†PCうそつき講座†

MILLINUX

作成開始日 2018.09.10
最終更新日 2018.09.20

恐らく制御用の組込PCのようなものだと思う。 名称からもLINUXベースで動作するのが前提と思われる。 発売時期は不明だが、ハードウェアの水準としては2000〜2001年ころのレベル。WinMeは楽に動くがXPはやや厳しいだろう。M/BはPico-ITXのECM-3610(2003年発売?BIOSのタイムスタンプは2005年3月)。CPUはEden ESP C3/1GHz(多分Nehemiaコア)。RAMは512MB…だったかな? 型番はSUM-R7-V100ではないかと思うが、SUM-R7-V100には内蔵されているはずのHDDがなく、CFスロットの数やRAM容量も違ったりして、ちょっと微妙。

●消費電力と冷却

消費電力は、実測でアイドル時13w/ピーク時20wくらい。普通のC3よりは少し小さいが、取り立てて低発熱ということでもないようだ。筐体に触ればそれなりに熱い。なお、電源はACアダプタではなく、電源ユニット内蔵。それでこの筐体サイズは驚きだが、コンデンサが鳴くんだよね…

EdenはファンレスCPUだが、本機には小さなケースファンが1つ付いている。ファンレスPCではない。当初は故障で回転しなかったが、羽根を軸にはめ直したら回転し始めた。しかし、物凄い爆音の上に大した冷却効果はなさそう。結局、分解してファンの電源コネクタを引っこ抜いてしまった。これで熱暴走するようなら、そもそも使う価値はない。

一応、この状態で温度をチェックしたところ、BIOSの表示するCPU温度は40℃強(室温28℃程度:OS/2使用時)。これなら心配のないレベルだろう。ただし、やはり通気が重要なようで、筐体のパンチグン面に障害物があると50℃超まで上がる。設置には十分な配慮が必要。あるいは、CPUの直上あたりに大口径の静音ファンを取り付ける、という選択肢もあるか。

なお、BIOSでCPUクロックを大幅に下げたら(x7.5→x3.0)ブートしなくなった(^_^; また分解してコイン電池を外して初期化。

●ビデオチップ

ノートPC用のProSavage PN133を搭載。ASCIIの記事(https://ascii.jp/elem/000/000/329/329826/index.html)によれば、性能的にはApollo PLE133(Blade 3D)よりも上とのこと。ただし、あまり速い印象はない。恐らくCLE266よりは下だろう。DVD再生は困難だと思われる。

●MBとCFスロット

MBはPico-ITXのEvalue ECM-3610。MB上に出ているコネクタ類は標準的なものではないようで、何をつなげば良いのか、イマイチわからん…。一応、FDDとパラレルポートのピンらしきものは確認できた。

背面にCFスロットが2つある(CF1/CF2)。 ともに程度が悪く、CFの挿抜に難あり。 CF1のイジェクト金具を千枚通しで押して形を修正したら、 なんとか使い物になるレベルにはなったが… CF2の方は使用しない方が賢明(そもそも動作不可という情報もある)。

●OS/2とUSBマウス

OS/2ブート成功。一応の動作はできたが、いくつか難問も。 まずは、マウスの認識で躓く。結論から言うと、UHCIドライバを旧バージョンに交換することで解決。そもそも本機にはPS/2コネクタが一つしかなく、MS/KB兼用なのだが、手持ちのスプリッタでは通電もしなかった(本来は純正のスプリッタが付属しているらしい)。仕方ないので、KB=PS2/MS=USBという構成にしたのだが、私の標準構成のOS/2ではUSBMOUSEドライバの組込みが不可能。つか、UHCIドライバの組み込み段階から変なメッセージが出て、以降のドライバの組み込みが上手くいかないようなのだ。で、UHCIを旧バージョンに戻したところ、なぜかスンナリ認識した。

その後、別の環境(W45_Pack非適用)で試したところ、新しいUHCIドライバでも認識可能になったが、今度はマウスのCtrl+スクロールなどが効かなくなった。この症状は古いドライバに戻しても改善されず。まあ、この辺りはドライバのバージョンの統一が難しい、かなりややこしい問題なので、当面は放置。最初の環境はAMOUSEをインストールしてしまい、マウスドライバ周りがエライ事になったものなので。とりあえず、最低限の動作をすればよしとする。

一応、判明した対応策;smouseドライバを使用すること。これでCtrl+ホイールが有効になった(マウスの設定は少し弄る必要があるが:PMスクロールを有効に)。PS/2マウスであれば標準ドライバで問題ないが、USBマウスを使う場合はsmouseを推奨。と言うか、smouseを標準ドライバとしても良いと思う。なお、こいつはドライバ・ファイルだけでなく、DLLも置き換えるタイプのドライバだが、割合に行儀が良く、元ファイルを「*.000」とリネームして保存してくれるので、元に戻すのが楽。行儀の悪いAmouseとは大違い。

●USBブート

オンボードUSBはUSB 1.1のUHCI×2のみ。EHCIはない。2003〜5年の製品だとしたら、USB 2.0非対応はかなり見劣りする。一般PCで言えば、2000年〜2001年ころの水準と考えた方が良さそうだ。Puppy Linux 5.7.1でUSBブートを確認したが(USB-HDD設定)、USB 1.1のためか、かなり長い時間が掛かる。USBベースでの運用は難しいだろう。また、FDDモードのUSB-DOSはブート不可能だった(USB-ZIP設定でも不可)。制限は多い。

●OS/2とLAN

現在はもう一つの難関であるLANで引っ掛かっている。チップに貼られたシールをめくって、RTL8139Cであることは確認できた。しかし、ドライバ組み込みで失敗する。詳しい原因は不明だが、要するに2LAN構成がネックになっているようだ…以前も2LANのシステムはいじったことがあるのだが、今回は妙に上手くいかない。

基本的に、同じLANチップが2つあるため、ドライバ組み込み時にアイデンティファイが不可能、という症状。原理的にはMPTSで各LANチップのBUSNOとDEVICENOを指定すれば良いのだが、その値が判らない。結局、Puppyを起動してハードウェア情報をチェック、下記の値(Bus番号とDevice番号)を設定したら正常に組み込めた。

BusDeviceFunctionIRQI/O address
0110100xec00-0xdcff
0120110xe000-0xe0ff

しかし、OS/2からバス番号やデバイス番号を確認する方法がないというのは情けない…Puppyがなかったら動かなかった。
つか、無指定の場合は、無条件で番号の若い方から割り当てれば良いハナシではないのか?はぁ〜〜〜…

●現状での総括

OS/2で一通り使用できるようになった。静音性・消費電力ともに問題はない。ただし、パフォーマンスは難ありだろう。
C3/1GHz/512MBでPN133ではSeamonkey 2.28はかなり厳しい。動くは動くが実用的とは言い難い;非常用。
現在、TLS1.2非対応のブラウザでは接続拒否されるHPが増えているため、さしもの私でもSemonkey 1.xのみでは厳しい。
これはLinuxでも同じこと。本機で実用パフォーマンスを出せる古いLinuxでは、TLS1.2対応のブラウザが動かない可能性が高い。
つまり、ダメではないが主力機として使うのは厳しい、と言うカンジ。実家用にどうかと思っていたが、ちょっと無理。

ふむ…ひな型作成用PCとしては割合に便利ではないかと。ACSと違ってgenmacは不要だし。
無音なので、試行錯誤が重なってイライラしてきても、メンタル的に耐られる。
これが、Lavieのような爆音機だと、気持ちが荒んで本当に人生が嫌になってくる。


Longrun reports ...

2018.08.31:オークションにて1200円[コミコミ2064円]で落札。程度はかなり悪い、所々にサビも見える、内部にけっこう埃も。
2018.09.10:OS/2動作確認。ただし、ケースファンが回転しない。
2018.09.12:ファンの修理;羽根が軸から外れていたようなカンジなので、ぎゅっとはめ直してみた。
2018.09.13:ファンの回転を確認、ただし物凄い騒音、再度分解して電源コネクタを引っこ抜いた。
2018.09.13:USBドライバの設定でハマる;まさか旧バージョンに戻すハメになるとは…
2018.09.13:LANはRTL8139Cと確認するも、なぜかドライバ組込みに失敗、開通せず。
2018.09.15:LAN問題苦戦中。手掛かりがないではないが、本機の稼動は喫緊の問題ではないので、一時作業中断。
2018.09.16:気が変って、PuppyでBUSNO/DEVICENOを取得;この値を使用したら見事に開通…嗚呼…
2018.09.17:CFを8GBに交換して、一応実用システムを構築−−が、流石にSeamonkey 2.28はツライ。


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