9月10日

歴史的にみても、多様性を許容し内包できた社会は豊かな文化を育むことに成功して繁栄したようです。

スペインのトレドが繁栄したとき、カトリック教徒とユダヤ教徒とイスラム教徒が共生し、それぞれの特質を生かしてトレドの社会に富をもたらしていたそうです。

そうした富の絶頂期にあったトレドも、一部の勢力(カトリック)が富を独占しようとして、他の勢力を排除し始めると、

今まであった豊かな文化的創造力が失われて、衰退の一途をたどったそうです。

かつてアメリカは移民者におおらかで世界中から優秀な人材が集まったことが今の繁栄を支えていると思います。

しかし豊かな人々が利権を独占しようと保守勢力が増して、移民も制限がきつくなって優秀な人材も集まりにくくなっているのではないでしょうか。

国民自ら考えることを放棄し、「わかりやすさ」が受けて一方向に偏るばかりの世の中では、簡単な言葉では割り切れないあらゆるものが切り落とされて、

社会の文化の幅がやせ細ってゆき、許容度の低い頑なで薄っぺらい社会となって活力が失われ、孤立・衰退してゆくことを私は心配しています。