(2009.04.13)
mplayerとSMPlayer
Linux系(GNU)のメディアプレイヤー。高機能で安定している上、対応しているフォーマットが非常に多い。しかも、他のLinux系ツールと同様に、本体部分とGUI部分が分離しているので、スクリプトを作るときなどに非常に扱いやすい。Windows、Macはもちろん、OS/2などにも移植されている。
●SMPlayerの使用
で、Windows版を使用してみた。動作環境はWindows Me、使用したのはGUIフロントエンドSMPlayer 0.6.7(mplayer.exe同梱)。結論から言うと、動作しなかった。もちろん、mplayer.exeを単独で使用する場合は問題なし。フロントエンドであるSMPlayerからmplayer.exeを呼び出すときに問題があるようだ。ちなみに、ログのコマンドラインをバッチファイルにコピペして実行すると問題なく動作する(ただし、表示ウィンドウを指定する -widオプションは削除、/を\に置換)。
また、SMPlayerにはPortable版(USBメモリなどに入れて使用する、インストール不要のプレイヤー;要7-zipアーカイバ)があるので、こちらも試してみたところ、再生には成功したが、停止、早送りなど一切の操作を受け付けない。やはり、操作コマンドをSMPlayerからmplayerに渡す際に問題が起きている模様。
で、私になりにいろいろ考えてみた。
- 「/」と「\」の問題はけっこう怪しい。Portableでは「/」のままでも再生はできたので、決定的原因とは言えないが、やはり少し引っ掛かる。少なくとも、バッチで実行するときは、「\」でないと起動しない。なので、環境設定ダイアログから、mplayer.exeの位置を指定する際に「/」を「\」に置換して、全体を「"」で括ってみた。「"」で括らないと、コマンドラインに吐き出すときに自動的に「/」に変換されているようなので。しかし、「\」にしても再生はできなった。ちなみに、バッチファイルで試した限りでは、データの方は「\」でも「/」でも問題ないようだ。
- コマンド自体が長すぎるのではないか? 確か、DOSのコマンドラインの長さの上限は128文字くらいだったような記憶がある(おぼろげな記憶だが)。SMPlayerがmplayerに渡しているコマンドラインは、それよりもずっと長い。まあ、どういうプロセスでコマンドラインを渡しているのか判らないので何とも言えないが、バッチファイルなら問題ないのだから、これも決定的な要因として考えるには弱い。それに、設定をいじっても、コマンドラインの長さを128字以内に収めるのは無理のようで、検証方法がない。
- 表示するウィンドウのIDを指定するのも少し怪しいかな、と思ったが、これは設定ダイアログで独自ウィンドウに変更できる(-widオプションが消える)。しかし、この変更を実行しても効果はなかった。
●mplayerを直接使用
ということで、WinMe環境でのSMPlayerの実行はかなり困難。しかし、では困っているのかと言うと、そうでもない。mplayerの方を直接使っても十分便利。キー操作が非常に充実している。
- 早送り/巻き戻しは、左右キー(±10秒)、上下キー(±1分)、ページキー(±10分)。
- ポーズ/解除はスペースキー。
- ボリュームコントロールはCtrl+*/Ctrl+/(これはちょっと不便)。
- ミュート/解除はCtrl+M。
- フルスクリーン表示/ウィンドウ表示の切替はCtrl+F。
- 画面上への時間表示/非表示はCtrl+O。
- アスペクト比の指定は、起動時にオプションを付ける(例:-aspect 16:9)。
これだけできれば、通常使用には困らない。WMPよりも遥かに便利である。
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