第4話 あたちリーダーになる!

ニーナはおませさんで1歳半の時に6匹のお母さんになったの。
恋人はご近所の柴犬くん。
すご〜く不思議なのは、あたちも一緒にいたのに
柴犬君がニーナを選んだってことよ。
あたちのほうが絶対に美人だと思うのになぁ。
ま、あたちのタイプじゃなかったからいいんだけど。

赤ちゃんが生まれてもあたちはニーナと赤ちゃんの部屋には近づかなかったわ。
ニーナは神経質なところがあるから気にしたらよくないと思ったからね。
大きくなってお外に出てくるようになったら
一緒に遊んであげようとずっと待っていたんだぁ。
お外にでてくるようになって・・・すっごくかわいかった!
ころころちてて、子犬は子犬同士遊んでいる時が多かったけれど
あたちのところにも遊びに来るようになったのよ。


そのうち知らない人が来てニーナの子供を1匹、また1匹って
どこかに連れていってちまったの。
あたちはそのときは知らなかったけれど
その人たちは<里親さん>と言って
ニーナの子供達のお父さんお母さんになる人たちだったんだって。
最後に2匹の子犬が残って
のりちゃんたちは「里親さんを捜さないと!」って言ってたけれど
実際にはなぁんにもしていなかったよ。
あたちは知ってるわ。
みんな口ではいろいろ言っていたけれど
人にあげるのがいやになってちまっていたのよ。
ちびころたち、かわいかったもんね。

そしたらやっぱりある日のりちゃんが言ったの。
「この子がランちゃん、この子がムーちゃん。家族だからね。仲良くしてね。」
やっぱし・・・そうなると思ってた!
あたちたちはその日から<わん家族>!
家族ということは・・・
わんこはわんことちてのルールがあるでちょ。
それを教えてあげないといけないって思ったの。
ニーナは子育てでガリガリに痩せてちまっていたから
ここはとーぜんあたちの出番でちょ!
「任せておいてよ〜!あたちが教育係をちてあげるわ。」



ムーはおとなちくてマイペースであんまりいたずらとかちなかったけど
それでも時々へまをちてて、あたちが助けてあげたりしたよ。
お庭の花壇の上に貼ってあるネットにからまって
動けなくなっていたりとかね。ちょっとどんくさい子だったのよ。
ランはちょっと問題児だったわねぇ。
すぐにあたちに飛び掛ってくるの。
遊んでほしいのはよぉくわかるけど
いつでもどこでもってのはルール違反。
何度も「ガウガウ」って叱るんだけど
そのときはゴロンちておなかを見せて「ごめんなさい。もうちません。」
って言うんだけど許してあげて背中を見せたら
またすぐに飛び掛ってくるような子だったわ。
でもあたちの教育の効果があって2匹とも<社会のルール>ってのを
覚えることができたのよ。
やっと本当の<わん家族>が出来たってわけ。
あたちはその時に決めたの。

「あたちはわん家族のリーダーになる!」