†PCうそつき講座†
作成開始日 2018.08.23
最終更新日 2022.11.09
その後、何とかかんとか静音化に成功し、Debianを入れて居間用PCとして活躍中。その風貌から【tackong】と命名(公式の英字綴りは「takkong」らしいが)。
CPU | Socket AM2 : Athlon X2 5050e (2@2.6GHz/45w) Brisbane/65nm pm=1340 Athlon 64 X2 4400+ (2@2.3GHz/65w) Brisbane/65nm pm=1100 ※「pm」は旧passmark値(2020年3月以前)、現行値の倍程度 ※ CPUファンはEnermax クーラージャイアント(8dB〜)に換装 |
C/S | NVIDIA GeForce 7025/nForce 630a |
RAM | 4GB / DDR2-800MHz 2GB x 2 (DDR2-533/667/800MHz x2slots dual-ch.) |
HDD SSD |
SATA×2 / IDE×1 / eSATA×2 SATA:16GB SSD NVDISK3-SX0160B (FDD-bay:PMU-08B) 80GB 2.5" SATA150 / HITACHI HTS541680J9SA00 5400rpm 3.5w 80GB 3.5" SATA300 / WDC WD800JD 7200rpm |
FDD | コネクタあり(未接続) |
ODD | DVD-ROM SATA / TSST(東芝サムスン)SH-116AB |
LAN | 1000Base-T / Marvell Alaska 88E1116(OS/2不可) 100Base-T / RTL8139(PCI LANカードを増設→撤去) |
USB | USB 2.0×6(前面2+背面4)(OS/2ではOHCI×2+EHCI×2と認識:UHCIではない) |
PS/2 | なし |
PWR | SILENTX PC60I0005(300w 80PLUS BRONZE) 標準電源は250wのはず? ※電源ファンはScythe mini-KAZE2(14dB)に換装 |
Batt | CR2032(※CR2025で代用→CR2032に交換) |
OS | Debian 8.11.0 LXDE 64bit |
型番 | クロック | TDP | コア | BIOS表示状態 | 型番認識 | |||
Vcore(*2) | 温度 | ファン(*3) | 消費電力 | |||||
Athlon X2 3250e | 2@1.5GHz | 22w | Brisbane (65nm) | 1.05v | 39℃ | 880rpm | 35w | unknown |
Athlon X2 4050e | 2@2.1GHz | 45w | 1.25v | 48℃ | 860rpm | 46w | 正常認識 | |
Athlon X2 5050e | 2@2.6GHz | 45w | 1.25v | --℃ | ---rpm | --w | ||
Athlon 64 X2 4400+ | 2@2.3GHz | 65w | 1.35v | 59℃ | 870rpm | 55w | ||
Athlon 5000B(*1) | 2@2.6GHz | 65w | 1.40v | 61℃ | 870rpm | 59w |
(*1)「Athlon 5000B」は「Athlon 64 X2 5000+」のOEMモデルではないかと思われる。HPやDELLの製品とされている事がある。型番に関しても「Athlon X2 5000B」、「Athlon 64 X2 5000B」、「Athlon Dual-Core 5000B」などの表記があるが、手持ち個体の表面には「Athlon」とあるだけなので、この表記にした。
(*2)BIOS画面で実際に表示された値(0.01〜0.02vくらいの誤差があるが)。インターネットなどで出回っている、Athlon (64) X2のデータシートと若干違っている。BIOS側の問題なのか、使用状態の違いなのか、データシートが間違っているのかは不明。
(*3)ファンの制御モードは「SmartFan」だったが、実は設定保持用コイン電池が切れていて、「Ultra-Low」モード相当になっていたようだ(u_u;) コイン電池を交換したら、50℃超えでファンスピードが上がった。しかし、コイン電池で…ナゾな仕様。
なお、正常認識されない3250eも動作自体に支障はない。ただし、CPUのパワー制御が効かないようで、常時1.5GHzのフルスピードで動作している。そのため、実際の使用時には、4050eの方が消費電力が小さくなることがあった。HDDを接続し、Xenialpup 7.5のアイドル状態を比較したところ、3250eは32w、4050eは30w、5000Bは33wだった。
高速性:上位モデルであるAthlon 64 X2 5600+がpm=1500弱、ライバルのCore2 Duo E8400がpm=2100強。これだけで萎える。6000+でも6400+でも全然及ばない。速度にこだわるなら、プラットフォームから再考すべき。
静音性:アイドル状態でもかなり騒い。5000Bでも4050eでも騒音には全く差が無い。アイドル時にはクロックが最低まで下がっているので、最高クロックの差は意味を持たない。流石に高負荷時には差が出るが、本機を高負荷で長時間使用し続ける予定はない。
なんと言うか、適当な石を乗っけておけば、それなりに何とでもなるかな…という感じ。明確な方向性と意図を持ってシステムを構築するのには適さない、ぼやけたシステム。サイレント化できれば使い途はあるのだが、それも困難(後述)。
この時代のCPUは、アイドル時のクロックがかなり低く抑えられる。同じBrisbaneコアであれば、4050e(2.1GHz)でも、4400+(2.3GHz)でも、5000B(2.6GHz)でも、アイドル時には最低クロックの1GHzに落ちているはず。実消費電力も大差ない。故に、BIOSでクロックの上限を制限しても、PCの静音化にはほとんど意味はない。
一方、実際の使用場面でどの程度食うかと言うと;
CPU | 状態 | 消費電力 | ストレージ |
5050e | Xenialpupアイドル時 | 30w | SSD+ODD |
Xenialpup64アイドル時 | 39w | SSD+ODD | |
Tahrpup 32bitアイドル時 | 39w | 2.5"HDD | |
Debian8 64bitアイドル時 | 28〜30w | SSD+ODD | |
4040e | システムブート時 | 〜67w | 2.5"HDD |
Xenialpupアイドル時 | 30w | 2.5"HDD | |
Xenialpup高負荷時 | 67w | 2.5"HDD | |
5000B | Xenialpupアイドル時 | 33w | 2.5"HDD |
4400+ | OS/2アイドル時 | 41〜42w | SSD |
OS/2ピーク時(1 core) | 70w | SSD | |
システムブート時 | 60〜70w | HDD? |
まあ、適当に拾った値を集めてみただけだが、ここから言えるのは;
@TDP 65wクラスのCPUであれば、消費電力は最大でも100w未満
Aアイドル時にCPUが消費する電力はCPUのモデル(上限クロック)に依存しない
Bアイドル時に30wのOS(Xenial/Debian)と40wのOS(Xeni64/Tahr/OS2)が存在する
留意すべき点は、実消費電力の最大値。ここでは、「25w+TDP」を目安としており、4040e(TDP=45w)ならば70wとなる。これは上記実験値とよく一致する。であれば、TDP 65wのCPUでも90wが上限値となり、100wは超えない。
しかし、本当にそうなのか、少し気になるところ。OSによってアイドル時の消費電力が異なるのも引っ掛かる。OSによって省電力機能に差があるのは理解できるが、Xenialpupの32bitと64bitの差は不可解。
後述のように、本機では電源ファンの静音化が困難で、電源の換装・改造を考えているのだが、その際、最大容量をどの程度に見積もればよいか、確定する必要がある。本当に100w以下ならば、ACアダプタ電源でも何とかなるのだが…
@背面ファン(CPUファン&ケースファン兼用)9.2cm/4pin制御
A電源ファン 4cm/2pin固定
CPUファンは銅パイプ?で背面に熱を誘導して、ケースファン兼用の大型ファンで冷却するタイプ。この背面ファンはスピードコントロールが効く。40w程度だと低速回転でかなり静かになるが、それでも側に置くと気になる。ただし、超静音タイプのファンに換装することで、ほぼ気にならないレベルに改善した。
問題は電源ファン。電源ファンそのものはかなり静かなのだが、電源ユニットに取り付けると途端に騒音が発生する。超静音タイプのファンと換装しても同じで、単体では非常に静かだが、取り付けると騒くなる。要は回転数が高すぎるのだが、電源ファンは4cmと小型なので、回転数を下げるわけにはいかない。そもそも、速度調節機能がない。
試しに、電源ファンに綿棒突っ込んで回転を止めたところ、実用レベルまで静音化できたが、流石にこれで運用するわけにはいかない。電源ユニットの規格も特殊なので、汎用品との換装も不可能。あとは、ACアダプタ電源を組み込むか(2000円〜)、腹を括ってファンを止めるか(定格300wを30〜70wで使用)、だが…
SN68SG2では、電源ファンの4本の取り付けネジのうち、2本が筐体背面に隠れる構造になっている。このネジは本来皿ネジなのだが、ファンを交換したため、鍋ネジを使わざるをえなくなった。このため、ネジの頭が背面板を押して変形させてしまうという問題が発生した。そのうち、同サイズの皿ネジを探し出して交換しよう。
ちなみに、電源ファンの交換を実行する前に、pico-boxを使ってACアダプタ電源で駆動できないか試してみた。結果は失敗。手許にあったACアダプタが60w仕様だったためか、3250eでも容量不足で起動しなかった。VIAのEPIA-800(19w)はこのpico-boxとACアダプタで問題なく起動したので、単純に容量の問題だろう。100w超のACアダプタを用意すれば、おそらくSN68SG2でも使用できると思われるが、今はこれまで。それに、この筐体では、DCジャックをどこに付けるかも地味に切実な問題になるので。
また、これは完全にXenialpup64のミスだと思うが、sambaクライアントのpnethoodがまともに機能しない。代替手段はあるのだが、使い慣れたツールが使えないのは何とも不便。さらに、32bit版でも64bit版でも共通だが、スリープからの復帰時にマウスポインタが消失するという問題も発生。これは、Tahrpupでは起きなかったのだが…
これらの状況から、本機でPuppyを使うことは断念、Debian 8.11 LXDEに移行することにした(ちなみに、Debian 8はTahrpupに相当;Xenialpupより1世代古い)。64bit版なので4GBメモリをフルに認識するし、アイドル時にも30w以下に収まっている。それがフツーのことなんだが(^_^; 高度な平凡。
また、LXDEのDebianはPuppyほどではないが十分小さく、16GBのSSDにも余裕でインストール可能。その代わり「こんなツールも入ってないのかよ!?」状態なので、環境整備がちと面倒臭い。少なくとも、NTPとHardInfoとIMEの1本くらいは標準で入れておいてくれよ!それに、電源管理がXfce用で代用はないだろう−−と文句は言うものの、やはり完成度ではPuppyの比ではないな…
Debian | Ubuntu | Puppy | |
2019年 | 10 buster | 18.04 Bionic Beaver | BionicPup 8.0 |
2017年 | 9 stretch | 16.04 Xenial Xerus | XenialPup 7.5 |
2015年 | 8 jessie | 14.04 Trusty Tahr | TahrPup 6.0 |
ネットの情報によると、WindowsでもデバイスマネージャにIEE1394が32個も出てきて、システムが非常に重くなるとか。しかも、ハードウェア起因で打つ手もないようだ。ただ、ビデオカードを換装すると改善するかも、とかなんとか…。
いずれにしろ、IEE1394やビデオカードが直接の原因でないのは間違いないだろうから、それらの設定をどうかすれば何とかなると言う問題でもないようだ。正直、現状ではお手上げ。ただ、OS/2でWPSを再起動すれば正常状態に戻ったように、ソフト側での対策もあるかも知れない。本気で使うなら、そのあたりも考えておかないといけない。
【追記】512MB超でブートするにはW45_PACK+DANISドライバが必要
Athlon 64 X2 4400+で使用してみたが、速度的にも十分で、GeodeNX/1500では重くて実用困難だったSeamonkey 2.28が、ごく普通に使用できる。C7/1GHzと比較しても体感で2〜3倍の速度。消費電力はアイドル時に41〜42w、ピーク時でも70wを超えるか超えないか。Xenialpupに比べると消費電力が大きいが、実用性は十分−−PS/2ポートさえあれば…
なお、デュアルコア世代では、OS/2はVirtualBox上で使用する方が実用的である。ゆえに、OS/2ネイティブ動作に関して、あーだこーだ言っても、実はそれほど建設的ではない。Linux乗っけて、VirtualBox 6.x上でOS/2を使えば、ノー文句で実用システムが組めるからね。ま、本機では実験はしていないが、多分大丈夫だろう(別項参照)。
通常、このような場合、BIOSレベルでUSBをPS/2エミュレートしてくれるようになっているのだが、なぜか本機ではKBDしかエミュレートしてくれない。しかも、BIOSにエミュレートに関する項目がない−−つまり、マウスをエミュレートする方法がない!そのため、USBドライバを組み込まない状態でOS/2を起動すると、キーボードはPS/2扱いで使用可能だが、マウスは無反応になってしまう。
じゃあ、USBドライバを組み込むと−−今度はマウスは反応するが、キーボードが無反応に。明示的にUSBKBDのドライバを組み込まなくてならなくなってしまう。そして、USBKBDドライバを組み込むと、MYKBDによるキーマップの変更が不可能になり、CtrlとCapsLockの入れ替えが不可能になる!このあたり、smouseドライバを使用すれば回避できる可能性があるかも知れないが、何だか酷く疲れたよ…
さらに、なぜかこのBIOSにはキーボードのNumLockやRate/Delayに関する設定項目がない!NumLockは強制的にオン固定であるため、ミニキーボードだと、[M]とか[K]とか言った右半分のキーが使えなくなる。もちろん、NumLockキーを押して解除すれば良いのだが、アプリやコマンド窓を立ち上げる度に、毎回毎回解除が必要になる。煩わしいことこの上もない。OS/2にもNumLockの状態を変更したり、キーレイアウトを変更したりするツールはあるが、たいていUSBキーボードに対応していない。もう嫌だ…
解せないのは、本機のBIOSはありふれた青画面のPhoenix-AWARD BIOSで、通常ならばPS/2エミュレーションもキーボード設定も普通に備わっているはずである。それが、本機ではわざわざ削られている。USB周りの設定も大幅に削られて非常に貧弱になっている。意図的に不便にしているとしか思えない。全く解せない。もちろん、NumLock機能自体がない、Ctrl-AタイプのUSBキーボード(例えばHHK Lite2)を使用すれば、これらの問題は解決可能だろうが、そこまでしてやる義理もない。
なお、これらの問題はBIOSのアップデートで解決可能になるかも知れない−−そう思って少し調べてみたが、どうやらBIOSの更新ファイルはメーカーHPから削除されているようで、現在では入手困難。尤も、本機のBIOSが最新版か否かは確認していないし、仮に最新版に更新出来たとしても、これらの問題が解決可能かどうかは判らない。そんな状態で手間暇掛ける義理はない。現状で使用不可ならお払い箱だ。
問題をややこしくしたのは、オンチップのLANと2枚差しになる場合の扱いがイマイチ不明確だったこと。一応、オンボードのLANはBIOSでDisableにしたのだが、 だからRTL8139がlan0になるのかどうか…? 結局、なっていたワケではあるが、かなり試行錯誤を繰り返し、数時間を費やしてしまった。ちなみに、LANカードを増設しても、消費電力に変化はなかった。
なお、XenialpupであればAlaskaもデフォルトで認識する。VirtualBoxでOS/2を使えば、ドライバ問題も即解決となるはず。
2018.08.20:オークションにて1000円[コミコミ1780円]で落札。
2018.08.23:OS/2のインストールに成功するも、問題点多数あり。
2018.08.27:チェック終了、当面お蔵入り。
2019.09.18:Puppy Linux実験用マシンとして再出動(Puppy4.31/Tahr/Xenial)
2020.09.17:HDDマウンタ交換。
2021.05.03:静音化を試みるも挫折するorz
2021.05.19:電源ファンの静音化に成功?する。CPUを5050eに換装。
2021.05.20:ストレージを16GB SSDに換装し、Debian 8.11.0 LXDEをインストール。
2021.12.28:電源系不安定に;サスペンドからの復帰時に電源が入らなくなる;無理が祟ったか。
2022.01.05:コイン電池を交換;これが電源不調の原因か?一応直ったような…
2022.11.06:ネイティブOS/2実験開始、動作環境の確認のため
2022.11.08:W45_PACKを当てたシステムで4GBブート成功再確認