9月23日

『創造性とは、本来、個々人の自主性とか生きがいとか意欲を尊重して、そこからスタートすべきものと考える。

そういうものが尊重されながら集団としてのパワーを盛り上げていくことこそが、創造的能力をもった組織のあり方だと、私は思っている。

(略)

この経験から痛感したことは、私たち日本人に創造的なアイディアがないのではなく、そうしたアイディアが出ても、周囲の人とか組織が

協力して育てることをしようとしないことである。(略)その意味でも私は、画一主義は親の敵ではないが、創造性の敵であると思っている。

(略)

私がいう個性とは、「自分の強い個性と共に、他人の強い個性をも認めること」である。どうしていま個性にこんなにこだわるかといえば、

個性があるから異質が生まれ、異質があるから別の新しい概念が生まれてくると考えるからだ。すなわち、個性なくば創造性は生まれないのである。』

(「創造力〜自然と技術の視点から : 西堀栄三郎 著 講談社 より)