口語訳的ISOの読み方
皆さんの会社では、どんな「教育・訓練」をやっていますか。社内のスキルアッ
プ研修。外部の学会や講習会への参加。ISO登録前であればISOのお勉
強・・・・・・。確かに、それぞれ必要なのですが、大切なものが抜けています。
b)項の「教育・訓練」の原文は「Training」です(Educationは入ってません)。
座学での勉強(教育)ではなく、仕事を覚えさせる「訓練」のイメージです。
確かに、顧客の視点で見れば、座学もいいけど、まずは不良品を出さないよ
うにしっかり現場で訓練をしてほしいですよね。OJTってヤツです。しかし、OJT
は座学用の記録用紙には書きにくいので、「それはOJTでやってますから、記
録はありません」なんて平気で言う会社も多いですね(不適合だぞ)。
6.2.2項が言っている「訓練」を実例で説明すると、次のようなイメージです。
機械で製品を組み立てる現場に、新人の恩田君が入ってきます。彼には、早
く機械の操作方法を覚えてもらわなければいけませんね。これがa)で言う「必
要な力量」(=機械が操作できる)です。そこで、しばらくベテランの中尾さんと
一緒に仕事をさせて、操作を覚えさせます。つまりOJT、b)の「必要な力量が
持てるように訓練」です。
1ヶ月月ほどしたら、現場に杉本課長がやって来て中尾さんに尋ねます。「恩
田君は、そろそろ1人でできるかな」「ええ、もう大丈夫です。しっかり覚えまし
た」。これがc)の訓練の有効性(結果)の評価。「じゃあ、来週からローテーショ
ンに組み込んでいいよ」と、課長が力量を認定して、6.2.1項の「要員は訓練を
根拠として力量があること」が実現されます。
どうです。ISOに関係なく、どこの現場でもやっていることですよね。
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