秋田犬のロン

 

ペスが亡くなってどれくらいしてからでしょう。

親戚から 『秋田犬の子犬がいるけれど、いらないか。』 と電話が入り、父が貰いに行くことになりました。

子犬と聞いたので、小さなコロコロわんこを想像していたのですが、

やってきたのはもうすでに柴犬近い大きさになったわんこでした。

生後3ヶ月弱。 『おっきい〜!さすが秋田犬。子犬でも大きいな。』

ペスのようなちっちゃいわんこ、簡単に抱っこできるようなわんこを想像していただけに

ちょっとだけがっかり・・・

けど、表情はやっぱり子犬です。 なんかぼんやりしてるしおっとりしています。 名前はロン。

数日後、血統書が届きました。家族全員が初めて見る 『わんこの血統書』 です。

『すごいね。曽祖父とかもわかってるんや。』

ロンの血統書の名前は 確か竜か龍の字がついていました。なんとか龍号、竜なんとか号?

しばらくは血統書付きのわんこ、とちょっと得意げ、で、その血統書なるものに見とれていましたが、

もとより血統書にも純血種にもまったく興味のない家族ですから、

そのうち押し入れに放り込み、今ではどこに行ってしまったのかすらわかりません。

それにしても血統書までついたわんこがどうして菓子折りひとつで養子に来たのでしょうか。

結構大きくなっていた事から売れ残りだったのかも。

さて、ペロとロン。

ペスの面倒を親切に見たペロですから、今度もかわいがってくれるかもしれない、

と思って近づけてみました。 ロンは平気な顔をしてペロに近づいていきます。

けれど、ペロはフーと背中の毛を立てて威嚇し、ロンが近づきすぎるとシャーッ、

手をだしロンの鼻先を引っ掻いてしまいます。

何度かやってみましたがダメでした。ロンは子犬とはいえすでにペロより大きかったので、

ペロには子供には見えず、怖かったのかもしれません。

ロンは成犬になってからも全く気にせずにペロに近づいて行き、

しょっちゅう鼻先を引っかかれて血をだしていました。

まだ子犬だし、としばらくは勝手口で飼うことになりました。

ある日学校から戻るとロンがいません。

『ロン!』 『ロン!』

呼びながら家に入ると居間はティッシュのだらけです。

あっちにもこっちにもティッシュが散乱しているではありませんか!

なんかぐちゃぐちゃです。 何事!???

そして座敷の方からロンが尻尾ブンブンで飛ぶようにやってきました。

『お帰り〜!今日はとっても面白かったよ。』

座敷に入ると仏壇の横に大量のう○ち!

あちゃぁ!・・・・・

慌てて散乱したティッシュをかき集め、そうっとう○ちをつかみ、

雑巾を持ってきて ”ぎゅっぎゅっ” と拭きます。 なぁんか茶色い・・・色が染み付いてしまったような。

洗剤を持ってきて ”ぎゅっぎゅっ” もう目立たないかな。

黙っていればよかったのかもしれませんが、『今日は大変やってんで。』 と母に話してしまいました。

その翌日からロンは 『こんないたづらができるくらいやからお外でも大丈夫!』 

とお外につながれることになってしまいました。

ロン・・・お外で寂しくない? 

私の心配をよそにロンは全然へっちゃら。何も気にしている様子はありません。

とにかくのんびりやさんです。 おっとりしています。

大型犬は、身体が大きい分、怖いということを知らず、のんびりしている、と聞いたことがあります。

ロンもそうだったのでしょうか。

全然へっちゃらにあっという間にお外わんこになってしまいました。

良いように言えば、おっとり、悪く言えば、ぼんくら、な弟、 『 ロン 』 の誕生です。