†PCうそつき講座†

仮想マシンにWindows Meをインストールする

作成開始日 2018.10.09
最終更新日 2018.10.09

【結論】VMWareが最も優れていた

【経緯】新メインマシン(TomcatK7M/GeodeNX/SATA)にWindows Meをインストールしようとしたが、SSDがSATA接続のためかインストール不可能。ドライバ類を弄ろうかとも思ったが、Winマシン(Corei3-M380)の仮想化環境で動かす方が賢明ではないか?と考え、試してみた。以前Atom330マシン(VT非対応)で同様な実験をした事があるが、流石に性能的に厳しくて実用にはならなかった。しかし、今回は非常に快適に動作するWinMe環境を構築できた。VMWareでの使用感はネイティブのWinMe以上。

補足:一般論として、WinMeがSATA-SSDにインストールできない、と言うワケではなさそうだ。IDE互換モードならば問題なく動作可能という報告もある。が、少なくともウチのPCは不可能だった。そもそもK7MのSATA周りはかなり微妙。SATA2(3Gbps)のHDD/SSDは認識すらできない。時代的に言っても、まだまだIDEがメインの時代で、K7MでもIDEならば何の問題もなくWinMeがインストールできる。したがって、BIOS設定やドライバを弄るとか、或はIDEで作成したイメージをSATAで動かしてみるとか、可能性を考えればできることはいくらでもある。しかし、既にメイン業務に使用しているマシンでの実験はリスクが高すぎる。実際、OS/2の入っている環境でMS-DOSのFDISKを使用して、エライ目に遭った(パーティション・テーブルを壊されたorz)。実験をするなら、メイン環境を構築する前にすべきだった。

【実験環境】Endeavor ST150E(Corei3-M380/4GB/Win7Ult-64bit)
VMWare Workstation 15 player (2018/09)
Oracle VM VirtualBOX 5.2.18 (2018/08)
Windows Virtual PC 6.1(kb958559) (2011/02)

【ポイント】いずれの環境も、CD/DVD或はそのISOイメージからブートすることが基本。その使い方に於ては、いずれも非常に直感的に操作できる。しかし、WinMeはFDブートが基本。まずは、ここが大きな難関になる。また、これは以前も散々苦労したのだが、仮想マシンの発想自体に慣れるのに少々時間が掛かる。例えば、ブートの優先順位を変更する場合、設定ダイアログでハードウェア的な設定をした上で、仮想マシンのBIOS設定画面を立ちあげて変更する必要がある(VirtualBOXは少し違うが)。原則論としてはその通りだが、ユーザーの立場としては、設定は一元化して欲しいものだ。律義に仮想マシンのブート時に[DEL]とか[F2]とかを素早く押さないといけないとか、UIとしてどうよ?と言う気がする。設定ダイアログからBIOS設定ができても不整合は起きないと思うのだが…

【VirtualPC】非常にダメであった…。Microsoft純正だが、今回試した仮想マシンの中では最も古く、既に開発終了が宣言されたプロダクトであるため、そもそも性能的に厳しい。結果的にWinMeのインストールに成功したが、非常に大きな負荷が掛かっているようで、快適さにはほど遠い。が、それ以上に仕様的にどうよ?ってカンジが強い。
 まず、FDDをサポートしていない(@_@) ま、設定ファイルに直接FDD設定を追加すれば使えるようにはなるのだが、当然のことながら設定ダイアログからは一切弄れない。接続/切断/イメージの交換なども毎回設定ファイルの書き換えが必要になる。なお、FDD設定用のスクリプトを作成してくれた方がいるのだが(私も使用させて頂いた)、これがPoweShellだったりして、それはそれでちょいと面倒なのであった(^_^; ともあれ、ホストのFDDをそのまま使用するのであれば良いが、FDイメージファイルを使用する場合は、取り出し(切断)が非常に面倒になるわけで、現実的にはブート時に[DEL]を押して、BIOS設定でブート順を変更することになるだろう。
 さらに致命的なのは、ホストPCと同じサイズで全画面表示ができない。私は未だにXGA(1024x768)のディスプレイを愛用しているが、VPCでは、このサイズでの全画面表示ができない!全画面表示はSVGA(800x600)までである。流石にこれでは使えない…。この段階で設定のチューニングとかやる気が失せた。放棄。
付記:全画面表示のキー操作はCtrl+Alt+Pause
 も一つ最後にイチャモンを付けておくと、インストール直後のVirtualPCのフォルダが空と言うのは非常に不安である。外見が普通のフォルダとほとんど区別付かないから、最初はインストールに失敗したかと思った。せめてREADMEファイルくらい入れておけよ!
付記:起動時に高音の嫌なノイズが入る。ミキサーでVPCのホストをミュートしておくとよい。

【VirtualBOX】かなり良いできだが、完成度では今一歩。実は、最初にWinMeのインストールに成功したのがこれ。つまり、操作・設定が直感的で、一番とっつき易かった。設定ダイアログが詳細でファミリアルである点は、非常に高く評価している(但し、逆にBIOSに入れない;以前は反射神経次第で入れたようだが、現行バージョンではそもそも入れないのではないか?)。性能的にもまずまずで、仮想環境でこの程度動けば、そう大きな不満はない。Meに関してはVMWareに軍配が挙がるが、これは主にディスプレイ・ドライバの問題で、総合的にはVMWareよりも上ではないか?−−あくまでも直感だが。
 そのディスプレイ・ドライバだが、デフォルトは標準VGA(640x480/16c)。9x/Me用のネイティブSVGAドライバは用意されていない。流石にこれでは実用にならない。しかし、汎用VESAドライバを組み込めば、高解像度で使用できる(ネットで入手:VESA140214)。XGA/フルカラーで動作を確認している。が、汎用ドライバに性能を求めるのは酷で、ゲームとかだと速度的にけっこうシビアになる。私が試したゲームでも、ある条件下でマウスポインタが消えてしまって困った(正確には点滅しているようなのだ、肉眼では時々チラっと見える程度)
 また、サウンド再生にも難ありで、最後の音が崩れて、そのままずっと鳴りっぱなしということが頻発した。さらに、インターネット接続には成功したが、LAN上のsambaサーバにアクセスできなくて困った(WinMeの修正ファイルが入っているのだが…)。実は、サウンドにしろ、LANにしろ、類似の問題はVMWareでも経験したが、VMWareでは両方とも解決できた。VBOXでもドライバや設定を弄れば何とかなるかも知れないが、試してはいない。
付記:BIOSに入れないためか、キーボードのレート変更ができず、DOSでの使用が大変に不便。

【VMWare】完成度が高く目茶苦茶便利。最終的に構築した環境は殆ど“無敵のMeタン”と呼んで良いレベル。仮想マシンが通常のウィンドウと同じように扱える。サイズを変更すると、Meのデスクトップも任意サイズに自動変更されるし、マウスがゲスト/ホスト間でシームレスに動かせる。パフォーマンスにも優れ、ゲームの操作性も犠牲にならない。LAN上のsambaサーバへの接続にも成功した。おまけに、サスペンドも正常に機能する(ネイティブではしばしば失敗していた)。だが、設定は戸惑う点が多い。UIはVPCと良く似ていて判り難い上に、設定ミスも散見される(Me対応は謳ってないのだが)。
 まずはFDDで躓いた。標準の設定ダイアログにFDDアイコンはないのだが、VPCとは異なり簡単に追加できる。で、ホストのFDDを直接使用するのはスンナリできたのだが、アクセスが物凄く遅い。ネイティブで使用する場合の何倍も掛かる印象だ。これで何度もDOSをブートさせるのは流石に辛い。物理ドライブではなく、FDイメージでブートしたい。ところが、FDのイメージ形式で躓いた。フリー版のVMWareに関しては.flp以外のイメージを受け付けないとか何とか…そんな情報がどっかから頭に入ってきた。
 後で知ったことだが、FDイメージには様々な拡張子の物があるが(ima,img,flp,vfd等)、中身はすべてベタの物理イメージなのだそうだ。拡張子の違いだけでハネているなら、単なるいぢわるじゃん。まさかそんなこともあるまいと、.imgと.flpの違いを調べてみたり…実に無駄な努力で時間を浪費してしまったorz 結局、.imgでも.flpでもブートできたのだが、最初はブートできなかったんだよね。他の設定が間違っていたのか?設定ダイアログで起動時に接続を選び、BIOSのブート設定でFDDを最優先にすれば、基本的にはブートできると思うのだが…
 デフォルトではVGAモード(640x480/16c)のみだが、追加ツールが利用できるというボタンが表示されていたので、これをクリックしてVMWare toolsをインストール。ネイティブのSVGAドライバがインストールされ、高解像度・高速で表示できるようになった。さらに、マウスがキャプチャされず、ホスト−ゲスト間でシームレスに使用できるようになった。
 サウンドもデフォルトで認識できた(SoundBlaster16)。しかし、非常に高い頻度で音が出なくなる。と同時に、システムにも変な負荷が掛かって異様に重くなる。リソース競合の症状そのものというカンジ。そこで、別途SB用のドライバ(SBPCI_WebDrvsV5_12_01.exe)を入手してインストールしたところ(変なエラーメッセージは出たが)、無事インストールできた。その後は正常に動作し続けている。
 非常に厄介だったのはLANの設定で、デフォルトのNAT設定ではセグメントが変わるせいか、LAN内のsambaサーバにアクセスできない。インターネット接続は問題ないのだが…。で、いろいろ試行錯誤した結果、ブリッジ設定にして、[物理ネットワーク接続の状態を複製]にチェックを入れ、Me上でIPアドレス(ホストと同じセグメントの別アドレス)をマニュアルで入力したらLANに繋がるようになった−−これも最初に試したときは上手くいかなかったのだが…。なお、インターネット接続には別途DNS/DGWの設定が必要になる(ホストと同じ設定で良い)。
 当初、LANに繋がらなかったので、外部とのファイルのやり取りがほとんど不可能だった。もちろん、一度インターネットに上げれば良いのだが、それも面倒。FDとかCD-R経由でしかファイルの共有ができなかった。正確に言えば、MeからWin7の共有フォルダにアクセスは不能だが、逆は可能なので、一方通行のファイル共有は可能だったが(そして、それでかなり程度事足りるのだが)、UBSメモリが共有できれば非常に便利になる。その場合、デフォルトのWinMeはUSB1.1対応で、USB2.0は認識できないのがネックになる。設定ダイアログでUSBのバージョンを選択できるのだが、実はこれだけでは上手く機能しない。どうも、設定ファイル(.vmx)を一部書き換えないとダメらしい。ehciのドライバ設定とかが残っているので。具体的な修正方法はネット参照。
付記:DOSでVZを使用すると画面が壊れる。どうやらDOSの日本語表示に問題があるようだ(英語環境ならば正常?)。


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