第3話 ぶぅぶ(自動車)大好き!

あたちはぶぅぶでおでかけがだぁいすきです。
おかあさんはあたちにぶぅぶが好きになってほちかったそうです。
なぜならチコおばちゃんもムーおばちゃんもぶぅぶに乗れないわんこだったから。
おでかけでぶぅぶにうれちそうに乗っているわんこを見るたび
自分もそんな風にわんこと一緒にドライブしたいと思っていたんだって。
だからあたちにはまだ小さい頃からおかあさんがぶぅぶに乗る練習をさせてくれまちた。
最初はおうちで。
門からガレージまでの短い距離を行ったり来たり。
その頃はあたちはほんとにちっちゃかったから
運転席のおかあさんのお膝の上にちょこんと乗っかっていまちた。
「あれれ、不思議ね。あたちはじっとちてるのに周りの景色が変わっていくわ。」
あたちはちっとも怖くありませんでちた。
なんだかとってもおもちろかったです。
だからおかあさんがぶぅぶのドアのところで
「マリン、抱っこ!」
と言うとぶぅぶに乗せてもらえるのだということをすぐに覚えまちた。
そのうちお母さんは近くのホームセンターやスーパーマーケットにお出かけする時にも
あたちを乗せてくれるようになりまちた。
お庭だとゆっくり景色が動くけれど
このときはビュンビュン景色が変わるの。
最初はびっくりしちゃったよ。
けれどそれがまたとってもおもちろくって
あたちはずぅっと窓からお外を眺めていまちた。
あ、この頃にはあたちもだいぶ大きくなっていたから
あたちは助手席ね。
そうすると隣のレーンを走っているぶぅぶに乗ったおじさんとかが
お手手を振ってくれたりちたのよ。
知らない人なのに、どうちてだったのかちら。



今ではあたちはすっかりぶぅぶ大好きっこになりまちた。
もう抱っこちてもらわなくてもぶぅぶに乗れるよ。
けれど時々甘えん坊ちたくなって
おかあさんに「抱っこちてぇ!」って言うことがあります。
そうすると、じぃちゃんが「マリンは甘えん坊やなぁ。自分で乗れるやろ。」
とあきれたお顔をするの。

普通の車でおでかけするときは家族みんなでお出かけのときか
おかあさんとふたりでおでかけのときが多いです。
いろんなところにお出かけちたよ。
軽トラックっていうぶぅぶでおでかけの時もあります。
そのときはじぃちゃんが運転手で私は助手席でおかあさんのお膝の上。
軽トラックっていうのはね、背が高いの。
だからなんだかえらくなった気分がするよ。
この前じぃちゃんの妹のおうちに行ったときには
信号で止まっていたら知らないおねえちゃんがあたちを見て
「めっちゃ、かわいい〜!」
って言ってくれたの。
窓からお外を見てたのよ。
そうあたちは窓から顔をだしてお外を見るのが大好きです。
時々窓の桟にお手手をかけて身体を乗り出したりちて
おかあさんに叱られたりします。
窓からお顔をだすといろんなにおいがするでしょ。
それがとってもたのちいのよ。
お耳がパタパタするの。風がお顔にいっぱい当たるの。
とっても気持ちいいのよ。



ぶぅぶがガレージから出てきたらちょっとドキドキちてちまいます。
あたちも一緒におでかけだよね、そうだよね。
じぃちゃんとばぁちゃんしかいない日はいつもお留守番。
だからちょっとつまらない。
おかあさんがいる日だと一緒におでかけできることが多いけれど
それでも時々お留守番させられてちまいます。
だからぶぅぶがガレージから出てきてお庭に止まったら
あたちはぶぅぶのそばでじぃっと待ってるの。
ぶぅぶのそばにいたら一緒におでかけができるかもちれないでしょ。
ぶぅぶの前か、ドアの横。
ここが1番イイ場所です。

一緒におでかけだとたいていはとっても楽しい所に行けるのだけれど
時々いやな場所に連れて行かれることもあります。
1番いやなのは獣医さん。
それからお買い物もちょっとつまらない。
けれどあたちはちゃぁんとぶぅぶの中で大人しくひとりで待てるよ。

これからもいっぱいみんなで一緒におでかけが出来ますように。
あたちはおかあさんの願い通り<ぶぅぶ大好き>なわんこになったよ。

(2003年4月20日)