古い絵日記21
5月 12日

植物園でスケッチをしていたら、小学校5年生くらいの子供たちがまわりに集まってきました。その中の一人のつぶやいた言葉に私は驚きました。

「へぇ、大人ってやっぱりすごいんだ。」

 

こんなことを小さな子供の口から言わせるような社会であっていいはずがありません。

社会的弱者にすぎない私の絵程度のものが、その子にとって初めて「大人の技量」を感じたものであるなんて、悲しく寂しいことです。

 

折りしも、権力者たちは愛国心を教え込めだとか、道徳に点数をつけろだとか、親を教育しろ、とか義務のボランティア(意味が間違ってる)

必修にしろとか、まるで自分たちは優れたエリートで「馬鹿な国民を再教育してやる」みたいな勢いですが、

上っ面な口先だけの言葉ではなくて、小さなことでも己の行動で自然と尊敬を得ることのできる人たちは(この子のまわりや地位の高い人の中に)

いないのでしょうか。

 

強そうな相手(アメリカ)にはペコペコし、弱そうな相手(北朝鮮)には傲慢な態度になったり、自分に甘く他人に厳しい、口先ばかりの大人たちの姿勢を、

子供たちはよく観察しているのだと思います。

 

こうしたことについて同じような題名の2冊の本を読んでみました。「なぜ日本人は劣化したか」(香山リカ:著)は、多面的な情報を集めて整理し、

客観的に現状分析をおこない、そこに専門の心理学的・哲学的判断を加えてあり、この問題について国家による管理の口実に利用される前に、

私たち自身で自己診断して解決方法を考えるヒントになるお薦めの本だと思います。

 

もう一冊の「なぜ日本人はかくも幼稚になったのか」(福田和也:著)は、問題提起に同意して読み始めましたが、斜め読みした後で本を破り捨てました。

多種多様な問題の解決を、国家主義の復活に還元するだけの思考停止した内容に唖然としました。この本に関わるのは金と時間の無駄です。

 

それにしても!政府は世論操作のためにメディアに圧力をかけまくってます。NHKのニュースなんて、すでにまるで大本営発表のようです。

この作戦で、国民投票の行方を操作しようという企みは露骨で、つくづく安倍内閣の人間性の汚さに嫌悪感を強くしています。

しかし、国民の支持がなければ、今の政治家なんて裸の王様なんです。日本の行方を担っているのは私たち国民の判断でありましょう!