†PCうそつき講座†

Celeronメモ Core世代の廉価モデルについて

作成開始日 2023.03.25
最終更新日 2024.02.18

TEモデル (2024.02.05)

組み込み用CPUで、低消費電力とECCメモリ対応が特徴(非ECCも可)
低発熱なのでファンレス稼働も視野に入るが、絶対性能はかなり劣る
Haswellよりも前の世代には存在しないようだ
TEモデルの例(pmは旧passmark値)
Celeron G1820TE 2.2GHz Hawell pm=2100 メチャ遅だがファンレスも視野に
Core i3-4330TE 2.4GHz Hawell pm=3200 かなり遅いが2.4GHzは魅力的
Core i3-6100TE 2.7GHz Skylake pm=4300 速度的に改善も発熱は増大か?
※Ci3-6100TEはwikiに非掲載

個人的にはpm=4000を汎用PCの実用目安と考えているので、全体に力不足の感は否めない。ただし、ローエンドのCeleron G1820TEでさえ、Core2 Duo E8400やAthlonII X2 280に匹敵する性能(共にその世代の上位モデル)。Win7世代のアプリならば問題はなく動作すると思う。

T/TEモデルはGPUのクロックがノーマルモデルと異なる。たとえば、Haswell世代のGPUのクロックはざっくりこんなカンジ…(例外はあるかも);

  ベース ターボ
ノーマル版  350MH 1.10〜1.20GHz
Tモデル 200MHz/350MHz  1.05〜1.20GHz
TEモデル 200MHz/350MHz 1.0GHz

ただし、こうした違いが実消費電力にどの程度影響するかは不明…つか、たぶん、ほとんど影響がないような気がする。TEモデルではないが、ベースが200MHzのTモデルCPU(Ci3-4160T等)を使ったときも、特段、アイドル時消費電力が低かったという記憶はない。ま、ちゃんとチェックはしてないが…ファンレス化を想定しなければ、TEモデルに積極的な意味はないかもしれない。

Celeron E3000系はCore2 Duo世代の省電力モデル?

Core2 Duo世代には「省電力モデル」が存在しないようで、ほぼ全てのCPUのTDPが65w以上(*)。排熱能力の低いミニPCなどではかなり苦労する。そうした中で、Celeron E3000系/Pentium E5000系は実消費電力がかなり小さく、実質的に「省電力モデル」と呼んで良いと思う。

(*) 例外として、1-coraのCeleron 400系がTDP=35wだが、これはEIST(SpeedStep)が無効であるため、アイドル時の実消費電力はCore2 Duoよりも遥かに大きい。全く省電力ではない。

消費電力を左右する要素は;

@コア:第1世代のAllendale/Conroe(65nm)よりも、第2世代のWolfdale(45nm)の方が省電力
A内部クロック:333MHz/266MHz/200MHzの3種類あるが、200MHzのCPUが一番省電力

つまり、[Wolfdale/200MHz]のCPUが最も省電力・低発熱となるが、Core2 Duoにはそうしたモデルは存在しない。で、[Wolfdale/200MHz]という条件を満たすのが、Celeron E3000系/Pentium E5000系と言うこと。C2D E7500等と比べると、アイドル時で3w程度は消費電力が低い。発熱も大きく異なるようで、ファンの風切り音もはっきり違いが判る(温度は冷却に左右される)。

そして、もう一つのポイントがVT-xへの対応(個人的に必須)。C2DやPenE5000系はVT-x可否が混在していて、同じ型番でもsSpecが異なると可能だったり不可能だったりと紛らわしいが、CelE3000系は全モデルがVT-xに対応している。更に言うと、この世代は、主にキャッシュによってC2D/PenE/CelEの差別化が図られていたようで、動作クロックにあまり大きな差はない。つまり、CelEとPenEに明確な性能差はない。Core i世代とは事情がかなり異なるようだ。

なお、C2D E7000系/E8000系はSSE4対応だが、PenE5000系/CleE3000系は非対応。SSE4がどれだけネックになるかは不明だが(SSE3必須のアプリは多いが)、一応、C2Dとは明確な違いがある。

Haswell世代のTモデルは単なる低クロック版?

末尾に「S」「T」「TE」などが付くCPU(例えばCelron G1840T)は省電力モデル。Haswell世代の場合、ノーマル版がTDP=53wなのに対して、TモデルはTDP=35wと、消費電力が大幅に低減している…のか? 省電力版ならば、通常版よりもコア電圧が低いのが普通だと思うのだが、ざっと見たところ、Haswell世代のCPUはコア電圧のデータが公表されていないようで、確認が取れない。Tモデルは「省電力版」ではあっても「低電圧版」ではないのか…?

さらに、ユーザーさんのレポートを読むと、そもそもTモデルとノーマルモデルの間には、性能面でも実消費電力でも有意差はないらしい。となると、やっぱり、Tモデルは単なる低クロック版ではないかと言う疑問が…。Core iのTモデルは知らないが、少なくとも下位モデルのCeleronでは、両者は同じ物である可能性が高い。

そもそも、HaswellのCore i3-4370(3.8GHz/2c/4t)と、Celeron G1820(2.7GHz/2c/2t)のTDPがほぼ同じってのがおかしい(厳密には1w異なるが)。同じコアで倍以上の性能差があるのだから、消費電力も倍程度の差が出て当然だろう。勿論、TDPと実消費電力は異なるが、それでもG1820のTDPは35w程度が自然な気がする。ま、GPUのTDPへの影響は別途考えなくてはいけないが…

【追記】やっぱ、GPUのクロックが違っていた。無印は350MHz、Tモデルは200MHzだった。ま、この程度の差でTDPが20w近く違うとも思えないが。なお、Pentium GとCeleron GはGPUのターボ時のクロックに違いがある(僅かだが)。さらに、TEモデルはターボ時クロックがTよりも更に低い(これまた僅かだが)。(2023.04.06)

【追記】T/TEモデルには、GPUのベースクロックが200MHzのものと350MHzのものが存在する。T/TEだから必ず200MHzと言うことではない。(2024.02.18)

Celeron J1900とPentium J2900

どちらもBay Trail世代(第3世代)のAtom系CPUで、基本的には同じものなの…なのか?クロックは異なるが、違いはそれだけのような気がする。コア数/スレッド数/キャッシュサイズのいずれも同じなんだよね…PentiumとCeleronという上下のある別ブランドである以上、Hyper Threadingの可否やキャッシュサイズで差別化するのが定石だと思うのだが…

CPUクロック (バースト)core/thread旧passmark値新passmark値
Celeron J1900 2.0GHz (2.4GHz)4/4 1840 1145
Pentium J2900 2.4GHz (2.7GHz)4/4 1960 1241
性能差+0.4GHz (+0.3GHz)-- +120 +96

クロックでは2割の性能アップになっているのに、passmark値の違いは1割にも満たない。単なるクロック違い版なら、リニアに性能に反映されるような気がするのだが…これじゃ誤差範囲内。


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