らくらくISO9001講座


  
ISO14001
2015年版

灰字は、JISが用いている用語
青字は、本文にない、この口語訳独自の補足

監視
(改訂 2016.08.13)



9章 活動の結果を確かめる
 9.1 活動の結果の確認、その分析や評価
 9.2 内部監査
 9.3 マネジメントレビュー

10章 全体の仕組み
 10.1 改善の目的
 10.2 発生した問題の処理と再発防止【是正処置】
 10.3 改善を続ける



  9章 活動の結果を確かめる


 9.1 活動の結果の確認、その分析や評価

 9.1.1 確認・分析・評価の方法を決める

   環境の管理及び改善の結果を、チェック(確認)すること。必要な場合には、それを分析し、評価す
  ること。
   そのために、次のことを決めること。
  a) 何をチェックするのか
  b) チェックする方法。分析・評価の方法。
  c) 何によって良し悪しを判断するか(指標)。良し悪しを判断する基準。
  d) チェックを行うタイミング
  e) チェックした結果の、分析や評価を行うタイミング


  ◆測定機器の管理
測定の精度が必要な場合には,校正または検証された測定機器を使用すること。
これらの測定機器を、適切に管理すること。
  
  ◆それぞれの仕事が、結果に結びついているかどうかに着目すること。

  ◆環境の管理及び改善の結果について、必要な報告や情報の提供を行うこと(社内と社外の両方)。
    これは、7.4で定めたものと、法律や外部との約束で決めている物について行うこと。

  ◆チェック・分析・評価の結果を記録すること。

    

  
 9.1.2 法律や約束を守っているか

   法律や外部との約束で決めたことを守っていることを確かめるために、評価や測定を行うこと。

   評価や測定のためのルールを決めること。このルールは、必要に応じて変更すること。
  a) 評価・測定をする頻度を決めること。
  b) 評価・測定の結果、何らかの対応が必要になった場合には、適切に行うこと(例えば、基準に
    はずれている場合)。
  c) 会社が法律や外部との約束を守っていることを(守れていない場合も)、把握していること。その
   ために、適切な確認、評価、測定を行うこと。

  評価や測定を行った記録を残すこと。

   


 9.2 内部監査

 9.2.1 内部監査の目的

   定期的に、内部監査を実施すること。

   内部監査では、次のことを調べること。
   a) ルールを守っているか
     1) 会社が決めたルール
     2) ISO14001のルール
   b) 仕組みが上手く機能して、良い結果が出ているか。


  9.2.2 内部監査の実施

   内部監査を次のように進めること。

   内部監査の長期計画(年間計画など)【監査プログラム】を決めること。そこで、次の内容を決める
   こと。
    @実施回数  A実施方法  B責任者  C個々の監査の計画  D報告の方法

   この計画を決める時は、次の点を反映させること。
    @ 個々の仕事の環境上の重要さ
    A 仕事の内容、設備、担当者などが変わった部分 
    B 今までの内部監査の結果

   a) 各監査について、監査基準(監査の元になるルール)決めること。
     監査範囲(監査の対象の部門・製品・場所・仕事)を決めること。
   b) 監査は、特定の立場に影響されず、公平に行うこと。そのような立場で監査ができる監査員を
     選ぶこと。
   c) 監査の結果を、関係する管理職に報告すること。

   実施した監査の内容と監査の結果を記録に残すこと。

    


 9.3 マネジメントレビュー

  ◆マネジメントレビューの実施
     経営者は、定期的にマネジメントレビューを行うこと。
     マネジメントレビューによって、環境の管理及び改善の仕組みがうまく機能して、良い結果が
    出るように仕向けること。

  ◆マネジメントレビューで取上げる事項
     マネジメントレビューでは、次の中で必要なものを経営者に報告すること。
    a) 前回までのマネジメントレビューで指示された課題の進み具合
    b) 次の事項の変化
 1) 環境に関連する経営環境の変化(4.1でまとめたもの)
 2) 法律や外部と約束の変化
   利害関係者の要求や期待の変化(4.2でまとめたもの)
 3) リストアップした《環境に影響する物や活動》(影響が大きいもの)の変化(6.1.2でまとめたもの)
 4) リスクや機会の変化(6.1.1でまとめたもの)
    c) 環境目標の活動の結果
    d) 仕事の結果。
 1) 問題【不適合】の発生があるか。行った再発防止のための対策【是正処置】
 2) 環境の管理及び改善について、チェックした結果
 3) 法律や外部と約束を守っている。
 4) 内部監査・外部からの監査の結果
 5) 購買品・外注品(または購買・外注したサービス)の品質
    e) スタッフ、建物、設備などは適切か
    f) 発生した苦情。その他の、内部、外部からの環境に関わる情報。
    g) 改善すべきこと

  ◆マネジメントレビューでの指示事項
    経営者は、マネジメントレビューで次の点を決めること。
    @ 環境の管理・改善の仕組みが機能して、良い結果が出ているかについて、判断した結果。
    A 環境改善の取組みの実施の決定
    B 仕組の変更の指示。スタッフ・建物や設備・必要な予算などの変更の指示。
    C 環境目標が達成できていない場合の対策
    D ISO14001に基づく仕組みを、会社の経営の一部として機能させるための指示。
    E 経営戦略についての意思表明

  ◆マネジメントレビューの結果を記録として残すこと。

       



  10章 仕組の改善


 10.1 改善の目的

    9.1(活動結果のチェック・分析・評価)、9.2(内部監査)、9.3(マネジメントレビュー)を通じて、改善
   が必要な項目を決めること。環境を管理し改善するために、必要な活動内容を決め、実行すること。

    


 10.2 発生した問題の処理と再発防止【是正処置】

  ◆再発防止の流れ
環境汚染の発生、環境に影響する事故、法令違反、ルール違反など【不適合】が発生した時は、
次のように対応すること(環境目標の未達成も不適合とすることがある)。
a) 当面の事態を解決すること
  1) 現状を適切な状態に改めること【修正】。問題が放置されることがないように管理すること。
  2) 判明した問題の影響で別の問題が起こっている時は、その処理を行うこと。
    必要な場合には、環境への被害を小さくするための対策を行うこと。
b) 発生した問題を調査し、再発防止対策をすること。【是正処置】
  1) 実際に何が起こったのか、事実を確かめる。
  2) 問題が起こった原因を明らかにする。
  3) 同じ問題が周囲で起こっていないか、また起こる可能性はないかを確かめる(水平展開)。
c) 再発を防止するために、問題の発生原因を除くこと。
d) 対策によって、問題が解決したことを確かめること。
e) 対策として、必要な時には、仕組みの変更を行うこと。

再発防止対策は、発生した問題の重大さに見合ったものとすること。

  ◆再発防止対策の記録
@ 発生した問題の内容を記録すること。行った全ての対策について記録すること。
A 行った再発防止対策の内容と結果を記録すること。

    


 10.3 改善を続ける

    環境の管理及び改善の仕組み【品質マネジメントシステム】がうまく機能して、改善の結果が
   出るように、常に改善をすること。

    


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