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モロッコ旅行記 第6日目 −3/20(土)−
〜フェズ観光〜
いよいよ楽しみにしていたフェズ観光。前日は9時頃には寝たのでたっぷり眠れて目覚めはさわやかだった。
フェズは複雑な街なので、フェズ専門のローカルガイドが付いた。
この人が最初からハイテンション。まぁ多分普通のガイドはこうなのだろう。
ヒーシャムのようにはにかんだほほえみを浮かべる控えめなガイドの方が少数派だろうとは推測できる。
最初にフェズの街を一望できる高台へ。 ここで同じEOSを持っていたおじさんにレンズを貸してくれと頼まれた。
こういうことが出来るのも一眼レフの良さである。
おじさんは、私が出発前に買ってしまおうかと悩んでいたレンズをつけていたので交換して楽しんだ。
王宮を見学。といっても中には入れないので門だけである。しかし、この門が素晴らしい!!
金の扉が7つ、それぞれ各曜日を表すという。真ん中の大きな扉は聖なる金曜日とのことだ。

7つの扉を持つ王宮の門
中もたいそう豪華だという話しだが、確かにこれだけの門を作れるのだから中もすごいのだろう。
扉は、職人が設計図も無しに少しずつ模様を作っていったそうだが、信じられない美しさだ。
この後、最大の楽しみであったメディナへ突入。
あまりに細く入り組んでいるため、現地ガイドと添乗員さんが先頭、ヒーシャムが最後尾に付くことになった。
「迷子になっても探せません。絶対にはぐれないでください。」と何度も念を押された。
迷宮の始まり・・・。生鮮食品のスーク。果物、ナッツ類、お肉等々。いろんな物が売られている。
この国は豚を食べないので、山羊を頭の先から足まで余すところ無く食べるという。
実際、頭(牛かな?)と足を売っているお店があった。内蔵ばかり並べている店もある。
カタツムリを売っているお店。生きているカタツムリを籠いっぱいにいれているので周り中這っている。
鶏は生きたまま秤に乗せられ、売られていく。

肉屋 頭と足、わかります?

カタツムリ そこら中を這い回っている
どんどんメディナの奥にはいる。このメディナには一つ交通ルールがある。
それは「ロバ優先」。人は、ロバのために道をあけなければならない。
「バラク、バラク」と言う声が聞こえたらロバのために道をあけろ、ということである。
ここでは荷物を運ぶのはロバだ。何度も何度もたくさんの荷を積んだロバに道を譲った。

ロバに道を譲る
ランプシェード、布製品など様々なお店を見て、なめし革工房へ。
蜂の巣のようにたくさんの染色桶で、手作業による皮染色を行っている。
染料によっては何日も皮を浸しておくそうだ。この革製品のお店で、皮のクッションがほしくなったが高いのでやめておいた。

なめし革工房
アッタリーン神学校、カラウィーンモスクを見学。どちらもモザイクが見事だ。
カラウィーンモスクには、コインをいれて願い事をするとかなうという穴があったので余った小銭を入れて
「またモロッコに来れますように」と祈っておいた。
2カ所とも、中にはいることは出来ないが入り口から中の写真を撮ることはOKと言うので入り口に張り付いて写真を撮った。

アッタリーン神学校とカラウィーンモスク

坂道なのに、手を添えずスタスタと歩いていた

フェズで一番と評判の歯医者らしい でも、入れ歯が陳列されてる歯医者って怖い
絨毯屋に行った。憧れのベルベル絨毯!!! 美しい絨毯の数々を見ていると思わずほしくなるが、
前日何度も「フェズは危険だから、貴重品はホテルに預けて」と言われていたので日本円もカードもホテルだ。
「ぷらすちっくまねー OK じゃぱにーずまねー OK」って言われてもない・・・。
でもカードを持って無くてよかったかも。買っちゃってもうちにはベルベル絨毯を美しく敷くスペースがないことだし。
染色はすべて自然の物を使ってるそうだ。青はインディゴ、コバルト、赤はポピー、黄色はサフラン、緑はミント・・・。
色も模様も美しい!!! 次に来るときには絨毯計画も立ててから行こう。
同じ建物内のレストランで昼食。前半食べ損なったクスクスだ。生まれて初めて食べた。まぁまぁかな。

美しい絨毯
ブロンズのお店を見学。釘を金槌で打ってブロンズに模様を作っている。よくちゃんとした模様が出来るものだ。
実演していた人のお父さんが結構有名な人らしく、レーガン元大統領が見学に来ている写真があった。

釘一本で美しい模様を作り出しているところ
ここで、材料の素材がわからない物があったので、添乗員さんに聞いてもらうことにした。
ちょうど真後ろにヒーシャムがいたので「あ、後ろにヒーシャムがいますよ」と彼を見ながら言ったのに
「私今彼と喧嘩してるから口きかないの」といって離れていたローカルガイドの所に行ってしまった。
取り残されたヒーシャムは「どうしたの???」と不思議がっている。
添乗員さんは「訳さないでよ!!」と叫んだので黙っていることにした。
でもヒーシャムは気になって仕方ないらしく、「彼女はなんて言ったんだ??」としきりに聞いた。
Rさんは「しーくれっと」と言い、私は「あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ」と言っておいた。
「おお! そんなひどい!! おしえてくれよ」と訴えている姿を見ると、黙っているのもつらいのでその場を去った。
後で「しーくれっと」と言ったRさんは更にヒーシャムからつっこんで聞かれたらしい。
その後にもモスクについて聞きたいことがあったので添乗員さんに通訳を頼んだが、
「直接ヒーシャムに聞いてよ ファンクラブなんでしょう」と言われてしまった。
そこで直接聞いてみたが、今一つ理解できない。彼が一生懸命説明してくれるのにわからない英語力のなさが申し訳ない。
結局その質問については添乗員さんがローカルガイドの人に聞いておいてくれてやっと答えがわかったのだった。

メディナの入り口 ブージュルード門
陶器の工房へ。モザイクを作る過程を見学させていただいた。
色の付いた面を下にして、パズルのように並べていき、最後にセメントで固めてからひっくり返すそうだ。
そして「設計図はすべて頭に入っている」というから凄い。ひっくり返してみたら模様が乱れていたりしないのだろうか??
さらに、ろくろを回す人、絵付けをする人、窯で焼いている人・・・。すべて手作業である。
ろくろだって足踏み式で、自分で漕いで回すのだ。
一通り見学した後、工房内にある陶器のお店で買い物。「値切り禁止」ということだが、
今まで値切って買った物より安かったような気がする。私はここで大量の陶器を買ってしまった。

モザイクを作っている人々

ろくろを回す人

陶器のお店
最後に、朝と反対側からフェズのメディナを一望できる高台でフォトストップして観光はお終い。
自由時間となった。いよいよヘンナのためにメディナに再突入!!!
お世話になったローカルガイドの人に、ヘンナのお店を聞いてみたら
「もう4時だし、女性が単独でメディナに入るとどこかに連れて行かれて危険だからやめなさい。わかった?」と諭され、教えてもらえなかった。
仕方ないので同じツアーの人たちにお願いしてみんなで突入することにした。
男性2人と、女性8人という組み合わせでメディナに入っていった。
おばさまたちはモロッコ独特のスリッパを買うことが目的で来ているのでまず見つけたスリッパ屋になだれ込んでいった。
これがなかなか決まらない。日が暮れる前には絶対ここを出たいので、
おじさまに「男の方一人来てもらって、若者4人はヘンナに行きたいんですけど・・・」と言ってみた。
が、このおじさまは責任感が強く、「何かあったらことだから待ってあげましょう。この後みんなで行きましょう」と言われた。
それを聞いていたおばさまたちが「ごめんね〜 おばさん時間かかるのよ〜」なんて言っていた。
待っている間にお店のお兄さんにヘンナのお店を聞いてみたら「僕のお姉さんがやっているから連れていくよ」という話になった。
やっと買うスリッパが決まり、値段交渉を始めたが、延々交渉した結果決裂したのだ!!!
「別の店に行きましょう!!」と元気よく出てきたおばさま達。お兄さんは私たちをヘンナに連れていこうとした。
次は私たちにつきあってくれるのかと思ったら「え〜ヘンナ?? じゃ、ここで分かれましょ!」なんてさっさと行ってしまった。
おいおい! さすがにおじさまも「じゃ、私はこちらについて行きますからあなたあちらよろしく」ともう一人のおじさんに頼んでいた。
お兄さんはどんどん狭い露地に入っていく。本当に狭く、「きゅっ」と挟まって動けなくなりそう。
自力で戻れる自信がなくなってきたので一応へたくそな英語で「ヘンナのあと、元の場所まで連れていってくれるか」と確認してみたら
「もちろんだよ! 心配しなくて大丈夫!」というようなことを言っていた
これはガイド料取られるかなぁ〜と不安になってきた。でももう仕方ないので付いていく。
彼の家には女の人がいた。この人が書いてくれるらしい。
まずは値段交渉。結構高い。
女子大生二人は、マラケシュでやってもらったヘンナを見せ、「これは二人で5$だった」と言ったが
「これとは全然違う! もっとちゃんとしたヘンナだ」ということで、結局Rさんと二人で150DHということでまとまった。
ヘンナの準備。粉を水で溶いてかなり粘るまで練っていく。これをストッキングで漉し、針の付いてない注射器で吸い上げて書いていく。
ケーキに「誕生日おめでとう」とか文字を書く感じである。細く絞り出したヘンナで手に模様を乗せていく。
これが予想以上に凝っていて美しい模様だった。確かにこれはマラケシュの5$とは違う。納得した。
Rさんの分が終わり、火であぶって乾かしている。次は私の番。
「同じ模様がいい? 違うのがいい?」と聞かれ、「違うの」とお願いした。
Rさんは葉っぱをモチーフにしたような模様だったが、私はそこに花が加わった。
素晴らしい! 火にあぶって乾かして定着液をつけてコットンをかぶせてお終い。
書いてくれた女の人に感謝の気持ちを伝えたいがフランス語はわからない。
「めるし ぼく」を繰り返すしかないのだった。
とりあえず、お兄さんに「私は嬉しい、と伝えてくれ」と頼んでみた。それを聞いた女の人はにっこり笑って握手してくれた。
みんなで記念撮影をしてその家を出た。
ヘンナに大満足だったのでお礼にボールペンをあげた。
彼は、「あなた達が幸せなら僕も幸せだ」と何度も何度も言っていた。
結局、ヘンナ代以外にガイド料は取られなかったし、ちゃんと元の場所まで連れていってくれたし、いい人だった。
ガイドの人は「メディナに入ったら口を利くな」まで言っていたが、そこまで怖い感じはなかった。
何よりも、この旅で一番現地とふれあえた感じがして楽しい経験だった。
(多分、ガイドさんや添乗員さんにとってはして欲しくないことだったと思うけど)

狭く細い路地 不安がよぎる

手に模様を絞り出し始める

二人ともできあがったところ
無事ヘンナを終え、私たちはホテルに戻った。
先ほどスリッパの方に流れた人々もどっさり買って満足したようだった。
が、大勢で値段交渉して安くしてもらったのに、お金を払った順にどんどん店を出ていってしまったそうだ。
で、おじさんも店を出てしまって最後に一人旅の女の人が残ってしまって、お金を払おうとしたらおじさんが急に怖い顔になって値段を上げてしまったらしい。
彼女は怖くなって他の人より高い値段でスリッパを買うことになってしまったそうだ。
可哀想・・・。お金を払い終わるまで団体を崩してはいけないようである。
ところで、今日の夕食は幸せなことがあった! デザートがプリンだったのだ。ふっふっふ。
私は子供の頃からプリンが大好き!ずっとデザートはオレンジだったのでなおさら嬉しかった。
幸せな気持ちになり、部屋へ戻った。ヘンナは明日の朝まで流せないのでシャワーは明日の朝にして、早めに寝た。
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