†PCうそつき講座†
作成開始日 2020.09.23
EPSONのオフィス用小型PC。2013年12月発売、CPUはHasewll世代(Core第4世代)。正式サポートされているCPUはCeleron GからCore i5まで。排熱能力の問題で高TDPのCPUは推奨されない。RAMスロット2本、SATAポート2本(HDD+DVD)、拡張スロットなし。拡張性に乏しいミニマムな構成のPCだが、AY系では初のUSB3.0搭載機で、高速ストレージの増設が可能になった。
逆に言うと、本機以前のAY系には、高速ストレージを増設する手段がなかった(DVD用の内部SATAをeSATAに変換するという裏技はあるが…)。これは他社製品と比べるとかなり見劣りする。このサイズの筐体で拡張スロットがないのも、今更ながら、ちょっとどうなんだろう…
実は、本機にはHaswell Refreshを載せるとリブートの際にハングするという難点がある。この現象はWindowsに限らず、BIOS画面からリブートしても発症する。これには少なからず驚いた。無印HaswellとRefreshは完全互換だと思っていたのだが…無印/Refreshとも各3種類のCPUで確認したのだが、全て同じ結果になった。
2014年2月にBIOS(UEFI)のアップデートが出ている。時期的に、これがHaswell Refreshへの対応バージョンかとも思ったが、アップデート済み機体でも上記の症状は発症した。
リブート中にハングした場合、電源ボタン長押しで電源を落さなければならない。これは、Windows Updateやアプリのインストールの際にかなり煩わしい。と言うか、このレベルの問題が発生するとなると、他にも隠れた不具合があるのではないかと不安になる。従って、換装するCPUは無印Haswellのみとしたのだが、中古市場ではむしろRefreshの方が多い。低消費電力(Tモデル等)の無印Haswellを探すのは、けっこう根気のいる作業だ。
さて、以上を踏まえた上で、以下のようなCPUをチェックしてみた。
CPUはクロックを落とせば発熱が小さくなる。しかし、発熱対策のために性能を犠牲にしては意味がない。そのバランスをどこで取るかが問題。Core i3-4130を使って、そのあたりの相関関係チェックしてみた。
(*1)CPU-Zで計測;倍率は離散値を取るので、必ずしも上限使用率とは整合しない
この結果で非常に特徴的なのは、クロックを下げると温度も劇的に下がる点。また、フルスピードで変換すれば、Core i3でもかなり高速に変換できる点。さらに、クロックを制御することで、変換速度と温度をけっこう自由に制御できそうな点。
さて、私の作業に必要な要件としては、CPU温度は60℃以下(唸りが発生しない上限)、変換速度は90fps(x3)以上。この条件を満たすには、80〜90%(2.7〜2.9GHz)あたりが適切な選択肢となる。ただし、夏場になると室温が上がるため、更にクロックを下げる必要がある。
その後、TモデルのCi3-4130T(2.9GHz)を入手。CPU温度をチェックしたところ、高負荷時でも50℃台前半に収まった。無印Ci3-4130を2.9GHzで動作させた時よりも大幅に低発熱だった。IvyBridgeまでのTモデルは、単なるクロック制限版だと思われてきたが、Haswell世代では、コア電圧がはっきりと異なり、正真正銘の省電力仕様になっている。結局、無印4130を制限して使用するより、4130Tに換装する方が賢明だと判断した。
なお、上記の表では4130Tの変換速度が遅くなっているが、これはテストに用いたファイルが異なるため。要は、私が普段扱っているレベルの動画ファイルが90fps以上で変換できれば良いわけで、それ以上の速度競争にはあまり意味がない。
発熱問題がボトルネックになる以上、CPU自体の性能よりも使用方法の方が重要になる。つまり、Ci5を使っても、発熱を抑えるためにクロックやffmpegのスレッド数を制限するのでは、Ci5の意味がない。無論、物理4コアというのは大きなアドバンテージで、同じ作業をする場合、2コアの半分のクロックで済むことになる。クロックが半減すれば、個々のコアの発熱量は大幅に低下する。尤も、コアの数は倍になるのだから、トータルの発熱量はどうなんだろう?まあ、そのあたりを実験しながら最適化する余地がある、てのがCi5のメリットと言える。
と言うことで、実験してみました。と言っても、HaswellのCore i5は高価なので(現状1000円超のパーツは厳しい(u_u;))、Ci5-4570同等品のXeon E3-1225 v3で代用した。オークションにて
Xeonはサーバ用なのでECCメモリ対応だが、通常の非ECCメモリも使用可能。また、L3キャッシュが8MBと、Core i5-4570の6MBよりも大きくなっている。これで
で、早速テストしてみた。と言っても、TDP=84wのCPUをフル稼動させるのはどう考えても無理な筐体なので、最初からCPUの上限使用率を制限してテストした(搭載CPUのラインナップを見る限り、TDP=65wが上限と思われる)。使用したファイルは「神様07.avi」(ff-mpeg4/480p/24min)、これをffmpegでh.264に変換した(設定はデフォルト)。
結果は大幅な性能にアップになった。Xeon(90%)とCi3(95%)を比較すると、変換速度は1.5倍超、温度は5℃低下と、文句なしの結果になった。これならば換装せざるをえない。ちなみに、Ci3と比較すると、同じクロック(2.9GHz)でもコア電圧はかなり低く発熱量が小さい(前表との比較)。Ci5って、単にCi3のコアを倍に増やしただけじゃないんだ…
と言うことで、一時はXeonに換装していたのだが、夏場になるとやっぱり騒音が気になり始めた。もう、速度なんかどーでもいい!てんで、結局Ci3-4160Tにしたのであった。
当初は超静音の低速ファンに換装したが、流石に排熱能力に不安を感じたので、標準ファンに再換装した。低速ファンは12dBだが、エアフローが15cfmしかなかった。
なお、元のファンの消費電力は0.3A(3.6w)で、換装した標準ファンは0.11A(1.3w)。理論上は2wほどの省電力になるはずだが、実測ではせいぜい1w程度の低減に留まった。
ファンの換装作業はかなり大変だった。AYシリーズは小さな筐体にパーツを詰め込んでいるため(と言うより、素人分解を防ぐため?)、内部が箱根細工のような構造になっている。ネジを外せばすぐに電源ユニットが取り外せる訳ではない。まずは、ドライブマウンタの取り外しから。
また、S.M.A.R.T.情報が読み取れないのは地味に痛い。ディスク異常が疑われる度にUSBに接続し直さないとチェックできないので、非常に煩わしい。
2.5"外付けHDDに関しては、単純に電源の給電能力の問題で、しかも主因は内蔵増設HDDなのは明白なのだが、そもそもデータドライブを内蔵せざるを得なかったのは、USB3.0がなかったから。USB3.0があればデータドライブを外付け化でき、電源容量にも余裕が出て、2.5"ポータブルHDDも問題なく使用できるようになる。
私の環境では、システムSSDの他に、データHDDとリムーバブルHDDが必要。で、リムーバブルHDDはeSATAボードで凌いだわけだが、データHDDは内蔵にせざる得なかった…ワケではなく、ウチのeSATAボードは2ポート増設可能なので、データHDDもeSATA化すれば良かったのだが、今度はeSATA対応のHDDケースのストックがなく…でもないか;よく考えずに場当たり拡張を重ねた末路(u_u;) でも、内蔵HDDを増設した程度で電源容量不足になるシステムもどうよ…
と言うことで、USB 3.0には大いに期待したのだが… 結論から言えば、少し期待外れ。いや、十分に改善はされたのだが、もっと劇的な改善を期待していた。
AT991EのeSATAボードでは、同じ3.5"HDD(NTFS)のDiskMark値がR/W=90MB/60MB程度、書込実測値が60〜70MB/s程度だったので、それなりに改善されているのは判る。が、それほど高速化されている実感はない。DiskMark値は2〜3倍だが、実測は3割増し程度…
当然ながら、3.5"(7200rpm/SATA600)は2.5"(5400rpm/SATA300)よりも速い。NTFS同士で比べてみれば、はっきり判る。でも、2.5"もFAT32やexFATにすると、実測値が大幅に上がり、3.5"/NFTSと同程度になる−−つまり、FAT32/exFATの方が速い。少なくとも、数百MBクラスのファイルの単純ファイル倉庫として使用するなら、NTFSよりもFAT32/exFATの方が優れている。
書き込み時の挙動を観察していると、FAT32/exFATでは、最初から最後までほぼ一定の速度で書き込んでいる。書き込み速度もDiskMark値にほぼ等しい。ごく常識的に理解できる動きだ。これに対して、NTFSは大きく異なった振る舞いをする。
NTFSでは、最初にキャッシュ分(ウチの環境では1GB弱)だけコピー処理が行われるので、最初の転送速度は300MB/s超と物凄い値になる。しかし、すぐにキャッシュの遅延書き込みに時間を食われるようになり、転送速度はどんどん低下する。トータルが数GBになるようなコピーでは、最後にはDiskMark値よりもかなり低い速度になる。
もちろん、この遅延書き込み処理にはジャーナリングに関する処理も含まれるだろうから、転送速度と安全性はトレードオフとも言えるのだが…用途的に、100MB〜1GBサイズのファイルを一時的にため込むだけのストレージなので、さて、ジャーナリングがどれだけ有効か…私にはちょっと判断しかねる。一番の問題点は、処理中は転送が止まるので、イライラや不安の原因になって、精神衛生上極めて良くない、ということかな…
FAT32時代にも遅延書き込みはあったと記憶しているが(だからUSBストレージは「安全な取り外し」が必要だったわけで)、NTFSではより複雑化して、むしろパフォーマンスの足を引っ張っている…のか?所謂「データ構造のオーバーヘッド」と言うヤツか?
【FAT32とexFATの違い】exFATはUSBメモリやメモリカードなどのリムーバブル・ストレージ向けのファイルシステムで、実質的にFAT32の後継規格。最大の違いは扱えるファイルのサイズで、FAT32は4GBが上限なのに対し、exFATは実質無制限(Wikiには128PBとか16EBとかとんでもない数字が並んでいる)。また、扱えるストレージの容量も、FAT32では2TBが上限(慣例的には32GBまで)なのに対して、exFATは512TBとか64ZBとか…もう、単位がわからん(^_^; いずれにしろ、2TBを超えるストレージや、4GBを超えるDVD/BDのISOイメージを扱うなら、exFATに移行せざるをえない。反面、互換性の面ではFAT32の方が有利。LinuxやOS/2でも扱える(LinuxのexFAT対応にはまだ課題があるらしい)。また、パフォーマンスや安全性の面で、exFATに何等かのアドバンテージがあるかと言うと…特に明記されている資料が見つからなかった…フム…
【余談】今回テストに使用した2.5"HDDは、もともとFAT32でLxPupTahrに接続していたもので、日本語ディレクトリ名が文字化けしていた。が、FAT32のまま使う分には特に問題は生じなかった。後から別のファイルを追記しても、何も不具合は発生しなかった。ところが、convertでFAT32からNTFSにファイルシステムを変換したら、途端に不具合が発生。大きなファイルを書き込もうとすると、フリーズしてしまうようになった。たぶん、ジャーナリング処理中に文字化けした不正ディレクトリ名が悪さをしているんだろうと思う。結局、フォーマッタで更にしたら、NTFSでもFAT32でも問題なく使用できるようになった。
Ah.264(パラメータはデフォルト)の変換の目安は[200fps/60℃]:このレベルでもファン音はそこそこ大きくなる。65℃を超えないと唸りはしないが、静かな環境ならば60℃以下でも回転速度が変化しているのが聞き取れる。
その後、同様な症状が再発。発症のタイミングが前回と同じで「D:の空き容量が940GBを割ると発症する」=「使用量が800GBを超えると発症する」ことが判った(D:の全容量1.74TB)。しかも、今回はより深刻で、勝手にリブートが掛かる事が何度もあった。
ネットでSSDの低速化についていろいろ調べてみたが、どうも有用な情報が出てこない。区画の境界がどうの、ファイルの断片化がこうのと書いてあるが、そんなんで1/100に落ちるなんてことはない。もっと、根本的で明確な理由があるはずなのだが…
原因は判らないが、経験的に空き容量−−と言うより使用量がトリガーになっている可能性が高いと踏んで、1.74TBのD:ドライブを800GB×2+αに分割してみた。区画の縮小とデータの移動は大変だったが、とりあえず効果はあったようで、元のR/W=240/330(MB/s)に戻った。ただ、これがいつまで維持できるか…
実はこの現象、以前もAT991E+240GB SSD(GreenHouse)で発症していた。つまり「800GB」という数値自体に意味があるわけではないようだ。なお、そのときは、SSDをWDの250GBに交換したら直った。以後、WDのSSDでは発症しなかった。メーカーが原因の可能性もあるが、Win7で低速化が発症したGreenHouseの240GBも、Linuxでは何の問題もなく快調に動いている。
ひょっとすると、SSDに複数区画を作成すること自体に問題があるのかも知れない。が、私の使用方法ではC:/D:分割は必須;あるいは、単一区画上に仮想ドライブを作成するという方向で考える方が良いのかも…? が、それではシステムクラッシュ時の対応が…
で、今回は少し調べてみたのだが、どうやら、キモはネットワーク共有(peer/smb)にあるらしいと判った。共有設定をしているフォルダに、外部から繋ぎっぱなしになっていると異常低速化が発生するような、しないような…確証は取れなかったが、かなり有力な感触。で、今回試したこと;
サービスを無効化するときは、当該サービスをダブルクリックして設定ダイアログを表示させ、サービスを[停止]させた上で、[スタートアップの種類]を[無効]に設定する。
もう一つの問題が、Windowsからファンが検出できないので、負荷に応じた冷却ができないこと。ファンの自動制御自体は効いているようだが、ファンの回転数の上昇がはっきり判るのはCPU温度が65℃を超えたあたりから。実際にはもっと早い段階で回転数が変化しているのかも知れないが、ファンが検出できないので確認できない(FanSpeedやFanCtrlを使用)。
BIOSにはファンの回転数に関する設定項目もあるが、固定%の設定しかできない(恐らくはベースになる回転数)。自動制御の設定や、冷却スキームに関する設定はない。
この「65℃超」と言うのが微妙なところ。Haswell Core i3のTcaseは72℃。ほぼ100%負荷で3時間くらい連続で変換を掛けることもあるので、CPU温度=Tcaseと考えても良いと思う。そうなると、余裕が5℃程度しかない。いや、5℃以上ある、という考え方もあるのだろうが、個人的には何とか60℃以下で安定運用したい。そうなると、選択肢は3つ;
@Celeron G1820のような低速度・低発熱CPUを使用する
私の用途から言って@とBはありえない。しかし、Aの無印HaswellのTモデルも入手がかなり困難。オークションにも滅多に出ないし、出ても馬鹿馬鹿しいくらい高価…と思っていた。
当面、在庫のあった64GBのSSDで凌いだが、すぐに480GBの中古SSD(コミコミ
最終更新日
基本スペック
CPU Core i3-4130T 2@2.9GHz/2c/4t/35w/pm=4100
Xeon E3-1225 v3 (SR1KX) 4@3.2GHz/4c/4c/84w/pm=7200
Core i3-4130 2@3.4GHz/2c/4t/54w/pm=4800
Celeron G1820 2@2.7GHz/2c/2t/53w/pm=2700
C/S Intel H81
RAM
8GB : DDR3L-1600 (PC3L-12800) 4GB x2
SSD 480GB:TEAM T253X1480G
2TB : SunEast SE900 / SATA III 御臨終
VGA Intel HD Graphics P4600 ※arkのHPより
(Intelの公式資料が見つからなかった;Windows上では「P4600/P4700」と表示される)
AUD Intel HD Audio(Realtek ALC662-VD)
DVD PLDS DH16AESH(DVD±R)※DVD-RAM対応未チェック
LAN 1000/100/10 : Realtek RTL8111G
USB USB 3.0 x2(背面)/USB 2.0 x2(前面)+x4(背面)
PS/2 x2(keyboard+mouse)
CPUの換装の問題点
AY330SにはCelron GからCore i5までいくつかのモデルがあるが、私が入手したのはCeleron G1820というローエンドモデル。Haswell世代としては最底辺の性能。とは言え意外に使えるので驚いたのだが(WEI/CPU=7.2)、流石に動画変換には力不足。そこで、CPUを換装する事にしたのだが…
ごくオーソドックスな選択肢。中古市場でも割とありふれているので入手は楽(
Core i5-4570相当。性能優先でCore i5を試してみたくなったのだが、HaswellのCi5は高価で手が出ず、代替品のXeonを入手した(本末転倒)。流石に物理4コアは高性能で、動画変換速度は大幅に上昇。しかし、発熱と騒音の低減のために、CPU使用率の上限を大幅に制限する必要があった。ケースファンすらない小型筐体で、TDP=84wのCPUを使うのはやはり無理がある。
低消費電力のTモデル。ノーマル4130のCPU使用率を制限するのとどこが違うんだ、と言われそうだが、使用実感ではこちらの方がかなり低発熱。高負荷時でも50℃台前半でファンの唸りはない(室温28℃)。変換速度もまずまず実用レベル。問題は無印HaswellのTモデルは入手が困難なこと。長い間オークションを探して回って、やっと格安品(CPU上限使用率とクロックおよび温度
本機のテーマは「発熱と性能のバランス」。一応、動画編集が主たる用途のPCなので、性能はないがしろにできない。が、この筐体は熱が籠りやすく、高発熱のCPUを使用するのも難しい。また、私は騒音にかなり敏感な方なので、CPUファンが唸り出すような環境では実用にならない。
上限使用率 倍率 クロック コア電圧 最大温度 ffmpeg変換速度 100% x34 3.4GHz 1.098-1.141v 68℃ 143fps(x4.8)
x32 3.2GHz 1.068-1.107v 63℃ 136fps(x4.5)
x29 2.9GHz 1.019-1.058v 60℃ 124fps(x4.1)
x27 2.7GHz 0.990-1.024v 57℃ 116fps(x3.9)
x24 2.4GHz 0.946-0.976v 53℃ 105fps(x3.5)
(参考)Ci3-4130T x27 2.9GHz 0.906-0.916v 53℃ 109fps
(*2)コア電圧は低い方が基本で、ときどき高い方に振れる
(*3)室温は約25℃、温度の典型値は最大値より2℃程度低い
(*4)24分のff-mpeg4/480p動画をh.264に変換(デフォルト設定:q=29/threads=6)
(*5)動作環境が他のデータと異なる;室温は2℃ほど高い、変換ファイルも異なる?
Xeon E3-1225 v3(Ci5-4570相当)への換装
……と、まあ、現状では達観しているワケだが、やっぱり遅いより速いに越したことはない。てんで、Ci5(相当)への換装も試みた事がある。CPU性能自体を考えると、当然の事ながらCi5はCi3よりも相当速い。物理コアが2倍になって、処理速度はざっくり1.5倍程度になっている。Ci5をフル稼動させれば、確かにかなりの高速化が可能だが…やっぱり、発熱と騒音がボトルネックになる。
CPU 上限使用率 クロック コア電圧 変換速度 最大温度 最大消費電力
Xeon E3-1225 v3 95% 3.0GHz 0.947-0.952v 220fps (x7.3) 60℃ 66w
Xeon E3-1225 v3 90% 2.9GHz 0.932-0.952v 212fps (x7.1) 58℃ 65w
Ci3-4130 95% 3.2GHz 1.068-1.107v 136fps (x4.5) 63℃ --
電源ファンの換装
本機でも最大の騒音源は電源ファンだった。元のファンはADDA AD0812UB-A70GLという型番で、3400rpm/40dB/43.8cfmという、爆音もさもありなんと言う仕様。これをX-FANのRDM8025Sという標準ファンに換装した。こちらは2500rpm/24dB/32.7cfmという仕様で、性能的には1ランク劣るが、大幅な静音化が可能になる。低速ファンほど静かなわけではないが、実用上は問題ない。
@背面のネジ3本を外して、天板を取り去る
Aフロントパネルのプラ爪(4箇所)を逃がして取り外す
BDVDドライブを取り外す(ネジ2本)
Cドライブマウンタを留めているネジ4本を外す(フロント2本+内部2本)
Dドライブマウンタを横にずらして外す
これでドライブマウンタが外れる。なお、内部のネジうち1本はATX電源ケーブルの下に隠れていて物凄く回しにくい。組み立て時には取り付けないのも選択肢。別になくても困らないネジ−−と言うか、分解されないように付けたイジワルネジでは? で、次は電源ユニットの取り外し。
@背面の電源ユニットのネジを3本を外す
A電源ユニットを奥に押し込んで、底面のツメを外す
Bマザボに繋がっているすべてのケーブルを外す(ATX電源ケーブル以外)
Cマザボを留めているネジ4本を外す
D電源とマザボをケースから取り外した状態で、ATX電源ケーブルを外す
本機のATX電源コネクタは目茶苦茶な固さなので、ケースから取り出して、繋ぎ目にマイナスドライバを突っ込んでねじらないと外れない。電源ユニット単体になったら、分解に掛かる。
@ネジ3本を外してカバーを取る
Aファンを留めているネジ4本とコネクタを外し、古いファンを取り去る
B新しいファン(8cm×25mm)を取り付ける
C電源コネクタ変換ケーブル(自作)を噛ませて電源をつなぐ
ここで問題になるのが、ファンの電源コネクタ変換ケーブル。通常、PC用のファンのコネクタは2.5mmピッチだが、ここで使用されているのは2mmピッチ。変換コネクタを噛まさないと繋げない。一番簡単なのは、新旧両方のファンのケーブルをちょん切って、半田付けしてつなぐことだが、それも無粋なので…
元のファンのケーブルを根元から切り取って、先端に2.5mmピッチのピンコネクタ(メス)を半田付けした。これにピンを差し込んでオス化してファンと接続する(極性注意!)。この方法は、新しいファンを傷物にしないのが良いところ。また、別のPC用ケースファンに付け替えるときも簡単。コネクタやピンはパーツ屋さんで簡単に入手できる。
USB 3.0
CPUと並び本機のキモとなるのがUSB 3.0−−これがあるからこそ、本機を使ってみようと思ったわけだ。私が現在動画編集機として使用しているAT991E(Ivy Bridge)にはUSB 3.0がないので、PCI(PCIeではない)のeSATAボードを増設して凌いでいる。これによってコピー速度はかなり改善されたのだが、難点もあって…
マウント時の負荷はかなり酷いもので、音楽ファイルを再生していると、再生が途切れるだけでなく、大きな雑音が発生して再生異常に陥るレベル。もし、裏で大きなファイルのダウンロードや、radikoの録音などをしていたら、影響が心配される。このため、マウントには非常に神経を使う。
(*) 大容量HDDのFAT32フォーマットには、IO DATA製フォーマッタを使用
ドライブ 型番 SATA ファイルシステム Read Write 実測(W)
3.5"(HDDスタンド) TOSHIBA DT01ACA050 SATA 600 NTFS 174 MB/s 160 MB/s 90 MB/s
2.5"(ポータブル) BUFFALO HD-PNT1.0U3
TOSHIBA MK1059GSMSATA 300
NTFS 68 MB/s
FAT32 85 MB/s
exFAT 87 MB/s
消費電力
SSDで運用の場合、Windows 7のアイドル状態で22〜23w。これはCPUに依らずほぼ一定(i3でもXeonでもTモデルでも)。高負荷時には60w台半ば(Xeon/90%)。こちらはCPUの性能にかなり依存する。HDDの場合はアイドル状態で28〜30w程度。いずれにしろ、かなりの省電力なのだが、Sandy/Ivy世代のように20wを割ることはないようだ。原因はGPUの消費電力かな?
ビデオ・エンコードのまとめ
@電源プランは[バランス]に:[省電力]だと、負荷が小さいときにクロックが全然上がらない。ffmpegもff-mpeg4に変換するときは1.2GHzくらいにしかならず、200fps程度になってしまう。[バランス]で変換すれば、フルスピード(2.9GHzに制限しているが)が出る。変換速度も600fpsを超える。
SSDの低速化現象
2023年12月、SSDの異常低速化現象が発生。書き込み速度が1/100程度に落ちた(330MB/s→3〜6MB/s)。アプリケーションがSSDにアクセスに行くとプチフリするような感じで、とても使い物にならない。以前も類似の症状が発生した事があるが、今回はかなり深刻。とりあえず、ゴミ箱の容量を減らしたり、ファイルを別ドライブに移して空き容量を増やしたら、若干改善された。
SSDの低速化現象(2)
2024年3月、大量のファイルのコピー/移動をしていたら、またもSSD/HDDの低速化現象が発生。リソースモニタを確認すると「アクティブな時間」が100%に張り付いたまま動かない。コピー速度も3〜4MB/s台まで落ちることがあった(通常は60〜100MB/s、USB 2.0経由でも30MB/s台)。つか、遅いというより、システムがフリーズしているカンジ。
A無印HaswellのTモデル(4130T/4330T)を入手する
B爆音覚悟でBIOS設定でファンの回転速度を50%以上に設定する
2TB SSD御臨終
と、まあ、いろいろ苦労していたんだが、2024年8月3日、2TBのSSDは静かに永眠された。朝起きたらシステムがハングしていて、BIOSも二度と認識してくれなくなっていた。亨年1歳と1カ月。ま、メーカー保証期間内だったんで、返金はしてもらえたが…データが…orz 無論、主要データのバックアップは取ってあったが、重要度の低い細々としたデータは永久に消えてしまった。
Long-run reports...
2020.09.20:オークションにて
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