†PCうそつき講座†

Brother HL-1650 PS互換レーザープリンタ

作成開始日 2003.11.13
最終更新日 2021.06.11

PostScript 3互換で自動両面印刷可能な実売3万円のレーザープリンタ。これは超お買得でしょう。OS/2でも快調に動作する。ただし、2021年現在、流石に各種サポートは切れていて、ドライバの入手も困難になっている。

●OS/2用ドライバ

英語版DDPack OnLineで入手した(pscriptjp.exe)。2021年9月現在、OS/2 siteで入手可能

最初は日本語版のDDPack OnLineで入手したんだがHL-1650用がない。仕方ないのでHL-1260で代用(Pscrpt2j)。これでも一応動作は確認したが、用紙設定にB5がないんだよ。用紙定義も追加できん。これは非常に困る。

で、英語版DDPack OnLineに行ったんだが、一覧にはやはりHL-1650用はなかった。そこで、型番の近いHL-1850PS用のドライバ(pscriptjp.exe)をダウンロードしてきたら、pscript2.drvの中にちゃんとHL-1650用のドライバも同梱されていた。しかも、B5判も両面印刷サポートされていた。

日本ではHL-1850はPostScript互換のBR Scriptが採用されているが、どうも輸出版ではPS互換機と従来のBPS機の両方があるようだ。だから、ドライバも「HL-1850」用と「HL-1850PS」用に区別されている。

なお、OS/2からの出力は、Winからに比べると画質が劣る。解像度は600dpiになっているのだが、なんだか粒子が粗いような…文字だけならば良いのだが、画像が入ると違いがはっきり判ってしまう。psprint-30_904という新しいドライバが出ているようだが、これならば改善するか?

●Windows 32ビット用ドライバ

少なくとも、メーカーからWindows 98/NT4/2000用が供給されている。恐らく、Windows 7も32bit版ならば、Win2000用で大丈夫だと思う。てか、そもそも、PS互換だし、どうやらHPのLJ互換モードもあるらしい。我が家ではWindows Meで動作を確認。

●Windows 64ビット用ドライバ

64ビット版のWindows 7には、HL-1650用ドライバは存在しない(少なくとも確認できず)。しかし、HL-1650に比較的近いと思われる「HL-2045」用の64ビット版ドライバは存在するので、これを用いれば一応印刷可能になる(細かな設定がどこまで有効かは不明)。

●ネットワーク・プリンタ化

HL-1650にはネットワーク・プリンタ機能はない。なので、以前はsambaでプリンタ共有をしていた。しかし、sambaのバージョンが上がったために、OS/2からは印刷不可能になった。そこで、旧式のネットワーク・プリンタ・アダプタ(IO DATA ET-FPS1L)を中古で入手して使ってみたのだが…smbでまともに印刷できたのはWinMe(@VMWare)だけだった。

OS/2では、smbの共有プリンタとして認識はできるのだが、出力が出て行かない。仕方ないので、LPRを使って出力した【別項参照】。

Win7では、ET-FPS1Lのsmb共有が見えない(u_u;) 仕方ないので、こちらもLPRで対処した。

@LPRポートの使用を許可

コンパネの[プログラムと機能|Windows の機能の有効化または無効化|印刷とドキュメントサービス]から[LPR ポートモニタ]と[LPD 印刷サービス]を選ぶ。
※ウチでは「LPRポートモニタ」のみでよかった;後者はプリンタ共有用か?

Aドライバのインストール

HL-2045用ドライバをインストール(多分HL-1650に一番近い)。
ポートはプリンタのIPアドレスを指定。

Bプリンタ・オブジェクト名を「HL-1650」に変更(混乱しないように)

●WIN-OS/2での使用

標準のPostScriptドライバであるPSCRIPT.DRVで印刷確認(300dpi)。Warp 4.52のCD-ROMの\os2image\disk_wd1の中に入っている(標準ではインストールされない? システム・インストール時にPSプリンタを指定すれば良かったのかな?)。

接続ポートはLPT2。ネットワークにプリンタに接続されている。あえてOS2.LPT2は使わなかった。なお、WIN-OS/2のPostScript用ドライバでは300dpiしか出ない。と言っても、OS/2のドライバの300dpi設定よりはずっと奇麗。ハーフトーンの美しさで言えば、

OS/2用600dpi > WIN-OS/2用300dpi > OS/2用300dpi

WIN-OS/2では主にPaint Shop Pro 3.11を使用。大量&高速な画像出力用。OS/2 NativeのPMViewは印刷時の内部処理に非常に時間が掛かる。また、PMJpegは出力は高速だが、ファイルオープンの機能が貧弱で大量の画像ファイルを順次印刷するのには適さない。結局、WIN-OS/2のPSPに頼るというナサケナイ状況。

●使用感

総じて良好。Future Wave Editor、PMView、自作のプリントツール、WIN-OS/2のPaint Shop Pro 3.11で出力してみたが、速いし奇麗で言うことなし。ただし、筐体はけっこう大きくて(このクラスとしては小さい方だが)置き場に少々苦労した。また、印刷時の騒音もけっこうあって、夜中にアパートで使用するのはちょっと問題。スリープ時はほとんど無音。さらに、ときどき用紙の給送ミスを起こす。トレイに入れた用紙数が少ないのか、少し傾いてい設置しているせいか、はたまた裏紙を使っているためか…

●両面印刷

このHL-1650の最大の特長は、両面印刷機能があること。無論、用紙の節約にもなるが、それ以上に、冊子の印刷に使えるのが非常にありがたいところ。ただし、HL-1650の両面印刷機能はA4判(またはリーガル/レター)でしか使えない。しかも、用紙も普通紙(60〜105g/m2)しか使用できない。これは冊子の印刷にはかなり不便。そもそもA4判両面ではデカすぎる。せめて半分の大きさ(A5判)の冊子は作れないかと…

*A5判冊子の作り方*

無論、こういう作業はOS/2では荷が重い。以下はすべてWindowsの話。 まず、A5の文書を単純なページ単位のPDFファイルにする。 そのPDFファイルをAR9で開いて、印刷ダイアログでA4判の冊子印刷を指定し、両面印刷する。 このとき、左右の綴じ方向と、両面の合わせ方向に注意。 縦書き本ならば右綴じ、横書き本ならば左綴じが基本。 また、1枚に2ページ出力しているので、両面印刷は短辺で合わせる必要がある。 こうして印刷したら、用紙を真ん中から切って、ステープラで綴じてできあがり。

「冊子印刷」とは、中綴じ本のページ順になるように面付けした両面2ページ印刷。たとえば、縦書きA5判8ページならばA4判用紙2枚に、@−G/F−A|B−E/D−Cの順で印刷される。

ただし、我が家の環境の場合、Win7(XP以降)からはプリンタが見えない。samba経由でネットワークにつながっているのだが、どうも、sambaのバージョンが古すぎるようだ(ver.2.0.7)。かと言って、ver.3以降はOS/2での使用に問題が出るし…2.2ならば何とかなるのかぁ…??

ともかく、そんなワケで、AR9から直接印刷する事ができない。 しょうがないで、BullZipなどのPDFプリンタドライバを使用して、 PDFファイルに出力する。 これで、単純なページ順のPDFが、中綴じ本の順に面付けされたPDFに変わる。 このPDFをWinMeに持って行って、Acrobat Reader 5から両面印刷すればよい。 ファイルの互換性が心配だったが、特に問題なさそう。


【PCうそつき講座目次】 【ホーム】