第9話 おしゃれ

話の順番が違ってちまうけど
まだニーナもいて4匹でにぎやかだったころのお話。
その頃、なおちゃんは<花嫁修業>ってのでずっとおうちにいたの。
時々ニコニコちてあたちたちを呼ぶの。
そういう時はおしゃれの時間。
なおちゃんは蝶ネクタイを作ったり、リボンをつくったりちてて
それをあたちたちにつけてくれるの。
ネクタイやリボンはよかったわ。
それなりに自分でみても「あら〜、かわいいじゃない!」
って思えたの。
自分で言うのもヘンだけど、よく似合ってたと思うの。
でもね、時々なおちゃんのお古のお洋服を着せられてちまうのよ。
それがねぇ。。。
なおちゃんは「ウフフ、ウフフ、チコちゃんかわいい〜」
って言ってくれるんだけど
あたちは・・・自分では似合ってるような気がちないのよ。
それに窮屈な感じなの。
なんでだかわからないんだけど
お洋服を着せられるのはいっつもあたちだけなの。
ニーナもムーもランも着せられないのに
あたちだけ着せられるの。
リーダーの面目丸つぶれって気がして
ちょっとだけ迷惑な気がちたわ。
「あたちにはきらきら輝く金色の長い髪があるのよぉ!」
あたちの自慢の輝くお洋服が全部隠れてちまうのよ。
お洋服なんていらないのになぁ、っていっつも思ってたわ。
けどせっかくニコニコ笑ってご機嫌ななおちゃんに向かって
そんなことを言うのもちょっと大人気ないわねぇ
って思っていっつも我慢ちてた。

どうかちら?
似合ってる? なんだかとっても恥ずかちいわぁ。
のりちゃんは写真を見て大笑いちたの。
「チコ、あんよは?」「なんか足が短く見えるよ〜」
やっぱり・・・似合ってないわよね・・・
|