(2002.09.12/2008.04.08 upd)

Canon BJ F360

現在では流石に時代遅れのスペックだが、家庭用常用プリンタとしてはそこそこ使える。ただし、インクの目詰まりにはやはり悩まされる。通常インクでの写真印刷は厳しい。ドットがかなり盛大に出る。フォトカートリッジを使えばかなり改善されるが、それでも粒子は目視で確認できる。昇華型熱転写プリンタと比べると明確に劣る。

■基本使用
解像度 1440×720dpi
インク 4色(黒・マゼンタ・シアン・イエロー)
ヘッド
カートリッジ
通常カラー BC-33e(05年現在の新品市価約5000円)
フォトカラー BC-34ePhoto/ブラック BC-30e
OS/2での使用 可能(OMNIのBJ F600用ドライバを使用)
その他 ◎BJ F300の後継機種で、基本仕様に大きな違いはなさそうだ。カートリッジも同じ。
◎インクおよびドライバはBJ F600シリーズと互換性があるようだ。
◎BJ F600シリーズはフォト時6色なのでカートリッジには互換性がない。
◎フォトカラーも4色だが、重ね打ちで色の濃淡を表現するらしい。
◎フォトカラーインクは黒・赤・青の3色のみ。黄色は通常インクと兼用のようだ。

●インクの目詰まりとヘッドカートリッジの入手

インクの目詰まりはインクジェット・プリンタ共通の問題だが、このBJ F300シリーズは特に黒と黄色が目詰まりしやすい機種らしい。ヘッドが完全に目詰まりしたら、カートリッジの交換以外に方法はない。問題は値段。ヘッドカートリッジ(インク付き)は定価6000円、市価でも5000円くらいと馬鹿馬鹿しく高い。これだと、オークションで本体ごと買い直す方が安く付くかも知れない。

BJ-300/360の中古完動品の取り引き価格は1000円前後。送料は出品地や運送業者によって大きく異なるが、1000〜1300円くらいだろう。タマ数は多いので、コミコミで2000円台前半に収まるものを選べばよい。間違っても、動作未チェック品やジャンク品には手を出さないこと。また、出品者と交渉して、カートリッジのみ送ってもらうことができれば、送料は安く済む。

もっとも、新品のカートリッジにはインクが付いていて、インクが各色1000円(黒は1100円)だから、カートリッジ単体の値段はそう高くはないのかも知れない。これだけ目詰まりしやすい機種なのに、カートリッジの単体売りをしないキヤノンが阿漕なんだな。ということで、インクがない状態ならば、新品を購入する方が賢明かもしれないが、インクがたっぷり残っているのに、目詰まりで使えなくなったら、やっぱりオークションで本体ごと買う方が良いような気がする。私は、BJ-300+BC-33e+BC-34ePhotoを2200円(送料・振込料含む)で入手した。

●OS/2での使用

OMNIのBJ F600用ドライバを使えば問題なく動作する。BJ F600シリーズはBJ F300シリーズとヘッドの仕様に互換性があるようだ(ただし、通常カラーのみ;フォトカラーはインク数が異なる)。なお、600も300もスペック上の最高解像度は1440×720dpiだが、OS/2では720×720dpiしかサポートしない。ひょっとすると、レギュラーインクはそもそも720×720dpiが上限なのかもしれない。

また、OS/2のBJ用ドライバは昔から初期設定に問題があり、デフォルトの256色マジックスクエア方式では、非常に汚い画像しか印刷できない。必ず、印刷モードを「24ビット黒およびカラー」に、カラー・ディザも「スタインバーグ拡散」または「Stucki拡散」にすること。

なお、初期のOMNIドライバでは、色が非常に薄く印刷されるというトラブルを経験したが、OMNI J 30.800では問題なく印刷できた。色が薄い場合は、印刷用ソフト(私の場合はPM View)のγ値補正でも対処できる。ドライバには濃度調整のパラメータもあるのだが、こちらは原則的に使用しないこと。カラーの濃度をあげると白地の部分まで色が乗る。

●高速印刷

主にOS/2でモノクロ印刷(テキスト)用に使っているが、印字速度がべらぼーに遅い。これは、解像度を最高の720×720にしているため。160×160にすれば非常に高速になる。もちろん、印字品質は非常に落ちるけれど。

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