†PCうそつき講座†

NEC Mate MY11F/FR-E PentiumM ULV 733/1.1GHz

作成開始日 2019.01.10
最終更新日 2021.08.04

2004年発売のNECの液晶ディスプレイ一体型PC。超低電圧版PentiumM ULV 733/1.1GHz搭載のファンレス機。ホームユースを想定した、それなりに考え抜かれた構成になっていて、お座なり感がないのが心地好い。が、一体型は融通が効かない。我が家では、その「重さ」と「高さ」という物理的問題から、当初の用途(居間用PC)には不適格となってしまったorz

●CPU&C/S

CPUは超低電圧版のPentium M ULV 733(1.1GHz)。0.812V〜0.956VでTDP 5wという優れもの。コアはDothanでFSBは400MHz。(旧)passmark値で比較すると、Pentium 4/2.6GHz相当のパフォーマンス。PentiumVならばほぼ同クロック、GeodeNXならば1750(1.4GHz)相当と言ったところ。TDPを考えると非常に優秀…とは言うものの、流石に現状ではWinXP、WinMe、Puppy Linux、あるいはOS/2くらいしか載らないが。noPAE注意。チップセットはi855PM。ふむ、レガシーOSユーザーには800系は好ましい。なお、本来はWinXP SP1マシン(COAシールなし)。

パフォーマンス的にはまずまずで、Xenialpup上でSeamonkey2.49が実用レベルで動作する。ただ、厄介なのは32bit/noPAEという制約で、たとえOS(puppy)が動作しても、アプリの方がこのシバリで動かない場合がある。

●RAM

メモリはSO-DIMM/DDR333で、標準で256MB。256MB増設して、合計512MBで使用中(のはず)。メモリスロットは2本、最大2GB。デュアルチャンネルではないよな…

●HDD

HDDはSATA/3.5"、標準で80GB。ただし、HDD抜き取り品だったので、代わりにSSDや2.5"HDDを入れて動作チェックしていた。なお、本機はHDDの取り付け部がスロット構造になっていて、3.5"/SATA物理形状互換でないと接続自体が不可能。2.5"ストレージを使用する場合には、それなりの変換アダプタが必要(Ainex HDM-46など)。なお、HDDスロットは本体部背面にあり、背面板全体を左方向に押して取り外すと出てくる。

●USBメモリブート

UBSメモリブートはできない。2004年製でこれはちょっと…と思ったが、この時代はまだUSBメモリブートは一般化していなかった。PenM/PenV/AthXP/C3世代までは、USBメモリブートはできなくて当然。現在の常識を物差しにすると、けっこう認識ギャップがある。なお、CD-ROMドライブ、FDDドライブ、PCカードスロット標準装備で、USB-FDDからのブートもサポートしている。なので、USBメモリがダメでもブートデバイスに困ることはない(PCカードスロットからのブートの可否は確認していない)。

●光学ドライブ

光学ドライブはノート用のスリムタイプでIDE接続。これもスロット方式で、背面ボタンを押すと簡単に取り外せる。標準装備はCD-ROMドライブ(書込不可)だが、スリムIDEタイプならば、CD-RWでもDVDでも好きな光学ドライブと交換可能。無論、OSが対応できることが大前提だが。

なお、本機のCD-ROMドライブはイジェクトに難ありで、針金を突っ込まないとオープンしなかった。しかし、ベゼルを取り外してイジェクトボタン周りのサビを落としたら、正常動作するようになった。また、レーザー出力もくたびれているようで、読み込みもやや不安定。一応、交換ドライブも入手していたのだが、ベゼルの形状違いで使えなかった。

●液晶ディスプレイ

液晶はTFTカラーでサイズは15"/XGA(1024x768)。一応輝度調整ボタンも正面に付いている。が、ディスプレイの電源のみを落とす、と言うことができない。まあ、Windowsならば電源管理でできるんだろうが…

なお、スペック的には最大解像度はUXGA(1600x1200)となっているが、これは恐らく外付けディスプレイを接続した場合の解像度だろう。

●消費電力

消費電力はPuppy使用時で40w弱くらい、アイドル時は30w台前半に落ちることも。15"ディスプレイ込みの電力と考えると、かなりの省電力と言える。が、ディスプレイのみ電源を落とすことができないのは、ちょっと辛い。

●オーディオドライバ

Puppyでは何故か音声が出ない。C/SはICH4なんで、オーディオデバイスもこいつかと思いきや、実は、別途pcsp(PC Speaker)というデバイスがあって、こっちが標準らしい;

カード0:ICH4 ←実はどこにも接続されていない?音が出せない?
カード1:pcsp ←内蔵SP
カード2:USB Speaker ←後で増設した

というような状況なんだが、問題はLinuxではMY11Fのpcspが正常動作しないこと。つか、そもそも認識すらしない;OSレベルでは選択肢にすら出て来ない。が、SMPlayerのオーディオドライバ(ALSA(1,0))や、XenialPupのALSA mixerならば認識はする。けれど、SMPlayerでALSA(1,0)を選んでも雑音しか出ないし、alsa mixerでは選んでもボリューム0から動かせない…ハテサテ…;ま、どの途内蔵スピーカーで済ますつもりはなかったので、USBスピーカーを使えば問題はないのだが。

基本スペック
CPUPentium M ULV 733 / 1.1GHz (Dothan/400MHz/noPAE) passmark=280
C/SIntel 855PM
RAM512MB (256MB+256MB) / DDR333 SO-DIMM / 2-slots ※標準は256MB
HDDSATA/3.5" 40GB ※現状空
CDDCD-ROM (IDE/slim):LG CRN-8245B
FDD3.5" (1.44MB/1.2MB/720KB)
VGAMobility Radeon 9200 / 32MB
LAN100/10 : Intel Pro 100?
PS22 : keyboard + mouse


Long-run reports ...

2019.01.07:オークションにてコミコミ¥2800で入手。

2019.01.19:増設用RAM SO-DIMM/DDR333/256MB(x2)を¥70[164]にて入手。

2021.02.11:CD-ROM交換ドライブ入手。が、ベゼルの規格が違う…?

2021.02.17:故障ドライブの修理に成功。ま、ベゼル外して清掃しただけなんだが…スイッチ周りにサビが出ていた。ひょっとすると、常時オン状態だった?

2021.02.17:Puppy Linuxを入れて書斎用ビデオ再生機として使用。初期の目的は概ね達成したが、スリープ復帰後にLANが回復するのにかなりの時間が掛かることや、ディスプレイの電源のみを切ることができないなど、運用面で不満が出てきた。


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