らくらくISO9001講座


口語訳 ISO13485:2003

8. 仕事の評価と改善活動
 8.1 8章のまとめ
 8.2 仕事の評価
 8.3 不良品の取扱い
 8.4 データの分析
 8.5 改善活動

改訂 2014.12.10

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宇野 通 編  

本記事のタイトルは口語訳ですが、内容は翻訳ではなく解釈の1例です
規格への適合性は原文や対訳版で判断して下さい


8章 仕事の評価と改善活動



8.1 8章のまとめ

◆会社は、仕事の評価と改善活動を計画的に行うこと。
 これによって、次のことを実現する。
  a) 製品(またはサービス)の品質を証明する
  b) 会社の仕組みをISO13485に適合させる
  c) 常に良い結果が出るように、必要な改善をする。

◆仕事の評価と改善活動のために、適切な手法(いわゆるQC手法など)があれば使うこと。必要に応じ
 て、統計的手法を使うこと。これらの使い方について決めること。

参考 法令により、統計的手法の利用及び実施について求める場合がある。また、その実施方法を決め、
    文書に定めることを求める場合がある。【文書化された手順】



8.2 仕事の評価

8.2.1 顧客との約束を守っているか【フィードバック】
◆会社は、品質に関わる仕組みがうまく行っていることを確かめる方法の一つとして、顧客との約束を守
 っているかを調査すること。その調査の方法と、調査結果の生かし方について決めること。

                                                 <文書化された手順>
◆会社は、顧客、医療現場、学会などからの情報を得て、行動を起こすためのルールを決め、文書で定
 めること。【文書化された手順】これによって、品質問題を早い時点で察知し、是正・予防処置(8.5.2
 8.5.3)を行うこと。

◆法律で、製造あるいは出荷後の情報(クレーム、事故など)を集めることを義務付けていることがある。
 この場合は、情報を集めて内容を確かめる方法を、上の文書に含めること。



8.2.2 内部監査
◆内部監査の目的
  会社は、定期的に内部監査を行い、品質に関する仕組みがうまく機能していること確かめること。
  内部監査では、次の点を調査すること。
   a) 会社のルール及び実施計画(7.1で定めるもの)に沿って、仕事をしているか。
   b) それが良い結果(製品の品質、仕事の質)に結びついているか

◆内部監査の計画【監査プログラム】
  会社は、監査の計画を作り、監査の基準(規格・社内規定・法令など)、範囲(部門・現場)、頻度(部
  門や現場ごとの実施回数)及び方法(部門毎か現場毎かなど)を決めること。内部監査は、全ての部
  門や業務を同じレベルで行うのではなく、対象となる部門及び業務の重要性や、今までの監査の結
  果を考慮して、ウェート付けを行うこと。
  監査の内容や、担当する監査員は、受ける側が有利になるような決め方をしないこと。監査員が、自
  分の仕事の監査を担当しないように計画すること(部門は同じでも、現場が違えば良い)。

◆内部監査のルールの文書化                        <文書化された手順><記録>
  以下のルールについて定め、定めた内容を記した文書【文書化された手順】を作ること。
   ・内部監査の計画の方法   
   ・内部監査の実施の手順  
   ・内部監査の結果の報告の方法、
   ・どのような記録を残すか(4.2.4の対象)  
   ・これらの管理の責任者

◆不適合の是正
  内部監査で不適合が発見されたら、監査を受けた部門の責任者は、ただちに、見つかった不適合を
  修正し、再発防止の対策(不適合の原因の除去)を行うこと。取られた対策の結果を確認し、内部監
  査の報告に含めること(8.5.2是正処置に該当する)。

参考 監査に関わるISO規格(参考)
  監査(外部監査、内部監査共通)の方法について定めたISO規格として、ISO19011があるので、参考
  にすること。



8.2.3 仕事の監視
会社は、各々の仕事(仕事の単位・プロセス)が予定通りに進むように監視(あるいは監督)すること。
監視は、仕事の進捗具合を管理するために、適切な方法で行うこと。
計画通りに行かない事が判明したら、適切な対策及び是正処置(再発防止)を行うこと。



8.2.4 検査・試験
8.2.4.1 検査・試験(全ての医療機器に共通のルール)

◆検査・品質の確認                                    <文書化された手順>
  会社は、製品の検査を行い、製品が決めた通りの品質であることを確かめること【監視及び測定】。
  検査は、7.1で決めた製品の管理基準【製品実現の計画】と、7.5.1.1で指定した社内規定【文書化さ
  れた手順】に従って行うこと。

◆記録                                                      <記録>
  製品が、検査基準または判定基準に合格していたという証拠を、記録として残すこと。また、合否を
  決めた人(次工程または出荷手続に送ること【リリース】を許可した人)の名前を記録に残すこと
  (4.2.4に従って管理すること)

◆出荷許可
  決められた検査(7.1で決めた製品の管理基準による)に合格するまで、製品を出荷(サービスを提供)
  しないこと。
8.2.4.2 検査・試験(能動埋め込み/埋め込み医療機器の特別ルール)

 能動埋め込み医療機器、埋め込み医療機器の全ての検査や試験について、誰が実施したかを記録に
 残すこと。(4.2.4に従って管理すること)

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8.3 不良品の取扱い

◆基本事項
  ・会社は、不良品【不適合製品】が出たら、間違って使ったり出荷しないように、確実に処理すること。
   ここでいう不良品には、最終製品の他、中間製品、部品、材料なども含まれる。これらの不良品
   は、場所の区分、表示などにより、良品と区別がつくように保管【識別】すること。

◆不良品の管理のルール                                 <文書化された手順>
  不良品の管理のルールを決め、文書で定めること【文書化された手順】。その中で次の点を定めるこ
  と。
   ・処理をするまでの管理方法
   ・不良品の状況を確認する責任者【責任】
   ・不良品の処理方法について決める人【権限】
   ・不良品の処理を行う責任者【責任】

◆不良品の処理方法
  会社は、次の方法のどれかで、不良品を処理すること。

 a)修正
   修正をして合格品にする【不適合の除去】。例えば次のような方法を言う。(ISO9000:2000 3.6.6
   〜3.6.8)
    ・手直し、再加工、工程戻しなどにより合格品に作り変える【手直し】
    ・全数選別、不良部分のカットなどで、不良を取り除いて合格品にする【手直し】
    ・等級を落として、下級の製品(の合格品)にする【再格付け】

 b)特別採用                                                 <記録>
   特別に許可をして使用または出荷をする。あるいは、特別に許可をして合格品と判定する。ただし、
   特別に許可できるのは、法令で定められた基準を満たしている場合だけだ。
   特別採用した時は、誰が許可をしたかを記録すること(4.2.4に従って管理すること)。
   修理して(合格品まで直らないけども)使える状態にして、使用または出荷する場合【修理】もこれ
   に該当する(ISO9000:2000 3.6.9)

 c)処分
   間違って使用または出荷することがないように処分する(廃棄、つぶしてリサイクルなど。購買品な
   らば返品)
   
◆不良品の処理の記録                                           <記録>
  次の記録を残すこと(4.2.4に従って管理すること)
   ・不良品の状態(不良の内容)を調べた記録
   ・不良品の処理をした記録
   ・特別採用を行った記録(誰が許可をしたかが分かるように記録すること)。

◆手直しの作業マニュアル                            <作業指示書><文書>
  手直しを行う場合は、その実施方法を、作業マニュアル【作業指示書】で定めること。この作業マニュ
  アルは、正常な工程のための作業マニュアルと、同じ手続きで承認すること
  この作業マニュアルを作る際には、「手直しが製品にどのような悪影響を及ぼすか」を調査し、その結
  果をいずれかの文書に残すこと。
  以上の作業マニュアルや文書は、4.2.3に従い版の管理を行うこと。また、7.5.1に従い、作業者が使
  えるようにすること。

◆再検査
  不良品の手直しや修理を行ったら、再検査(または、その他の方法による確認)をすること。

◆引渡し後または使用後に分かった不良品
  ・顧客に製品を渡した後で不良品であることがわかった場合には、適切な処置(回収、修理、交換、
   場合によっては医療上の処置の要請など)をすること。
  ・原料や部品を使用した後で、それが不良品であることがわかった場合には、その影響を調べ、適切
   な処置をすること。   
  ・これらの処置は、不良品が原因で起こる問題の重大さを考えて、適切なものとすること。



8.4 データの分析

◆会社は、次の目的のために、適切なデータを集めて分析してください。
  ・品質に関わる仕事の仕組み(品質マネジメントシステム)がうまく動いていて、良い結果が出ている
   ことを証明する。
  ・常に良い結果が出るように、仕組みが改善されていることを確かめる【有効性の改善】

◆データ分析のルールを決め、文書で定めること。【文書化された手順】      <文書化された手順>

◆分析するデータには、検査や監視(8.2.1〜8.2.4)の結果から得たものと、その他の活動から集めたも
 のを含めること。

◆特に、次の項目についてデータを分析し、分析結果をまとめること。
  a)製品に対する顧客からの反響(顧客との約束を守っているか)(8.2.1で調査するもの)
  b)製品の品質/検査の合否(7.2.1でまとめた製品の仕様とも結び付けて考えること)
  c)製品品質の傾向やばらつき/製造工程【プロセス】の傾向やばらつき(この分析結果を、予防処
    置のきっかけにすると良い)
  d)購入品の品質(外注工程を含む)/取引業者の評価の結果

◆データ分析の結果を記録として残すこと(4.2.4に従って管理すること)                <記録>

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8.5 改善活動

8.5.1 仕事のやり方を改良すること
◆改善活動
  会社は、常に良い結果が出るように、仕事のやり方を適宜改良すること。そのために次の活動を活
  用する。
   ・品質方針
   ・品質目標
   ・外部監査と内部監査
   ・データの分析
   ・是正処置
   ・予防処置
   ・マネジメントレビュー

◆通知書の発行                                      <文書化された手順>
  会社は、必要な場合には、顧客に対して通知書を発行すること。通知書がいつでも発行できるよう
  に、ルールを決めて、文書で定めること。【文書化された手順】

◆顧客クレームの調査                                           <記録>
  すべての顧客クレームについて、調査結果を記録に残すこと。(4.2.4に従って管理すること)
  調査の結果、アウトソース先や取引先に原因(原因の全てまたは一部)があることが分かった時は、
  関係する会社の間で、適切に情報交換を行うこと。

◆是正・予防処置を行わない場合                                    <記録>
  顧客クレームについて、再発防止対策(是正処置)と予防処置のいずれも行わない場合には、決め
  ておいた責任者が承認をすること。処置を行わない理由と、承認の結果を記録に残すこと。

◆行政機関への報告                                   <文書化された手順>
  顧客クレームや発生した不具合について行政機関に報告することが、法令で決まっている場合には、
  誰がどのように報告するかについて、ルールを決め、文書で定めること。【文書化された手順



8.5.2 是正処置(再発防止)
◆会社は、起こった不具合(不良品、クレーム、仕事の仕組みの不整合など)【不適合】について、原因
 をつぶし、2度と同じことが起こらないように対策をすること。

◆顧客クレームは、ここで言う不具合に含まれる

◆その対策の内容は、問題の重要さに対して、バランスの取れたものにすること。
                                            <文書化された手順><記録>
◆是正処置のルールを決めて、文書で定めること。【文書化された手順】
  ルールの中で、次のやり方について決め、これらを実行すること。
   a)不具合の内容(何が起こったのか)をはっきりさせる
   b)不具合の原因を調べて、突き止める
   c)原因を除き、再発防止をするために、どのような対策が必要かを判断する
   d)対策の内容を決める/対策を行う。対策を確実に実施するために必要な場合には、手順書や
     作業指示書などの文書を改訂する(文書は4.2に従って管理すること)
   e)行った全ての調査、対策の内容、結果を記録する(4.2.4に従って管理すること)
   f)a)〜e)に沿って対策が行われ、本当に再発防止ができたことを確認する



8.5.3 予防処置(未然防止)
◆会社は、(今のところ起こっていないが)今後に起こるかもしれない不具合【不適合】を予想し、原因を
 つぶし、実際に起こらないように対策をすること。

◆その対策の内容は、問題の重要さに対して、バランスの取れたものにすること。
                                            <文書化された手順><記録>
◆予防処置のルールを決めて、文書で定めること。【文書化された手順】
  ルールの中で、次のやり方について決め、これらを実行すること。
   a)不具合の内容(何が起こりそうなのか)をはっきりさせ、その不具合が起こる原因を見極める
   b)原因を除き、未然防止をするために、どのような対策が必要かを判断する
   c)対策の内容を決める/対策を行う
   d)行った全ての調査、対策の内容、結果を記録する(4.2.4に従って管理すること)
   e) a)〜d)に沿って対策が行われ、本当に未然防止ができたことを確認する

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