†PCうそつき講座†

Windows 7でプリント出力をファイル化

〜CubePDFでPDFファイルに〜

作成開始日 2023.08.02
最終更新日 2023.10.03

元々の問題意識は、Windows、OS/2、Linuxのいずれでも表示可能な文書を作成したかった、ということ。特に、ブラウザに表示したページを文書として保存したかった。それならHTMLでいいじゃないか?と言いたいところだが、HTMLはcssが外部化されていたり、画像ファイルが別ファイルになっていたりして、そんなに扱い易くない。また、プレーンテキストは互換性の点では一番だが、装飾やレイアウト、画像情報がごそっと抜け落ちる。画面をキャプチャして画像に落とす方法もあるが、長い文書をまるごとキャプチャすることはできない(こともない;本稿末尾参照)。

プリント出力のファイル化

で、頭に浮かんだのが、プリントアウトの出力をファイル化する方法。Windos 7にはXPSのプリンタドライバがあり、これを使えばXPSファイルを作成できる(*)。これはなかなか奇麗にページを保存してくれるのだが、互換性が全くない。それなら、互換性の高い形式で保存すれば良い−−てんで、PSプリンタのドライバを組み込んで、PSファイルとして出力することに成功した。XPSほどの再現性はないが(デフォルトでは背景色とか省略される)、まずは実用になるレベル。

(*)出力ファイル名はフルパスを指定すること。パスを指定しないと、恐らく、ブラウザのインストールされているディレクトリに出力される。また、拡張子も手動で指定する必要がある。

PSファイルとGhostscript/GSView

ところが、肝腎のWindows 7はデフォルトでPSファイルが扱えない。これにはちょっと驚いた。そんなに標準規格を守るのが嫌なのか?XPSのビューアに互換性持たせる事くらい簡単だろうに…独自規格のゴリ押しによる囲い込みという悪弊は全然直っていない。んじゃ、フリーソフトで何か適当なビューアを…と思ったのだが、これがGhostscript/GSViewくらいしか見当たらない(Acrobatはなぁ…あれはないよなぁ…)。

じゃあ、Ghostscript/GSViewをインストールすれば良いのか?と言うと…これがまた、そう簡単には行かない【別項参照】。結局、GSViewは使わずに、生Ghostscriptをバッチで起動することにしたが、それでも使い勝手はイマイチ…ダブルクリックで表示して、クローズボタン一発で消えてくれる、そんなアタリマエのことが仲々難しい。

CubePDFによるPDFファイル化

で、行き着いたのがフリーソフトのCubePDF。これはプリント出力をPDFファイル化してくれる優れもの。PDFなら全環境で表示可能だし、再現性もそこそこ高い。非常に便利なのだが…一つ不安がある。開発元の株式会社キューブ・ソフトの正体がイマイチ判らないこと。同社は、CubePDF以外にもいくつもの小物ツールを無料で配布しているようだが、どこで収益を上げているのか判らない。はっきりと言うと、無償の善意がコワイ(^_^;

いや、個人が趣味で作っているだけなら問題ないのだが、企業が商用クオリティで無償配布しているのが不気味。当然、マルウエアの混入、個人情報の漏洩を想起せざるを得ないのだが、現状そうした報告はなく「安全なフリーソフト」の御墨付きを得ている。強いて言えば、バンドルされているCubeWidgetが煩わしいくらい。ダウンロード数も2000万を超えるツールらしく、安心の定番のソフトなのだが…

このクオリティならお金払っても良いので、フリー版は機能制限などをして、安心させて欲しいと思うのであった。善意に不安を覚えざるをえない嫌な世の中になったものだ…

【追記】なお、PDFと言っても画像扱いになるようだ。であれば、PNGやJPEGで出力する方が扱いが楽かもしれない。CubePDFのダイアログの[ファイルタイプ]で出力形式を変更できる。(2023.10.2)


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