って大変でちた。
去年一緒に川に遊びに行ったときはおぼれそうになっていまちた。
ポコにいちゃんは<かなづち>だったぁ!



小さい頃、あんまり一緒に遊んでもらえなかったから
つい最近まであたちはポコにいちゃんと仲良く遊ぶことができませんでちた。
最近よく会うのでやっと一緒に遊んだりできるようになったよ。
これからはもっと一緒に遊べるかな。
いつでも遊びにきてね、ポコにいちゃん!
あたちもいっぱい遊びに行くね。
いっぱいいっぱい遊ぼうね!

(2003年4月20日)