口語訳的ISOの読み方
ISO9001の主テーマの一つは、顧客との約束を守ることです。そのためには、
しっかり中身を確認してから約束をしましょう、というのが7.2.2項です。では、
「顧客との約束」とは何か。それが( )の中に書かれています。
まず「提案書」と言っているのは、「見積書」「企画書」「入札」などです。これら
は、確定した約束ではないのですが、決定後に「やっぱりできません」では顧客
が困ってしまいます。「見積書」などは、そのまま納入仕様書や工事仕様書の
代わりになることもあります。
「契約」は、日本語の「契約」より広い意味で言っています。「契約書」と言うタ
イトルがついたものだけではなく、「納入仕様書」「図面」「品質保証協定書」「作
業指示書」など、製品や仕事の中身に関わる約束の全てです。営業マンが口
頭で約束したことも、ちゃんと記録しておきましょう。また、特定の顧客に当てた
ものではないのですが、「カタログ」や「料金表」もこれに準じます。
「注文」は、いつ、どこに、何を、いくつ収めるかという日常的な注文。
このように、顧客との約束は、いくつもの段階で成り立っています。その全体
を通して、または各々の局面で、次の事項を確認します。
a) 製品や仕事の中身は決まっているか
b) 前にした約束と変わったところはないか。顧客はそれを納得しているか。
c) 約束は実行できるか(技術的に、価格的に、納期的に応じられるか)
顧客と約束する際には、担当者を決めてa)〜c)を確認(レビュー)してから、
返答(コミットメント)をして下さい。そして、確認した記録を残しなさいというの
が、7.2.2項です。
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