せんりゅう・しじん 天羽 牛郎 3〜4月の作品から

【ストレスのない人どこかお目出たい】
この作品は、毎日新聞北海道版・せんりゅう【葛西未明・選】に
4月23日掲載されました。

【だらだらとリュックぶらぶらギャルの春】
この作品はなぜか、「俳句ステーション」のホームページ
http://www.haiku-st.co.jp/で紹介されました。

01 March, 2000

【社会面 介護と解雇入り乱れ】

【手を合わす遺影の目つき今日は変】

【月変わり なじみの店が急に消え】

02 March, 2000

【見え張って後味わるいニセメロン】

【アイム総理ドコモドコモと電話口】

03 March, 2000

【雪路を桃の一枝下げて帰路】

【春そこに桃の花咲く明かり窓】

【豆雛の晴れ着みやびに桃節句】

【あられもないギャルにもあった雛のとき】

06 March, 2000

【球春の躍る音色が宙越えて】

【フロリダに まあるい笑顔丸ちゃんの】

【芝に咲くイレブンの華 鮮やかに】

【移り気な女ごころに店賭ける】

【スカートを歩道まで出し品定め】

【寿司食べてコーヒーが付く変な店】

07 March, 2000

【乱れ舞う淡雪くぐる ぬかり路】

【客寄せのただパン求め横並び】

【クラシック聴いてる奥で暮らし音】

【休もうとテレビが言うよ午後3時】

09 March, 2000

【目覚ましは火事のサイレンまだ深夜】

【通勤を惨事にかえた脱レール】

【春彼岸 雪かき分けて墓さがし】

【突っ走るゴアの勝ちかなハイウエー】

10 March, 2000

【ふと想う自分の素性うとましい】

【ふと恨む作り笑顔と空返事】

【肉親のバリアフリーは何時のこと】

【器量より気持ちかわいい娘の会話】

【強情が透けて見えるよ口の上】

01 March, 2000
【傷のない陶器のように生きるふり】

【ひっそりと小金貯めたら首切られ】

【罪犯し知らぬふりする駄駄の人】

11 March, 2000

【私生活見せずにひとり似非隠居】

【人嫌い表札はずし独居房】

【面接で落とされ続きねじ曲がる】

【週一度癒しの電話老母から】

12 March, 2000

【職失し冠婚葬に顔出せず】

【会費見て同窓会に欠返事】

【介護などいらぬ人にも新保険】

【誘われてウソで断るコトばかり】

【ストレスのないのはバカと精神医】

【ストレスの賃交渉で生活苦】

【ストレスのない人どこかお目出たい】

【ひいき負け居間でも蒲団乱れ飛び】

【スロー見て八百長かもと目をこする】

13 March, 2000

【ひいき負け居間の座布団乱れ飛ぶ】

【スロー見て手抜きはないか土俵ぎわ】

【土俵より客が気になる大相撲】

【軽やかに黒髪揺らし日なた路】

【花柄の傘が詠うよ春の句を】

【まだ冷える朝のしじまに鯉の夢】

13 April, 2000

【春風に香水薫る交差点】

17 April, 2000

【掲示板読まれないまま涙色】

【宛名ない手紙を出して返事待つ】

【出すべきか胸にためてる恋メール】

20 April, 2000

【旋律を奏でるように朝がきて】

【旋律を奏でるように陽が昇り】

【春の陽に影ある女急ぎ足】

【デカ胸が迫る歩道をさっと避け】

21 April, 2000

今日はボクの誕生日。そこで三句。

【今もなお宇宙に迷う孤独星】

【生まれた日きっと親には希望星】

【塩分とカロリー減らす誕生日】

22 April, 2000

【騒音が愛の奏音母の幸】

【並べ方うまい本屋に時忘れ】

【文庫増え探す苦労もぐんと増え】

25 April, 2000

【だらだらとリュックぶらぶらギャルの春】

【花すがた千流あって面白い】

【駅前の新広場には色気なし】

【川柳は詠んで響いていきかえる】

【舞い上がれ五七五のブーメラン】

【人の世は千流あって面白い】

29 April, 2000

ホリデーブルース 3句

【誘われず誘いもせずに居る時分】

【連休の楽しみ探すのに疲れ】

【あてもなく歩くまちなか空財布】

30 April, 2000

【いい友がしあわせ運ぶ休曜日】

【メール箱開けて寂しい無しマーク】




●2000年 1〜2月 の作句集

●2000年5〜6月の作句集

●川柳 て・ん・し・ん・ら・ん・ま・ん【2000年7月以降の作句から

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