らくらくISO9001講座


口語訳的ISOの読み方


第7回 設計・開発の巻 



  設計・開発からのアウトプットが、設計・開発へのインプットで与えられて
  いる要求事項を満たしていることを確実にするために、計画されたとおり
  に(7.3.1 参照)検証を実施しなければならない。

(JIS Q 9001:2008 7.3.5 設計・開発の検証 より)



口語訳ISO9001:2008

7.3.5 設計・開発の検証

 ◆ 会社は、設計・開発の検証を、計画に従って行ってください。
 ◆ 設計・開発の結果【設計・開発へのアウトプット】が、最初にリストアップし
   た項目(その中の必須条件)【設計・開発へのインプット】をクリアしている
   ことを確認してください。



口語訳的ISOの読み方

 「7.3設計・開発」は、ISO9001の中でも特にヘビーで難解な項目ですが、そ
の原理が分かれば、意外にシンプルで、もっともなことを言っています。

 設計の品質を保証するためには、何をすればよいか。それは、設計がちゃん
とできたかどうか、しっかりと中身の確認をすることです。そこでISO9001は、
3種類の確認をするように言っています。それが、レビュー(7.3.3)と、検証
(7.3.4)と、妥当性確認(7.3.5)です。そして、その中で最も重要なのが設計・
開発の検証です。

 ISO9001の言う設計・開発の検証とは、予定通りに設計ができたかどうか、
計画(インプット)出来上り(アウトプット)を比較してチェックすることです。

 このチェックを確実に行うためには、設計・開発を計画する時に、チェック項
目をしっかりと決めておくことが必要です。それが設計・開発のインプット(7.3.
2)です。
 では、インプットとしてどんな項目を挙げればよいのでしょう。7.3.2 設計・開
発のインプットには、必要な項目がa)〜d)で列挙されている・・・・・ように見え
ますが、全く内容がなく、実質は何にも決まっていません。その影響もあって、
インプットを、おざなりに数項目をあげるだけの会社が多いですね。これでは
チェックにはなりません。

 インプットは、チェックリストとして詳細に作りましょう。狙っている性能、やっ
ておくべき試験はもちろん、トラブルの原因になりそうな項目はできるだけ列挙
します。電気製品では、電気安全上の確認項目をリストアップします。製品の取
扱いや表示方法が法律で決まっている製品では、その内容を具体的に列挙し
ます。
 そして、設計が出来上ってきた時点(アウトプット)で、そのチェックリスト(
ンプット)をもとに確認(設計・開発の検証)をすれば、大切な部分が漏れない
という仕掛けです。



中小企業のためのワンポイントアドバイス

検証はなんとなく分かったけど、それではレビューは? 妥当性確認は? 
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