口語訳的ISOの読み方
「発見された不適合を除去」なんて言われても、現実の仕事の中で何を指
すのか、よく分かりませんね。
そこで、用語の定義(ISO9000)を見ると、
「不適合の除去」は「修正(correction)」であって、
修正は、例えば「手直し(rework)」と「再格付け(regrade)」であって、
「手直し(rework)」は「要求事項に適合させるためにとる処置」だとか
???
同じような言葉がぐるぐる回っているばかりで、訳が分かりません。
結論から言うと、このa)項は主に「rework(手直し)」の事を言っています
(「再格付け」はめったにありません)。 ここで言う「手直し」とは、不良品や不
合格品に何らかの手を加えて合格品に直すことです。
機械の組立てで不良がでたら、
部品を交換したり、組み直したり、接続をつなぎ直して、合格品に直します。
これは、分かりやすい手直しですね。
塗装やメッキの不良では、
一度剥がして、全部の工程をやり直す場合があります。でも、元の製品を
廃棄しているわけじゃないから手直しです。
大量生産の製品に不良品が発見された場合には、
該当ロットを「全数選別」して不良品を除くことがよくあります。個々の製品
に手を加えていなくても、不合格ロットが合格ロットに変わってますから、こ
れも手直しです。
食品、粉体、ペレット状の製品で、異物の混入や部分的な不良の場合、
その部分だけ取り除いて合格品に変える場合。これも、同じ理屈ですね。
化学薬品の製造ラインでは、
純度が悪い不良品をラインの途中に再投入して、精製をやり直すことが
あります。
液体の製品では、
混ぜると性能が平均化するため、不良品を少しずつ合格品に混ぜ込んで、
すべて合格品にする裏技もあります。
不合格品を合格品に直すのにも、すいぶん、色々な方法がありますね。日本
語の「手直し」という言葉のイメージを超えるものもありますが、これらも全て
「rework(手直し)」です。
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