口語訳的ISOの読み方
「7.3設計・開発」は、ISO9001の中でも特にヘビーで難解な項目ですが、そ
の原理が分かれば、意外にシンプルで、もっともなことを言っています。
設計の品質を保証するためには、何をすればよいか。それは、設計がちゃん
とできたかどうか、しっかりと中身の確認をすることです。そこでISO9001は、
3種類の確認をするように言っています。それが、レビュー(7.3.3)と、検証
(7.3.4)と、妥当性確認(7.3.5)です。そして、その中で最も重要なのが設計・
開発の検証です。
ISO9001の言う設計・開発の検証とは、予定通りに設計ができたかどうか、
計画(インプット)と出来上り(アウトプット)を比較してチェックすることです。
このチェックを確実に行うためには、設計・開発を計画する時に、チェック項
目をしっかりと決めておくことが必要です。それが設計・開発のインプット(7.3.
2)です。
では、インプットとしてどんな項目を挙げればよいのでしょう。7.3.2 設計・開
発のインプットには、必要な項目がa)〜d)で列挙されている・・・・・ように見え
ますが、全く内容がなく、実質は何にも決まっていません。その影響もあって、
インプットを、おざなりに数項目をあげるだけの会社が多いですね。これでは
チェックにはなりません。
インプットは、チェックリストとして詳細に作りましょう。狙っている性能、やっ
ておくべき試験はもちろん、トラブルの原因になりそうな項目はできるだけ列挙
します。電気製品では、電気安全上の確認項目をリストアップします。製品の取
扱いや表示方法が法律で決まっている製品では、その内容を具体的に列挙し
ます。
そして、設計が出来上ってきた時点(アウトプット)で、そのチェックリスト(イ
ンプット)をもとに確認(設計・開発の検証)をすれば、大切な部分が漏れない
という仕掛けです。
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