†PCうそつき講座†

EPSON Endeavor AT990E Core i3-2120【jamira】

作成開始日 2019.06.12
最終更新日 2023.08.15

2011年10月発売のEPSONの企業向けBTOパソコン。標準的なデスクトップPCで、省スペース化されていない半面、拡張性もそれなりに担保されている(ただし、PCIeは別途オプションが必要)。発売当時の価格はCeleronモデルで4万円台後半、Core i3モデルで5万円台。

2019年6月オークションにて1500円+税[コミコミ¥2700]で落札。ただし、ストレージは取り外されていたので、インバースで80GBの2.5"HDDを180円で買って来てくっつけた。 RAMが標準の2GBと言うのはちと苦しいが、このスペックのマシンが3000円以下で入手できるとは…。白くて四角くて大きいので「jamira」と命名。水気厳禁(^^;

メーカーは本機を「省スペース機」として販売していた。このあたりは認識の違いか。EPSONのデスクトップ機としては最も大きなサイズだが。

基本スペック(入手時点)
CPU Core i3 2120/3.3GHz (Sandy Bridge / 65w / pm=4000弱)
C/S H61 Express
RAM 4GB : Samsung PC3-1333 2GB (1R8) x 2 ※PC3-1333ってのは変な表記だなDDR3-1333の誤記?
2GB : Sanmax DDR3-1333 2GB (1R16) x 1
HDD 80GB/2.5" SATA150 TOSHIBA ※入手時にはストレージなし
DVDHLDS LG-DMDH18NS40(B) DVD-ROM ※DVD-RW不可
SONY AD-7290H(実質的にCPRM非対応)※Gateway SX-2300で再利用
SATA3ポート(HDD+DVD+空き)
LAN1000/100/10 Intel 82579V
USBUSB 2.0 x 6
PS/2x 2(keyboard+mouse)
PCIPCI 2.3 x 2
noise24.5dB(公称)

企業向けBTOパソコンのリユース品はお買得感が高い。外見は素っ気ないが、レガシーデバイスにもきちんと対応していて安心感がある。それでいて、大量に出回るから非常にリーズナブルな価格で入手可能。特にEPSON製は、HPと違って汎用パーツを使っていてくれるのでメンテも楽。

拡張性があるのも本機の特長。PCIスロットがあることや、SATAポートに空きがあることなどは、自作PCでは当たり前すぎて何の感動もないかもしれないが、オフィス用PCでは、そう当然のことではない。用途を限定して機能を削ってコストを下げる、というのが基本なので、拡張性が残っているのはとても有り難い。とは言え、PCIeには別途オプションが必要な上に、このPCIe拡張ユニットはまず入手できないと思う。また、USBも2.0のみ。少々厳しい。

また、筐体が大きいので冷却に無理が掛からないのが良い。本機のCPUファンはデフォルトで20%に設定されているが、非常に静か。通常使用の範囲内では、これよりも回転数が上がることはないだろう。ノートPCや小型PCのように排熱に苦労して、小型ファンを目茶苦茶な回転数で回して爆音を出したり、発熱抑止のために亀の呪いを掛けられたり、過熱で内蔵HDDが逝っちゃったりという事が起きない。

●ハードウェア構成

CPUはCore i3-2120/3.3GHz(Sandy Bridge:Core第2世代)。

この世代のカウント方法だと、Core2はどう表現されるんだろう? 第一世代(Nehalem)と併せて「前世代」と呼ぶと言うような話を聞いたが…

passmark値(旧データ)は4000弱;けっこう使えるスピードである。 ffmpegでの動画変換を想定しているので、CPU速度はかなり重要なファクター。 体感的にもけっこう速いが、現状ではSATA 150のHDDがボトルネックになっている。 処理によっては期待したほどのパフォーマンスが出ないことも。

その後、SSDに換装してWin7を入れ、ffmpegでDVDサイズのmpeg動画をh.264に変換したが、120fps(4倍速)程度のスピードが出た。それまで使用していたEndeavor ST150E(Core i3-380M:pm=2000弱)では最大で70fpsくらいだったので、かなり高速化された。さらに、ST150EはCPUの負荷が上がるとファンが唸り出すので、Thread数を下げてCPU負荷を軽減していた。そのため、実際には50fps程度でしか変換できなかった。本機は静音で高負荷動作が可能なので、最高性能をそのまま享受できる。

メモリはDDR3-1333(240pin)スロットが2本。デフォルトは2GB (Sanmax PC3-12800 / 1R16 2GB×1) が入っていた。スロットは2つなので、4GB×2としたいところだが意外に高価(中古でも3000円くらいはする)。流石に本体と同額はためらわれる。結局、オークションでSamsungの2GB×2本を500円で落札、これに換装した。

HDDは3.5"×2台搭載可能;ただし、そんな騒音源・発熱源を内蔵する気はない(まあ、NAS用HDDは静音・低発熱で魅力的だが、それはそれで高価なので)。最終的にはシステム用にSSDを内蔵し、データ用HDDはUSB 2.0/eSATAで外付けを予定。が、当座はテストと言うことで、小容量の2.5"HDDを使用している。

少々厄介だったのがDVDドライブ。SONYのAD-7290Hが搭載されていたのだが、これがCPRMに対応していない。正確には、スペック上は対応しているが、使用環境に制限があるみたいで、どんな再生ソフトからでもCPRMが再生できるわけではないようだ。実際、relCPRMは使用できなかった。動画編集を想定したマシンとしては失格。KEIANの安物DVDドライブに換装したが、こちらは何の問題もなし…う〜む、やっぱSONY製はダメだな。PCの「気質」が判っていない。重視しているのは「そこ」じゃないんだよ…

【追記】さらに、2023年8月にDVDドライブをHLDS LG-DMDH18NS40に換装。こちらはDVD-ROMで、書き込みはおろかDVD-RWメディアの認識すらできない(ファイナライズはしていないが)。MK27R/B-Eを予備の動画編集機とするために、DVDドライブを交換した。

●消費電力と温度

アイドル時には20w前後(18〜22w)、480p動画再生時には25wくらい。PuppyでもDebianでもほぼ同じ。CPU温度は処理によって大きく変動するが、27℃〜65℃(室温27〜30℃)程度。CPUファンは20%固定でかなり静か。恐らく、ファンコンが無効で、回転数が自動変更されないのだと思うが、max.65℃程度ならば問題はないだろう。

HDD温度はmax.41℃、通常時には36℃前後に収まっている。使用しているHDDはTOSHIBAの2.5"/80GBで、消費電力は5wと比較的効率の悪いタイプだが問題なし。Debianではサスペンドも快調に機能する。省電力性能は非常に高い。

●想定しているシステム

Linuxベースでネットと動画処理を行い、仮想環境上のOS/2やWinでテキスト処理を行う。 理論的には簡単だが、実際にはさまざまなトラブルが発生して、けっこうハードルが高い。 とりあえず、Debian 8.7(64bit)+VMWareでWinMeとOS/2を動かす所までは成功している。

また、Debian jessie版のAvidemux 2.6.8のインストール成功;動作も問題なさそう。 ffmpegも動作確認済み。あとはrelCPRMをWineで動かす、ってカンジかな… まあ、多少(沢山!)問題は残っていて完璧な状態ではないが、目処は立った感じ。 ただ、アプリのことを考えるとXP以降のWinを使える環境にはしておきたいところ。 あと、厄介なのはradikoの録音か…これだけはWinに軍配が上がる。

●PuppyからDebianに回帰

当初はPuppy Linuxをインストールしてテストしていた。当初はRAMが2GBだったので32bit/noPAEでも十分だったが、RAMの増設の予定があったので64bit版を試した。しかし、64bit版Puppyはまだまだ問題が多く、まともに使える環境が整わない。

その端的な例が日本語入力。scimが32bit専用らしく、lang packを当ててもAnthyが起動しない。まあ、日本語に関しては「日本語化シンプル版」がリリースされているので、こちらで対処可能だが、その他にも、たとえばpnethoodがまともに機能しなかったりと、けっこう細かな点で引っ掛かる。個別の問題は対処可能でも、その度に立ち止まらなければならないのは苦痛。

結局、32bit/PAE版でお茶を濁すことにしたが、Xenialpupの32ビット版はnoPAE版のみとのこと。 となると、TahrpupとBionicpupの二者択一だが、BionicはUI周りが変更されていて使いにくくて困った。 で、最終的にTahr 6.0.5 32bit/PAE版に行き着いたわけだが、流石に古いかな、と… Puppyそれ自体として使用するなら問題ないが、WineやVirtualBoxの使用を想定していたので…

と言うことで、結局Debian 8.7の64bit版に戻ってきた。流石にこちらの64bit版はきちんとしている。以前Debianを使っていたときは、余りに使いにくくて閉口し、それがPuppyにハマるきっかけになったのだが、 ここ数ヵ月のPuppy修行のおかげでLinux自体に対する耐性ができた。 何よりrootでログインすれば、従来煩わしく感じられていた問題のかなり部分が解決することが判った。 そして、懸案だったAvidemux 2.6.8のインストールに成功した;これはかなり大きな収穫。 たぶん、このマシンに関してはPuppyに戻ることはないと思う−−まあ、Win7に戻る可能性は十分にあるけれど…


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