らくらくISO9001講座


口語訳 ISO13485:2016

8章. 仕事の評価と改善活動
 8.1 8章のまとめ
 8.2 仕事の評価
 8.3 不良品の取扱い
 8.4 データの分析

赤字  ISO13485:2003及びISO9001:2015 にない決まり 
紫字  ISO9001:2015 にない決まり
緑字  この口語訳の追加説明

改訂 2017.08.05
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本記事のタイトルは口語訳ですが、内容は翻訳ではなく解釈の1例です
規格への適合性は原文や対訳版で判断して下さい
 





8章 仕事の評価と改善活動

8.1 8章のまとめ


  ◆ 仕事の評価と改善活動を計画的に行うこと。
これによって、次のことを実現する。
a) 製品(またはサービス)の品質を証明する
b) 会社の仕組みをISO9001に適合させる
c) 常によい結果が出るように、仕事のやり方を必要に応じて改善する。

  ◆ 仕事の評価と改善活動のために、適切な手法(いわゆるQC手法など)があれば使うこと。必要に
    応じて、統計的手法を使うこと。



8.2 仕事の評価

【文書】 
 8.2.1 市販後に入手する情報

  ◆ 顧客や市場から情報を集めて、「顧客の期待通りの製品を提供できているか」を調査すること。
    その調査の方法と、調査結果の生かし方を決めること。
    これは、品質に関わる仕組みがうまく行っていることを確かめる指標の一つである。

  ◆ 会社は、発売後の製品について、情報を集めるためのルールを決めて、文書で定めること。
    顧客、その他の社外(行政、業界、他社、学術情報など)からの情報を入手すること。また、製造
    工程のデータを分析して情報を得ること。

  ◆ このようにして得た情報を、製造管理、開発、品質管理などに生かすこと。また、必要に応じて、
    是正処置、予防処置などの改善を行うこと。
    また、これらの情報を基にリスクマネジメントを行うこと(ISO14971が定める、製造中及び製造後
    の情報の基づくリスクマネジメント)

  ◆ 法律で、製造あるいは出荷後の安全情報(副作用、医療機器の機能、効能など)を集めることを
    義務付けていることが多い。この場合は、その情報収集の方法を、上記のルールに織り込むこと。


【文書】 
 8.2.2 苦情(顧客クレーム)

  ◆ 苦情(顧客クレーム)を受付け、処理をするためのルールを決めること。各国の法律が、その
    ルールの文書化(手順書等の作成)を定めているので、これに従うこと。

  ◆ 苦情処理のルールでは、以下の方法と、それぞれの責任者を決めること。
a) クレーム情報の受付けと、その記録の方法
b) 外部から得た情報(8.2.1で入手したもの)が、苦情に該当しないかを判断するためのルール
  と、その責任者
c) 苦情の内容を調査をするためのルール
d) 行政に届け出る必要があるかどうか、判断する手続きとその責任者
e) 苦情を起こした製品の処置方法を決めて、それを実施するためのルールとその責任者
f) 製品の手直し【修正】や再発防止対策【是正処置】が必要かどうかを判断して、実施する
  ためのルールとその責任者
【記録】 【記録】 
  ◆ 顧客クレームについて、対策(原因調査)を行わない場合は、対策を行わない理由を記録
    すること。顧客クレームへの対策として、製品の手直し【修正】や再発防止対策【是正処置】を
    行った場合は、記録に残すこと。

  ◆ 調査の結果、アウトソース先や取引先に原因(原因の全てまたは一部)があることが分かった
    時は、関係する会社の間で、適切に情報交換を行うこと。
【記録】 
  ◆ 苦情の調査と、その対策の結果を記録に残すこと(4.2.5に従って管理すること)。


【文書】 【記録】 
 8.2.3 行政機関への報告

法令で、発生した問題(顧客クレーム、製品の不具合、通知書の発行)を行政機関に報告する
ことが、義務付けられている場合には、誰がどのように報告するかについて、ルールを決め、
文書で定めること。
報告した内容は、記録に残すこと



 8.2.4 内部監査

  ◆内部監査の目的
定期的に内部監査を行い、品質に関する仕組みがうまく機能していること確かめること。内部
監査では、次の点を調査すること。
a) @ 製品の品番ごとの検査基準、製造や管理の基準を守っているか (7.1で決めたもの)。
  A ISO13485のルールを守っているか。 
  B その他の、自社で決めたルールを守っているか。
  C 法律を守っているか。
b) それが良い結果(製品の品質、仕事の質)に結びついているか
【文書】 
  ◆内部監査のルールの文書化
以下のルールについて決めること。これを文書で定めること。
* 内部監査の計画の方法   
* 内部監査の実施の手順   
* 内部監査の結果の報告の仕方
* どのような記録を残すか  
* これらの管理の責任者
【記録】 
  ◆内部監査の計画 【監査プログラム】
* 監査の年間計画を作ること。
* その中で、監査の基準(規格・社内規定・法令など)、範囲(部門・現場)、頻度(部門ごとの
  実施回数)、調査の方法、を決めること。
* 内部監査は、全ての部門や業務を同じレベルで行うのではなく、対象となる部門及び業務
  の重要性や、今までの監査の結果を考慮して、ウェート付けを行うこと。
* 監査の記録には、監査の基準,範囲,頻度、実施方法を記録する。(4.2.5に従って管理する
  こと)
* 監査の内容や、担当する監査員は、受ける側が有利になるような決め方をしないこと。
  監査員が、自分の仕事の監査を担当しないように計画すること。
【記録】 
  ◆記録
内部監査の結果の記録を作ること。部門及び業務の重要性をどのように判断したかについても
記載すること。

  ◆不適合の是正
内部監査で不適合が発見されたら、監査を受けた部門の責任者は、ただちに、見つかった
不適合の状態を正しく改めること。
加えて、再発防止の対策(不適合の原因の除去)を行うこと。
取られた対策の結果を確認し、内部監査の報告に含めること。

  <補足説明>  
監査の参考書とてISO19011(JIS Q 19011 マネジメントシステム監査のための指針)がある。



 8.2.5 仕事の監視

  ◆ 各々の仕事(仕事の単位・プロセス)が予定通りに進むように監視(あるいは監督)すること。
  ◆ 監視は、仕事の進捗具合を管理するために、適切な方法で行うこと。

  ◆ 計画通りに行かない事が判明したら、適切な対策を行うこと。また、必要な場合には、再発防止
    (是正処置)を行うこと。



 8.2.6 検査・試験
【文書】 
  ◆検査・品質の確認
製品の検査を行い、決めた通りの品質であることを確かめること。【監視及び測定】
文書で決めた検査基準【取決め】や社内規定【文書化した手順】に従って行うこと。検査は、
正しいタイミングで行うこと。
【記録】 【記録】 
  ◆記録
製品の合否を記録すること。また、検査結果を承認した人が分かるように記録をすること(名前
を記すか、他の方法で誰か分かるようにする)。
【記録】 
  ◆使用した測定機器の記録
その検査に使用した測定機器・検査機器が特定できるように記録をすること。

  ◆出荷許可
文書で決めた検査に合格するまで、製品を出荷(サービスを提供)しないこと。
【記録】 
  ◆埋め込み機器
埋め込み医療機器の全ての検査や試験について、誰が実施したかを記録に残すこと(4.2.5に
従って管理すること)。


8.3 不良品の取扱い


 8.3.1 不良品の管理と処理

  ◆ 不良品【不適合製品】を、確実に処理すること。ここでいう不良品には、最終製品の他、中間
    製品、部品、材料なども含まれる。

  ◆ 間違って使わないようにする
これらの不良品は、間違って使ったり出荷しないように、場所の区分、表示などにより、良品と
区別がつくように保管【識別】すること。
【文書】 
  ◆ 不良品の管理のルール
不良品の管理や処理をするためのルールを決めて、文書で定めること【文書化された手順】。
その中で次の点を決めること。
* 間違って使ったり出荷しないように区別する方法 【識別】
* 記録の方法 【文書化】
* 不良品を現場から撤去すること 【隔離】
* 不良品の状態を確かめること 【評価】
* 不良品をどのように処理するか(手直し、廃棄など) 【処理】
これらの方法を決める責任者と、実施する責任者を決めること。

  ◆ 不良品の調査/外部の会社との連絡
不良品の状態を確かめるために、必要な調査を行うこと。
外部の会社(外注先、購買先、流通業者など)が、不良品の発生に責任がある時は、その会社
と連絡を取って、適切な対応を行うこと。
【記録】 
  ◆ 記録
不良品の記録を作り、次のことを記すこと(4.2.5に従って管理すること)。
* 不良の種類 【性質】
* 不良品の状態(不良の内容)【評価】
* 不良品を調査した結果 【調査】
* 不良品の処理をした記録 【処理】
* その処理方法を決めた理由 【理由】



 8.3.2 社内で発見された不良品

  ◆ 不良品の処理v
社内(検査、製造工程、保管中、流通過程など)で発見された不良品は、次のいずれかの方法
で処理をすること。
a) 合格品に変える = 手直し・再格付け 【修正・不適合の除去】。
  次のような方法が、これに該当する
  * 再加工、工程戻しなどにより合格品に作り変える【手直し】
  * 全数選別、不良部分のカットなどで、不良を取り除いて合格品にする【手直し】
  * 等級を落として、下級の製品(の合格品)にする【再格付け】
b) 処分する。 (間違って使用または出荷することがないように、廃棄、つぶしてリサイクルなど
  を行う。購買品ならば返品する)
c) 特別採用する (特別に許可をして使用または出荷をする。あるいは、特別に許可をして
  合格品と判定する)

  ◆ 特別採用の管理
ただし、特別採用ができるのは、(社内基準には不合格だが)法律で承認されている製品の
基準を満たしている場合のみである。
この特別採用の許可に問題が無いことを、説明できなければならない。
許可をする場合は、決められた責任者が承認をすること。
必要な場合には顧客の承認を得ること。
特別採用をした時は、誰が許可をしたかを記録すること(4.2.5に従って管理すること)。



 8.3.3 出荷後または使用後に分かった不良品
【記録】 
  ◆製品の処置
顧客に出荷した後で、あるいは顧客で使用された後で、製品が不良品であることがわかった
時は、適切な対策をすること(回収、修理、交換、医療的な処置のお願いなど)。
これらの対策は、不良品が原因で起こる問題の重大さに合ったレベルで行うこと。
行った対策を、記録に残すこと(4.2.5に従って管理すること)。
【文書】 【記録】 
  ◆通知書(以前に販売した顧客や使用者に情報を伝える書面)
出荷後、または既に使用された製品について、後から不良が発覚した場合は(必要な場合に
は)、顧客に対して通知書を発行すること。これは、各国の法令に従って行うこと。
通知書をいつでも発行できるように、ルールを決めて、文書で定めること。通知書を発行したら、
その内容や、対策をした結果を記録に残すこと。



 8.3.4 手直し (不良品を、加工や作業を加えて合格品に作り変えること)

【文書】 
  ◆ 手直しの指示
* 手直しをする場合は、その作業方法を書面で指示すること(作業標準、作業指示書など)。
* 手直しをすることで、その製品の品質に悪い影響を与える可能性がないか、検討すること。
  もし、心配がある場合は、その対策を作業方法に盛り込むこと。
* この作業指示の文書(作業標準、作業指示書など)は、その工程の本来の作業標準を
  審査・承認した責任者が、同じように審査・承認すること。

  ◆ 再検査
手直しを行った製品は、改めて検査を行って、合否判定基準と法令で認められた基準に合って
いることを確認すること。
【記録】 
  ◆ 記録
手直しの結果を記録すること(作業内容、検査結果など)。



8.4 データの分析

【文書】 【記録】 

  ◆ 必要なデータを分析すること。品質に関する仕組みについて、以下の点を確かめること。
・ルールが実態と合っているか【適切】
・必要な内容が盛り込まれているか【妥当】
・良い結果が出ているか【有効】
  ◆ 収集するデータと、その分析方法を、文書で決めること。
    分析に、統計的手法が必要な場合には、その適用の方法について決めること。
  ◆ 分析するデータには、検査や監視(8.2.1〜8.2.4)の結果から得たものと、その他の活動から
    集めたものを含めること。

  ◆ 特に、次の項目についてデータを分析し、分析結果をまとめること。
a) 製品に対する顧客からの情報(安全情報、苦情など)(8.2.1で調査するもの)
b) 製品の品質(検査の合否、不良品の発生など)
c) 製品品質の傾向やばらつき/製造工程【プロセス】の傾向やばらつき(この分析結果を
  もとに改善活動を行うこと)
d) 購入品の受入検査の結果(外注工程を含む)/購買・外注先の評価の結果
e) 内部監査及び外部の監査の結果
f) 修理あるいは定期点検のデータ(製品不良につながる問題が無いか)

  ◆ データ分析の結果、品質に関わる仕組みの運用【適切性、妥当性、有効性】に問題があること
    が分かった時は、改善活動のきっかけとすること(8.5項に従って行うこと)。

  ◆ データ分析の結果を記録として残すこと(4.2.5に従って管理すること)。



8.5 改善活動


 8.5.1 仕事のやり方を改良すること

  会社は、常に良い結果が出るように、仕事のやり方を改善すること。そのために次の活動を活用
  すること。
   ・品質方針  ・品質目標  ・外部監査と内部監査  ・市販後の情報の収集
   ・データの分析  ・是正処置  ・予防処置  ・マネジメントレビュー


【文書】 【記録】 
 8.5.2 是正処置(再発防止)

  ◆ 会社は、起こった不具合(不良品、クレーム、仕組みの不整合など)について、2度と同じことが
    起こらないように対策をすること。のために、不具合の原因を取り除くこと。

  ◆ その対策の内容は、問題の重要さに対して、バランスの取れたものにすること。

  ◆ 是正処置のルールを決めて、文書で定めること。
    ルールの中で、次のやり方について決めること。
a) 不具合の内容(何が起こったのか)をはっきりさせること。
b) 不具合の原因を調べて、突き止めること。
c) 原因を除き、再発防止をするために、どのような対策が必要かを判断すること。
d) 対策の方法を決める。その方法は文書で指示すること。
  対策で決めたことを継続的に行うために、手順書や作業指示書などの文書を改訂すること。
e) 対策として仕組みや製造方法の変更を行った場合に、そのことで、法律に合わなく
  なったり、製品の安全性や機能に悪い影響がないかを確かめること。
f) a)〜e)に沿って対策が行われ、本当に再発防止ができたことを確認すること。
  行った全ての調査、対策の内容、結果を記録すること(4.2.5に従って管理すること)。


【文書】 【記録】 
 8.5.3 予防処置(未然防止)

  ◆ 会社は、(今のところ起こっていないが)今後に起こるかもしれない不具合【不適合】を予想し、
    実際に起こらないように対策をすること。
    そのために、不具合の原因を取り除くこと。

  ◆ その対策の内容は、問題の重要さに対して、バランスの取れたものにすること。

  ◆ 予防処置のルールを決めて、文書で定めること。【文書化された手順】
    ルールの中で、次のやり方について決めて、実行すること。
a) 不具合の内容(何が起こりそうなのか)をはっきりさせ、その不具合が起こる原因を見極める
  こと
b) 原因を除き、未然防止をするために、どのような対策が必要かを判断すること。
c) 対策の方法を決める。その方法は文書で指示すること。
  対策で決めたことを継続的に行うために、手順書や作業指示書などの文書を改訂すること。
d) 対策として仕組みや製造方法の変更を行った場合には、そのことで、法律に合わなくなった
  り、製品の安全性や機能に悪い影響が起こらないかを確かめること。
e) a)〜d)に沿って対策が行われ、本当に未然防止ができたことを確認すること。
  行った原因調査、対策の内容、対策の結果をすべて記録すること(4.2.5に従って管理する
  こと)。




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