らくらくISO9001講座


口語訳的ISOの読み方


第8回 購買プロセスの巻



供給者及び購買した製品に対する管理の方式及び程度は、
購買製品が、その後の製品実現のプロセス又は最終製品
に及ぼす影響に応じて定めなければならない。

JIS Q 9001:2008 7.4.1 購買プロセス より)



口語訳ISO9001:2008

7.4.1 購買の手続き
 会社は、購入する物品(あるいは外注する業務)の重要さによって、業者を管
理する方法や、受入検査の方法【管理の方式と程度】を変えてください。
 購入する物品や外注する業務の重要さは、その後の製造工程や、最終製品
の品質に、どの程度影響するかによって判断します。



 口語訳的ISOの読み方

 今回は購買の「管理の方式」の話しです。ここは、重要な項目なんだけど、ち
ゃんと実行していない会社が多いぞ。

 それじゃ、不適合だろうって? 

 そのはずだけど、審査機関もこの項目はきちんと審査しないことが多いんで
すよね。

 皆さんの会社では、どんな方法で取引業者(購買先・外注先)を評価していま
すか? 多くの会社は、「評価表」を使っていると思います。それはそれで良い
のですが、もしかして、一般の資材も外注先も、同じような「評価表」で評価して
いるんじゃないですか? 
 それでは、不適合の可能性が大です。なぜなら、ISO9001は購買(外注を含
む)の影響度に応じて、管理の仕方(管理の方式)を変えるように言っているか
らです。

 一般の資材。例えば、大手メーカーのカタログ製品で、品質は安定しているも
の。こんなのは、製造元の採点などしなくても即採用でいいです(という評価方
法にする)。

 一方、外注先。例えば、外注先が製造工程の後半を受け持っていて、製品の
最終仕上げも、外注先で行う場合。こんなケースでは、外注先の品質=製品の
品質です。しっかりとその実力を評価しなければいけないから、こっちは形式的
な採点表なんかじゃ、とても評価できません。
 もし、新しい外注先を選ぶんだったら、他社との取引き実績を調査し、訪問し
て現場を見て、見積りを取り、試作をさせ、社長の人柄も見て、経営状態も調
べて・・・と言ったことが必要でしょう。

えっ、やってる! 

 そりゃそうでしょうね。しっかりと調査しなければ、こわくて外注なんかできませ
ん。でも、それはQMSの外でやっていて、品質マニュアルに書いてあるのは形
だけの「評価表」。そんな会社がほとんどです。そろそろ、無駄な書類作りはや
めて、実態にあったシステムにしましょう。



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