こぼれ話

わんにゃん話から少しそれるかもしれませんが、お風呂のお話。

にゃんこのペロがうちの家族になったころ、我が家のお風呂はまだ薪で炊いていました。

驚くなかれ! 五右衛門風呂です。ご存知でしょうか。釜のお風呂で、お風呂に入る時に

底に木の板を足でそっと押し入れて、凸凹をあわせて板をはめ込み床にするのです。

ペロのつながれている場所の近くに炊き口がありました。

 

 

冬の寒い頃にはお風呂を炊く母のそばにいつもペロがいました。

炊き口のすぐそばに座り、尻尾をくるりん、くるりんと動かしながら暖を取っているのです。

たま〜に、尻尾が炊き口の中に入ってしまい、ちりちりと尻尾を焦がしてしまうこともありました。

寒かったんだよね。。。

あの頃は今みたいに暖かい冬じゃなかったし、お家の中の暖房だってお粗末だったものね。

私と妹はまだ小さかったけれど、いつもふたりでその五右衛門風呂に入っていました。

考えたらよくやけどとかしないで入れたものだと思うのですが、やっぱり慣れなのでしょうね。

 

 

子供だってちゃんと考えて行動できるんですよね。

お風呂 イコール 遊び です。ふざけて底板をはめたり浮かせたり、とにかく長風呂。

遊んでいるから、ぜんぜんお風呂から出てこないのです。

いいかげんにしなさい、ってな時には母はどんどん薪を燃やします。

お風呂のお湯がどんどん熱くなります。で、ようやくお風呂タイムが終了となります。

はっきり覚えていませんが、ペロが来た翌年くらいにはお風呂の改築をしたのではなかったかな。

 

 

 

お風呂を炊く事がなくなって、ペロにはますます寒い冬になってしまったかもしれません。

余談ですが、今(2002年)でも私の知る限り近所で1軒だけ薪でお風呂を沸かしている

お家があります。もちろん五右衛門風呂などではなく、薪でもガスでもお風呂を炊ける

優れもののお風呂です。田畑をたくさん持っていらっしゃるお家なので、

薪がまだ手に入るのでしょうね。廃材利用かな。 

この数年はもう年をとってしまわれたせいか(たぶん90歳近い)見かけなくなりましたが、

 

 

お散歩で通りかかるとおばあちゃんが炊き口によっこらしょと座り、背中を丸めてお風呂

を沸かしていらしゃる姿を見ることができました。

なんかのどかで平和で大好きな風景でした。

けれど、最近では苦情が来ることがあるそうです。けむりが出る、灰が飛ぶ、と。

一日中お風呂を沸かしているわけでもなし、いいんじゃないの〜?

ガスや灯油ではなく薪を燃やして炊いたお風呂に入れるなんて、とっても風情があって

 

 

 

ステキだと思うのですけれど。 便利さ、快適さ、安楽さ、ばかりを求めているうちに

何か大切な心を忘れてしまっているのではないかな、とちょっと寂しい気がします。

そういうゆとり・・・あってもいいのではないのかな。