(2009.02.15/2010.04.29追記)

USBメモリからOSをブートする

基本的な考え方はハードディスクの場合とまったく同じ。ただし、

ドライバなしでDOSからUSBメモリにアクセスできるかどうか

がキモ。DOSからアクセス可能であれば、USBメモリはHDDと同様に扱える。したがって、DOSからチェインしてWindows 9x/Meをインストールしたり、CD-ROMブートでOSをインストールすることも可能なはず。ただし、いずれの場合も、

MBRの修復とアクティブ区画の設定

は必須になるだろう。具体的には次のような手順になる。

  1. USBメモリをPCに差し込む。
  2. BIOS設定を変更してハードディスクを無効にする。
  3. フロッピーディスクからDOSを起動する。
  4. USBメモリが認識できていることを確認する(C:)。
  5. FDISK /MBRでマスターブートレコードを修復する。
  6. FDISKで区画を確保する。
  7. FDISKでアクティブ区画を設定する。
  8. FORMAT C: /Sでフォーマットしてシステムを転送する。
  9. 再起動して、BIOS設定をUSB-HDD等からブートするように変更する。



Windowsは原則的にUSBデバイス(USBメモリ/USB HDD)へのインストールをサポートしていないようだ。今回の実験では、Windows Meのインストールと起動まで確認できたが、動作が異様に遅いと言う弊害が出ている。また、USB HDDにWindows MeとWindows 7のインストールを試みたことがあるが、どちらもインストールに成功しなかった。特に、Windows 7はUSBストレージへのインストールは不可能であると明確にメッセージを出す。Windows Meもインストールの最終段階で書き込みエラーが出て止まった。IDEにインストールして、USB変換してブートを試みたこともあるが、Windows MeもWindows 7もブートプロセスでこける。「BOOT革命」のようなツールや、VHDブートを使うのならともかく、一般的な方法でWindowsをUSBメモリに入れるのは、困難だと思った方が良さそうだ。

【ポイント】

  結局、Windows Meのインストール完了までに要した時間は30時間程度。しかも、スキャンディスクを除く(これだけで更に数時間)。あまりに異常なので、HDBenchでディスクアクセス速度を計測したら、Read 128Mbps/Write 0.7Mbpsという超アンバランスな結果。もっとも、0.7Mbpsあれば、いくらなんでもこんな時間は掛からない。実感から言えば0.01Mbpsくらい。明らかに正常に動いていない。デバイスマネージャで確認したら、USBに[?]マークが付いていたが、設定の変更自体に物凄い時間が掛かり、メンテナンスも困難(^^; まあ、この環境で動かすことは諦めよう…

●USBメモリブートの用途再考

面白がって試してみたけど、用途は再考の必要がある。私が望んだのは、言わば、FDブートの代用。つまり、FDよりも高速かつ簡単にメンテナンス環境が構築できること。しかもFDとは異なり、容量が大きいので、DOSではなくWinMeあたりをメンテナンス環境に…と思っていた。しかし、実際には;
  1. Piccoloで見られたように、ブートは可能でも正常動作はしない場合がある。
  2. USBメモリがC:ドライブになってしまうから、HDDのメンテナンスには極めて不便。
  3. そもそも、Windowsは異なったハードウェア環境では正常動作しない。
つまり、FD代りの汎用性のあるメンテナンスツールとしては失格なのである。まあ、Winをあきらめて、DOSを使えば良いのではあるが、やっぱり異常に遅い(と言うか引っ掛かるような)アクセスの問題が立ちはだかる。

となると、USBメモリブートの用途は、特定のマシンにおけるマルチOS環境の構築…ということになるのだが、それだと、物理的にグラグラしている感じが恐い。他の選択肢(モバイルラックやCFドライブ等)の方が汎用性も信頼性も高い。あえてUSBメモリですることなのかどうか…という感じなのである。⇒と言うよりも、通常の方法でUSBメモリに安定動作するWindows環境を構築するのは困難。OS/2に至っては言わずもがな。

ちなみに、USBメモリではなく、CFリーダーからのブートの実験をしてみたが、これはどうもうまくいかない。つ〜か、そもそもドライバなしでのCFの認識ができない。また、USB HDDからのブートには成功したが、OS/2のインストールが不可能。OS/2は本物のIDE HDD(もしくはSCSI HDD)にしかインストールできないようだ。

結局、OS/2を使う限り、USB経由のリムーバブルメディアからのブートは(さらに言えば、メモリドライブ全般からのブートも)諦めるしかない。OS/2システムを持ち歩くには、マイクロPCごと持ち歩くしかなさそうだ。あるいは、2.5"のリムーバブルラックかあ…これがまたえらいこと高い(;_;) まあねえ、3.5"用のリムーバブルシステムに変換かませて2.5"を入れることにして、ベアドライブのみ持ち歩くか…ふ〜む、それは、ありかも知れないねえ。

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