らくらくISO9001講座


口語訳的ISOの読み方


第6回 製品要求事項のレビュー(受注・契約)の巻


 
組織は,製品に関連する要求事項をレビューしなければならない。このレビュ
ーは,組織が顧客に製品を提供ことに対するコミットメント(例 提案書の提出,
契約又は注文の受諾,契約又は注文への変更の受諾)をする前に実施しなけ
ればならない。

(JIS Q 9001:2008 7.2.2 製品に関連する要求事項のレビュー より)



口語訳ISO9001:2008

7.2.2 契約・受注

 会社は、顧客と製品の販売についての約束をする前に、その約束の内容に
問題がないかを確かめてください。
 ここでいう、顧客との約束には、次のようなものが含まれます。
 1) 納入仕様書、品質保証協定書、契約書などの基本的な約束 【契約】
 2) 受注 (品番、納期、数量、納入場所などの連絡) 【注文の受諾】
 3) 見積書、企画書、入札などの提出 【提案書の提出】
 4) これらの変更



口語訳的ISOの読み方

 ISO9001の主テーマの一つは、顧客との約束を守ることです。そのためには、
しっかり中身を確認してから約束をしましょう、というのが7.2.2項です。では、
「顧客との約束」とは何か。それが(  )の中に書かれています。

 まず「提案書」と言っているのは、「見積書」「企画書」「入札」などです。これら
は、確定した約束ではないのですが、決定後に「やっぱりできません」では顧客
が困ってしまいます。「見積書」などは、そのまま納入仕様書や工事仕様書の
代わりになることもあります。
 「契約」は、日本語の「契約」より広い意味で言っています。「契約書」と言うタ
イトルがついたものだけではなく、「納入仕様書」「図面」「品質保証協定書」「作
業指示書」など、製品や仕事の中身に関わる約束の全てです。営業マンが口
頭で約束したことも、ちゃんと記録しておきましょう。また、特定の顧客に当てた
ものではないのですが、「カタログ」や「料金表」もこれに準じます。
 「注文」は、いつ、どこに、何を、いくつ収めるかという日常的な注文。

 このように、顧客との約束は、いくつもの段階で成り立っています。その全体
を通して、または各々の局面で、次の事項を確認します。
 a) 製品や仕事の中身は決まっているか
 b) 前にした約束と変わったところはないか。顧客はそれを納得しているか。
 c) 約束は実行できるか(技術的に、価格的に、納期的に応じられるか)

 顧客と約束する際には、担当者を決めてa)〜c)を確認(レビュー)してから、
返答(コミットメント)をして下さい。そして、確認した記録を残しなさいというの
が、7.2.2項です。



中小企業のためのワンポイントアドバイス

製品要求事項のレビューで、一番危ないのが「納期」。
受注の際の納期判断について整理して見ましょう・・・・。
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