らくらくISO9001講座


口語訳的ISOの読み方


第11回 不適合製品の管理の巻



      a) 検出された不適合を除去するための処置をとる。

(JIS Q 9001:2008 8.3 不適合製品の管理 より



口語訳ISO9001:2008

8.3 不良品の取扱い
   不良品の処分の方法には、次の4種類があります。(いくつかの方法をあ
  わせて実施する場合もあります)

 a) 合格品に変える
ISO9000によると、これに該当するのは手直しと再格付けです。
手直し(何らかの手を加えて合格品に作り変える)
これには、再加工、部品の交換、前の工程に戻して作り直す、悪い
部分を取り除く、全数選別で不良を除き合格ロットに変える、など
の方法があります。
再格付け(下級品の合格品として取り扱う)



 口語訳的ISOの読み方

 「発見された不適合を除去」なんて言われても、現実の仕事の中で何を指
すのか、よく分かりませんね。
 そこで、用語の定義(ISO9000)を見ると、
  「不適合の除去」「修正(correction)」であって、
  修正は、例えば「手直し(rework)」「再格付け(regrade)」であって、
  「手直し(rework)」「要求事項に適合させるためにとる処置」だとか
  ???

 同じような言葉がぐるぐる回っているばかりで、訳が分かりません。

 結論から言うと、このa)項は主に「rework(手直し)」の事を言っています
「再格付け」はめったにありません)。 ここで言う「手直し」とは、不良品や不
合格品に何らかの手を加えて合格品に直すことです。

機械の組立てで不良がでたら、
  部品を交換したり、組み直したり、接続をつなぎ直して、合格品に直します。
  これは、分かりやすい手直しですね。
塗装やメッキの不良では、
  一度剥がして、全部の工程をやり直す場合があります。でも、元の製品を
  廃棄しているわけじゃないから手直しです。
大量生産の製品に不良品が発見された場合には、
  該当ロットを「全数選別」して不良品を除くことがよくあります。個々の製品
  に手を加えていなくても、不合格ロットが合格ロットに変わってますから、こ
  れも手直しです。
食品、粉体、ペレット状の製品で、異物の混入や部分的な不良の場合
  その部分だけ取り除いて合格品に変える場合。これも、同じ理屈ですね。
化学薬品の製造ラインでは、
  純度が悪い不良品をラインの途中に再投入して、精製をやり直すことが
  あります。
液体の製品では、
  混ぜると性能が平均化するため、不良品を少しずつ合格品に混ぜ込んで、
  すべて合格品にする裏技もあります。

 不合格品を合格品に直すのにも、すいぶん、色々な方法がありますね。日本
語の「手直し」という言葉のイメージを超えるものもありますが、これらも全て
「rework(手直し)」です。



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