らくらくISO9001講座



ISO失敗の5つのパターン
前ページへ目次へ次頁へ

コンサルに文書を作ってもらう

 コンサルタントに高額な料金を払って、品質マニュアルや規定を作らせた。
でも、人が作った文書など、読まないし、何が書いてあるかわからない。もち
ろん、仕事もまったく文書の通りには動いていない。会社の中でだれもISOを
理解していないので、審査では会話にならない。事務局も審査員もグッタリ。
 ともかく、誰かに作ってもらった帳票に、中身のわからないまま、後追いで
記入するだけのむなしい日々が続きます



他社の文書を丸写し

 自分で書いただけ上よりましだけれど、結果は一緒。事務所の職員が、
他社の規定を元に作文しても、とても現場では使えない。
 特に、中小企業が大企業の文書を真似した写したケースでは、5センチ
以上の厚さの規定文書を抱えて、身動きが取れない。
 もちろん、記録も不要なものをいっぱい作っていて、現場も事務所も毎晩
仕事が終わってから記録作り。



大企業出身のスタッフが重厚なシステムを構築

 大企業でISOを経験したスタッフが、転職したり、出向してきたりで中小企
業にやってきて、大企業の経験を生かしたシステム作りを行う。やっぱり、
規定文書は5センチ以上。
 社員は1つの事務所の中にいるのに、連絡は書類で行うこと。仕事はテキ
パキ進んでいるのに、手順を文書化し、逐一記録を残しなさい。
「ISOを始めたので、今までのように即日出荷はできなくなりました」



現場を知らない事務員さんに全ておまかせ

 社長は全くやる気がなく、若い事務員さんや学卒の新入社員にすべてお
任せ。任された担当者はまじめで一生懸命に規定を作るのだけど、現場の
ことを知らないので、使える規定ができない。担当者は毎日残業して頑張る
が、だれも言うことを聞いてくれない。本当に可愛そう。
 そもそも、社長が担当者の人選をした時点で、本気で業務改革をする気
がないことが社員にばれているから、みんな本気で動かない。



理想の姿を文書化

 規定を作り始めると、あるべき論が噴出して、喧々諤々の議論が続く。
上層部は、大上段の正論を掲げて、理想が低いとおっしゃる。文書や記録は、
関係者が全員見なければいけないから、ハンコがズラリ。でも、規定ができ
たら、みんなの関心は一気に薄れ、ほどほどにしか守らない。
 このような、悪しき日本的センスは、ISOでは通用しません。できもしない
厳重な規定を抱えて、立ち往生することになります




前頁へ目次へ次頁へ

トップへ
戻る