らくらくISO9001講座


  
ISO9001
2015年版
【建設業編】

灰字は、JISが用いている用語
緑字は、本文にない、この口語訳独自の補足


5章 経営者の仕事
(改訂 2018.01.10)

5.1 経営者の役割
5.2 品質方針
5.3 社員の責任と権限



 5.1 経営者の役割


 5.1.1 経営者が責任を持つこと【コミットメント】

  経営者は、このISO9001に基づく仕組みを、組織のトップとして推進する責任がある。そのために、
  経営者は次の項目を行うこと。

a) このISO9001の仕組みによって、どのような結果を出そうとしているかを社員や外部に
   表明していること。【説明責任】
b) 品質方針を決める。各部門に品質目標を決めさせる。
   品質方針・品質目標に、会社が置かれた状況を反映する。また、経営戦略と一致させる。
c) ISO9001に基づく仕組みを、会社の経営の一部として機能させる。
d) 4.4で説明した仕事の仕組み【プロセスアプローチ】を理解するように、会社を指揮する。
  また、リスクを意識して仕事を行うように指揮する
e) 必要な建物や設備を用意し、必要な人を配置するように管理する。
f) 社員に、決められた品質を守ることの重要さを理解させる。
g) この仕組みが、期待した結果を出すように管理する。
h) 仕事の成果が得られるように、社員に行動させる。
i) 仕組みの改善に取り組ませる。
j) 理職が、リーダーシップを発揮し、役割を果たすように指導する。

  <補足説明> 



 5.1.2 顧客を重視すること

   経営者は、顧客を重視する姿勢を、組織のトップとして示すこと。
   そのために、会社に、次のことを実行させること
a)  守るべき顧客との約束や法律をはっきりさせること。それを社員に守らせること。
b)  施工品質や顧客満足に影響する、「リスクへの対策」と「機会を生かすための活動」に
  取り組むこと。
c)  社員に、顧客満足を意識させること。


 



 5.2 品質方針


 5.2.1 品質方針の内容

   経営者は、品質方針を決めること。これに従って会社を運営すること。
   必要な場合には、品質方針を見直すこと。
a) 品質方針は、会社の仕事の内容(建設業)にふさわしいこと。会社を取り巻く状況を反映
  していること。経営戦略に沿っていること。
b) 品質目標を決められるように、具体的なイメージを示すこと。
c) 良い工事を行うことを約束すること。
d) 仕組みの改善に努めることを約束すること。



 5.2.2 品質方針の周知

a) 品質方針を文書で定めること。
b) 社員に品質方針を理解させること。実際の仕事に反映させること。
c) 自社の仕事に関係する人や会社【利害関係者】が希望する時は、品質方針を開示する
   こと。


 



 5.3 社員の責任と権限

   ◆責任を持つ部門や人を決める
それぞれの仕事について、責任を持つ部門や人を決めること。
また、権限をもつ人を決めること(決定をする権限、業務を指示する権限など)。
それぞれの仕事の責任・権限が、関係者に分かるようにすること。

   ◆全体の責任者を決める
以下のことを行う責任者を決めること。
a)  ISO9001に合うように、会社の仕組みを管理する。
b)  それぞれの仕事が、結果に結びつくように管理する。
c)  仕事の結果と、改善の必要性を経営者に報告する。
d)  顧客重視の姿勢を、社員に理解させ、実行させる。
e)  仕組みを変更する時に、問題が起こらないように管理する。



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