6月7日(号外)

知人に本を薦めていただきました。

(「靖国問題」 高橋哲也 ちくま新書)

靖国問題の本質に横たわる

国家権力というものの危険性を、秀逸な分析で

明確に描いています。

国家が民衆の感情面を操作して忠誠を促し、

自らの権力を強化する装置として、

宗教心(生死の意味づけ)を利用するという

指摘は、問題の本質を突いていると思います。

また、靖国問題と憲法改正問題が

リンクしていることもわかります。

こうして今も

日本政府(の一部)が平然と公僕の勤務時間を使って独善的に自己を正当化し、60年前の戦争を肯定する作業に精をだしていることに慄然とします。

かくして日本は、自らの姿を映す鏡を持つことも覗くこともなく、隣国(他者)の立場を考えられない存在と、国際社会からは認識されつつあるでしょう。

もし皆さんが60年前と同じように、国家という権力者の野望によって扇動・利用され、前線に送り込まれて不毛な殺し合いをさせられたり、

大切な人を失ったり、また、いつの間にか国際社会から孤立していることを望まないのであるなら、「読んで知っておかねばならない」と強くお薦めします。